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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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ハンナちゃんの普段のお仕事

誤字脱字報告ありがとうございます。

ご指摘を受け修正させていただきました。

 さてさて、隊長からお仕事を頼まれましたよ。食事をしながら、グラニーラムゼースミスの里の人たちのために何を作ったらいいか考えます…… スネークちゃんは、病人に食べさせるのには何がいいといってましたかねぇ…… あ、今宵のタウルスステーキはよくできました! おいしーーー!


「ハンナちゃんハンナちゃん、 これにゾヤゾーゼをかけたらもっとおいしくなりそうですねーーー!」


「調味料ならマヨとゼンㇷとワサビーを乗っけてますが?」


「それ付けても美味しいんですけどーーー、ほら、カクニとやらで糖とゾヤゾーゼを入れて煮てたでしょー、アレをやるともっとおいしくなるんじゃないかってねーーー、あ、お代わりしていいですか―――?」


なるほどねぇ、エマさんも舌が肥えてきましたね。それではまだまた焼けているオニクを保存箱から取り出しまして、エマさんにお代わりをだします。


「あ、またお代わりある? なるんなら俺の分もくれ!」


「私も私もー!」


「お肉もいいですが、ポテサラはどうですか? 」


「ヴィンよ、私にポテサラのお代わりをくれ。それとニクはもう食べきれないのだが……」


「あー、だったらたいちょーの分くださいなーーー!」


私は黙って隊長のお皿から半分くらいで食べやめたオニクを取り去ります。隊長は小食なのを忘れてた。


「ヴィンデルバンド、僕にも”ポテサラ”をもらえる? あと、トレーネにもポテサラ食べさせて。彼女、好き嫌いが多くて野菜はあまり食べないんだ」


「「なに言ってるんですか! ”ポテサラ”って野菜じゃないですか! ちゃんと食べてますよ!」


そういうトレーネさんのお皿を見ると、見事にキュキュミスとトマーテが分けられていた。


「トレーネさんはキュキュミスとトマーテが苦手でしたか……」


「ごめんなさいねー。でもこの白いところは好きなの! ニグラムが効いてておいしいわね!」


「野菜を食べないときれいになれないんだぞ! フランメクライゼルを見なさい! 全部食べてる!」


「ヒーちゃんは舌がバカだから味を感じないんでしょう!」


「いやいや、これうめーぞ!味わかんないのお前じゃないか? 食わねーんならオレもーらい!」


えーと、オニクのお代わりがフランメクライゼルさんとトレーネさん、ポテサラのお代わりがボーデンさん、あとキュキュミスとトマーテ抜きのポテサラのお代わりがトレーネさんですね。私はすぐにお代わり分を持っていきます。あとは、小さなフライパンを出して、油をひいてツヴィーベルを炒めまして、しんなりしたところでゾヤゾーゼと糖を入れます! ジュ~~~!おいしそうな匂いがしてきましたね! スネークちゃんの話だと、この後に水で溶いたレオーノイモ粉を混ぜるとトロットロになるんでしたね。…… できました。


「エマさん、これでいいですか?」


出来上がったタレのようなものをエマさんのオニクにスプーンで一かけ二かけ、してみます。


「あ~いい感じですねー。ツヴィーベルがいい感じに旨味を倍増させてます! 今度やるときはトマーテでもやってみたらいいかもしれませんねーーー!」


なるほど、参考になります。


「お? なんか味が変わるのか? オレにもかけてくれ!」


「それ。私のポテサラにもかけてもらえます?」


「トレーネはツヴィーベルは食べられるんだな? 今度たくさん食べさせてやるといい」


「ツヴィーベルは焼くと甘みが出ておいしいんです!」


糖とゾヤゾーゼで煮てみるともっと甘くなるような感じですね……


「ヴィンよ…… ポテサラ……」


いっけない! 隊長の分のポテサラお代わり忘れてた!

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦


 さてさて、皆さん食べ終わりましたか? そしたらデザートにスネークちゃんが作ってたプフィルズィヒとカーキのコンポートです。隊長も小食とはいえ、デザートは別腹のようですね。


「食べながら聞いてくれ。大体今から30分ぐらい食休みして、そこから夜営だ。見張りに立つのは最初がヴィンとバウアー、次に私とボーデン、最後がフランメとトレーネ。ここに3時間砂時計を置いておくので交代したらその都度時計をひっくり返してくれ」


「たいちょー、お風呂はどうするんですかーー? スネークさんがお湯沸かしてるんですけどそろそろ入り頃ではー?」


「あいつそんなものまで作っていたのか。それじゃすぐ就寝するものが先に入ってくれ。ボーデン、これから訓練はできそうか?」


「大丈夫! あと6時間ぐらい平気! 」


「それならヴィン達が最初の見張りだから、終わる前くらいにお湯をもう一度熱々にしておいてくれないか?」


「了解しました」


「それとヴィンには仕事ばかり押し付けてすまないが、例の食事の件も頼む」


「それが仕事ですから、了解してます」


「あと、スネークが起きるのはいつ頃だと思う?」


「うーん、だんだん気を失っている時間が短くなっているような気もするのですが、気を失う直前にどのくらいの魔力を放出したかにもよると思います。これまで通りなら、夜明け前3時、4時だと予想しますが……」


「そうか……私たちが寝る前に起きてくれたら睡眠魔法をかけてもらえるのだが」


「それでしたら、スネークちゃんの作った眠り薬を使ってみてはいかがですか? エマさんで検証したところ、1度使えば3時間ほど効果があるみたいですし」


「そうか、ならそれを用意しておいてくれ。それと、ヴィンにはもう一つ、どこかわかりやすいところに飲み水を用意しておいてくれないか?」


「それではこのテーブルに、水魔法ぐで出した水を置いておきます。できたものはスネークちゃんの祝福1斗壺に入れて置きますので、そちらを使ってください」


「よく考えたらヒーちゃんが相方なんて最悪ですね」


「それはこっちのセリフだ!」


「二人とも喧嘩せず仲良くやってくれ。フランメは魔力操作の練習をしておいてくれ。トレーネは武器の習熟を引き続きやってくれ、何かいいたいことはあるか?」


「あたしはー、ハンナちゃんを手伝えばいいんですかねー?」


「ああ、それで頼む。バウアーがいれば心強いからな!」


「わかりましたー!」


「それでは、解散だ」


 こうして食事は終わりました。この後フランメクライゼルさんとトレーネさんは仲良くお風呂場へ入っていきました。いいコンビですね。隊長とボーデンさんは再び稽古をするそうです。篝火を作るため薪を持っていきました。料理用に薪は……余裕で足りますね。私は後片付けをエマさんにお願いして、料理に専念します。さて、500人分の消化の良い食べ物……やはりお粥でしょうか? 麦はあると聞きましたので蕎麦粥にしましょう、それに玉子をかき混ぜてラウホを刻んでいれればよいでしょう。それと、ジンセンの糖煮作って、後乗せでお粥に入れれば元気が出ますね、きっと。万が一食欲がある場合も考えられますから、カレー、それにタウルスワイン煮も作っておきましょう。でもまてよ?スネークちゃんが作った祝福1斗鍋だと、時間経過が1/50になっていますね? これ外から熱したらどうなるのでしょうか? 私は試しに祝福1斗鍋に水を入れて火にかけてみます…… ちゃんとお湯になりました。どうやら普通の鍋として使えるようです。それでは、蕎麦粥とカレーとタウルスニクのワイン煮、スーススクロファの角煮、ハオスエンテのホワイトシチューを作りますかね……


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