暁に起きる、そして寝る
誤字脱字報告(大量)、ありがとうございます!
助かります!
……うーん………我、目覚める……… ここは………あれ? デジャブか? 簡易ベッドの上だな! 我、起き上がる! 背伸びをして、腰を左右に回転、ツィッツィッツツチノコツィッ!背中を伸ばして後ろにそらす、グギギギギ! ツチノコ体操……終わります。さっきやったような……さて、お外に出ますよ……空が何だかほんのり明るいですな…… 我、這ってお外へでます。確か最後の夜営はヒーちゃんカーちゃんか…… あの二人って額金つけてないよね。話できないから見つからんようにこそっと実験しようか……
「あ! スネーク発見!」
「ホントだ! 捕まえるわよ!」
カーちゃんが鞭を振るうと、我に巻き付いた! 我、あっさり捕まる! なぜ我を捕まえるのか、わけがわからない?
「スネークは深夜に一回起きて、それから気を失ったって聞いたんだが、こんな時間に起きたのか。なんで捕まえたか、わかるか?」
いや、全然。
「ホントはもっと遅く起きると思ってたけどよー、俺たちの夜営時間に起きたんなら、俺たちの修行の結果を見てもらいたくってよー! な! いいだろ?」
そりゃいいけどよ、我の話すことはそっちには伝わらんだろ?
「ああ、それなら隊長から額金、借りてきますから」
「ああ、俺の分も衛生ちゃんか新兵ちゃんから借りてきて!」
「しょうがないですわね!」
君ら、息ぴったりやな! そりゃペア組まされるわけだわ。
「そんじゃ、時間ももったいないことだし、オレのから見てくれ!」
そういうと、ヒーちゃんは右手に祝福・弱の宝玉が付いたガントレットをはめたまま、石板にコマを廻してそれを手で回転を加えた…… ただ回転を加えているのではない。コマを手で叩く際に魔力を放出している…… やがて叩いている際に魔力が高まっていきやがて……赤く熱く輝きだした!回転するコマから炎が! 炎のコマの完成です!
「へへ、それだけじゃねーぜ! みてろっ!」
ヒーちゃん、またコマを出したかと思えば、同じことをやって炎のコマをもう一つ出現させます! こやつ、やりおるわ!
「面白いのはここからさ! いけ!」
二つのコマが近づいたかと思ったら激しくぶつかり合う! もしかして!
「スネークの火炎鳥みたいなやつだな! まだまだ単純な動きしかできないし、媒体のコマがないと無理だけどな」
成長したなぁ!
「スネークが水晶玉に火魔法の魔力を込めてたやつを使わせてもらったおかげで魔力の使い放題だったからな!おかげで魔力の容量がすげー増えた感じがするぜ!」
我、ジャンプジャンプして喜びを表現します。
「それでよー、物は相談なんだが、あの水晶玉にもう一回魔法を込めてもらえねーかな? あと…… コマを水晶玉で何個か作ってくれないか?」
いいでしょう! 我、土魔法Lv.13土石変換+土魔法Lv.18石細工で計10000個の水晶のコマの出来上がりです。どうせ他の人も欲しがるんでヒーちゃんの分は1000個分な。あとは、水晶玉に魔力を込めるんだったな。Lv.7の青魔法はお一人様一つだけなのでLv.4の祝福にしておきましょう。
“青魔法Lv.4祝福!”
“プップ~”
“どのような祝福を施しますか?”
“水晶コマに魔力が込められるようにして!”
“パヤヤヤ~ン”
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと37!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと37!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと37!】
コマが1000個分と水晶玉1個分の魔力か、たぶん大丈夫だ。火魔法の魔力込め…… それにしてもヒーちゃんは、あのでかい水晶玉の魔力を全部使ったのか…… 見かけによらず研究熱心なのな……
「お待たせ!バウちゃんから黙って借りてきたわよ! あとで自分で返しておきなさいよ!」
「さすが、ドロボーの真似事はうまいな! どれどれ?」
「なんという恩知らずな!」
”あんまりそういう言い草は感心せんなー。せっかくヒーちゃんのために盗ってきたんだろう? ありがとうぐらい言わんと!”
「ははっ、ちげーねぇ! ありがとう、カーちゃん!」
「ヒーディが素直に感謝するなんて、おかしい! スネ君になんか言われたわね!って、あんた何作ってもらってるの!?」
「いや、コマを武器にしたら面白いかなって思ってよ!」
「それなら私にも作ってよ!」
カーちゃんの分も作っとるわ! 1000個持っていきなさい! それで? カーちゃんはどんな成果があったのさ?
「私の成果はこれよ! 伸びろ! ロングテール!」
カーちゃんが左手で持ったパイチェのロングテールはぐんぐん伸びて、川向うにある石に巻き付いて先端がこっちに戻ってきた。あれ? ロングテールの長さは確か20mだったはずだが……
「魔法で水を出して鞭と同じような操作したの! あとはこっち! 広がれ、ナインテール! 」
ナインテールは9本の細い鞭だったと思うが、鞭と鞭の間に何か網のようなものが……あ! 川に沈んだと思ったら、コーイが獲れたよ!でっかいコーイがテーブルの上にドン!と乗っかりました。なるほどなるほど、武器に習熟したというわけね。ヒーちゃんのコマと水晶玉に魔力を込め終わりました。
「それで、私にも水晶玉とコマに水魔法の魔力を込めて欲しいんですが……カウントダウンが進むのはわかってますがどうか一つ! お願いします!」
まあそうですね。カウントダウンは進みますが、実験したいこともありますし……我飲み込んでいる水晶玉に魔力が込められるか実験してみるのだ!できるんだったら、わざわざ吐かないでも体内で魔力を込めたり祝福できたりするからチョー便利になるのだが。それでは行きます。水魔法を目の前の水晶玉とコマ1000個、それと体内の水晶玉100個に込めてみる……
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと36!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと36!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと36!】
目の前の水晶玉とたくさんのコマは徐々に青く輝きだしたのだが体内のはどうかなぁ? あ、そろそろいいかな?
「アリガトー♪ スネ君大好き―!」
うーん、あざとい。
「ほれ、スネークもあざといっていってるぞ!」
「そ、そんな!スネ君、私のことが嫌いなの?」
いや、嫌いとか好きとかいうのではなく、あざといと思っただけだから、気にするな! それでは我はちょっと実験をするので……
「実験てなにするんだ?」
これからするんではなくて、もうしたんだがな! さてさて、体内にある水晶玉で魔力がこもったやつは出るかなぁ……いでよ、青い水晶玉!おぇっ!
「あ、スネークが青い水晶を吐き出した」
おー、実験成功だな。それでは…… あ、二人とも、我はまた気絶するのであとよろしく。体内にある、祝福をかけていない水晶玉さん、全部に青魔法Lv.7祝福・強を!
“青魔法Lv.7 祝う(セレブレーション)・強”
”ブブブブブブブブブ!”
“どのような祝福を施しますか?”
“体内にある宝石に魔力を蓄えられるようにして!”
”バババババババババ!”
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと35!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと35!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと35!】
日付変わって再びの気絶であった…………




