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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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新武器の使用感は如何に? ボルちゃん編



 さてと、欲深対策もしたことだし、リーちゃんの様子でも…… と思ったら、ボルちゃんがやってきた。どうよ、鞭とか靴とかの感じはよ?


「パイチェに関してはまだまだだな、ウィップスは中々に使い勝手がいい! 呪文を使わずに鎌鼬が簡単に出せるようになったぞ! 靴は…… どうも風魔法のエアウォールの要領が悪いのかスネークがいうように空中を闊歩できるようにはならないな…… 何かコツのようなものはないだろうか?」


うーん、よくわからないから、手本を示して進ぜよう……風魔法Lv.4 空気壁エアウォール!我が乗れるくらいの極小壁を横に!いくつか作れ!乗った後は消えろ! できた空気壁に我ジャンプ! 次はあそこだな! なんとなく魔力を感じるし、光学的に屈折してみえるぞ! ジャンプ! ジャンプ! ジャンプ!…… 気が付けばえらく高いところに登りましたな! それでは降下! 風魔法Lv.6上昇気流アップドリフト!軽めでオナシャス! 


テロリン♪


あ! こんな時にレベルアップ音!


”風魔法Lv.12”


おおう、もうそこまでというべきか、まだそこかというべきか?


”風魔法Lv.12 空気弾エアショット


え? なに? 空気をぶつけるの? なんかそれ意味ある?


”使ってみそ”


”わかりました。使えばいいんでしょ使えば! でも使いどころあるかなぁ……”


我、重力落下よりも遅く、ふわふわした感じで降りていく…… こんな感じだけどわかった? 


「詳しく説明してくれるか? それとたった今見せたのも風魔法か?」


いまのは風魔法の上昇気流というのを軽めにかけて落ちるスピードを遅くしたのだ…… うーん、ボルちゃんにはエアウォールをたくさん出してそこを足場にするよりも、1個の強力なエアウォールを出してそれに風魔法を当てて移動するのがいいかも知らんが…… ま、最初っから説明すると、自分が乗れるくらいのエアウオールをだせるか?呪文は使わないで。


「呪文を使わないで出せるものなのか?」


あれ?ボルちゃん、メルゼブルグで呪文なしの風魔法使ってたよな?エアドリルだったっけ?


「ああ、あれは昔っから得意でな、早く走るのに便利だからよく使っていた」


なら、歩くのに普通にエアウォールを使うとよい。なるたけ小さく、堅くイメージを連続させることがコツやな。ちょいとやってみて! ボルちゃん、足元に魔力を纏いましたな!


「エアウォール…… 小さく、堅く……連続で…… お! いけるな! 」


ボルちゃん、その辺を30㎝ほど浮いた感じで歩き回る…… 我、閃く! ぴこーん!


”風魔法Lv.12空気弾エアショット! 大き目の感じで!”


我の出したエアショットは夢中で歩いているボルちゃんへ向かった。


「あふっ!」


変な声を出したボルちゃん、ちょっとした高さから落ちましたな! 光魔法Lv.2!ずっこけたボルちゃん、鼻を抑えていたが我の光魔法に気づいたようだ。


「スネークよ! 今私に何か魔法をかけなかったか? 光魔法じゃないやつだ!」


あ、ばれた? 我はボルちゃんに言いたいことがある!


「ん? なんだ、言ってみろ!」


歩くのに夢中で、周りの様子を全然うかがってないではないか! それでは何かに攻撃されても受けっぱなしになって危ないぞ!


「…… む、そうだな…… 礼を言う。それはそうと、やはり魔法を使ったな? まあそれをわからせるために魔法を使ったのだろうから文句は言わん」


あとな、空中闊歩エア・ウォークしている最中に、攻撃できるか?


空中闊歩エア・ウォークか!いい名前だな! そうだな、歩いている最中は攻撃のことは考えてなかったが…… 何か対処法があるのか?」


おうともよ! 今、ハンナちゃんが特訓している方法を教えてもらいなさい。右手と左手で何か違うものを書くのだ!そうすると分割思考の訓練になる、ハズ。ハンナちゃんは今、多重分割思考の特訓してるからな。それができるようになれば、複数の魔法を同時に使えるようになるだろう。


「そうか、わかった。指導感謝する!」


そうやってすぐよそへ行こうとするが、ちょっと待て! パイチェとウィップスを出しなさい。それに宝玉をつけるから!


「武器の強化だな! これらも強で頼む!」


強はお一人様一個限りや! 我、出されたパイチェとウィップスに宝玉をくっつける。唸れ、我の金魔法!


”金魔法Lv.3合成”

“何を合成しますか?”

“この鞭二つと青い宝石を合成してくれます?”

ぽわんぽわんぽわんぽわわわわん!


つづいて


“青魔法Lv.4祝福セレブレーション

“プップ~”

“どのような祝福を施しますか?”

“魔力を吸収・貯蔵・放出できるようにお願いします”

“パヤヤヤ~ン”


【WARNING!WARNING!WARNING!】

【水魔法消滅まであと48!】

【WARNING!WARNING!WARNING!】

【水魔法消滅まであと48!】

【WARNING!WARNING!WARNING!】

【水魔法消滅まであと48!】


 でけたぞ、もってけ!あとボルちゃん用宝石箱ももってけ!


「武器はわかるが、この箱は何だ?」


ああ、それはカーちゃんが宝石クレクレ言っててな、一人だけだと不公平なのでみんなにつくったもんだ。箱はボルちゃんにしか開かないようになっている。飾るもよし売るもよしだ、好きに使ってくれ。ボルちゃんが箱を持つと、箱、ぱかんと開いた。


「…… こ、これは? 蒼天についている奴と同じものか? スネークよ、いろいろ気を使ってもらってすまんな」


ま、この討伐が終わったらお別れだからな!手切れ金代わりじゃ!


「私の方から渡さないといけないのに…… スネークは何か欲しいものはないのか?」


……うーん…… 情報?


「水結晶の情報か…… すまん、私には結晶石のありかはわからない、水のマルスプミラ様の場所なら聞いたことはあるが、他の里の事情はよくわからないのだ」


伝説の賢者の居場所は?


「それもわからない…… だがシュッツ様なら何かヒントをくれるかもしれない」


知らんことだらけやな!


「そういう重大な情報は秘匿されていて、ごく一部のものしか情報を知らされていないのだ……すまんな。その代わり、ことが終わったら少なくとも私はお前に協力するぞ!」


でも軍関係で仕事忙しくなるんでないの? それに協力すると言っとるが、協力を求められることが多くなりそうな気がするのだが?


「ま、それは否定できないな!」


ボルちゃん、ふふふと笑う。王、ボルちゃんのちゃんとした笑顔は初めて見るな!ええやんけええやんけ! いつも笑っておきましょう。笑う門には福来るや!


「…… そうか、私は笑っていたか…… いつ以来かな、楽しいと思って笑ったのは……」


隊長なんだから、感情を出すのははばかられるのか?


「いや、隊長になったのはこの任務からだな。それまではあまり人が寄り付かなかった…… 険しい顔をしていたのだろうな、たぶん」


ま、戦闘中に笑うよりは、何気ないところで笑ってた方がいい気はする…… それにしても美人の笑顔はずるい! 何でも許してしまいそう!


「なら本格的に私の従魔になるか?」


お断りします!


「……やはりふられてしまったか。 スネークはアシアティカ様一筋だからな」


うん、先代から頼まれてるからね!


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