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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第4章 ドラゴンへの道
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悪い知らせともっと悪い知らせ



 イケてるおじさま、ギルドマスターはやってきたエルフ6人に着席を促す。6人全員が座るとソファに座れる席がなくなりますな。


「あー、私は自分の机でいただきますから、まずは皆さん喉を潤してください」


「はい、それでは失礼します。皆、着席するように」


全員座ったところで、デイジーちゃんはまずギルマスに、そのあとテーブルのあるソファのところに6人+1のティーカップを持ってきてくれた。あ、我の分もあるのね。それじゃ遠慮なく。


 皆が一通り喉を潤した後で、ギルマスが立ち上がり、こちらのソファにやってきた。


「ふむ、新しく加わったのはそちらの3人だけか……」


「そうですね、3人とも、シュッツ様に自己紹介を」


「わたくしはヒーディ・フランメクライゼルと申します!」


「私はカルラ・トレーネですわ」


「…… リージー・ボーデン……」


「私はここフランクフォートのギルドマスターをやってますドラウセン・シュッツです。結局女性だけが残ったわけだね」


「そうなりましたね」


「さて、ミア君。君に悪い知らせともっと悪い知らせがある。聞くかね?」


「うかがいましょう」


「昨日から雨が止んで、今日は本格的に晴れてきて、グラニーラムゼースミスの里の魔物が活性化しだしたそうだ。その際、新しい魔物が散見されているとの報告があった」


「今話したのは、悪い知らせともっと悪い知らせの両方ですか?」


「いや、これだけが悪い話だよ。報告にあった魔物は、鳥系、小動物系、ゴーレム系だそうだ。討伐隊には一刻も早く来てほしいとの連絡が入った」


「魔物の情報は詳しくわかりますか?」

「鳥は小鳥で高速飛行をして翼で攻撃をするそうだ。小動物は火魔法を使うらしい。あと自爆魔法でこちらに向かってくると言っていた。食らうと結構な火傷を負うことになるそうだ。ゴーレムはストーンゴーレムらしいが詳細は不明だね。まだ報告されていないが他にも増えるかもしれないね」


「なるほど…… それでもっと悪い知らせとは? 」


「君がここ、州都フランクフォートに来て、だいぶ荒稼ぎをしたことが王里に知られてね、元の討伐メンバーが出発するのは自分たちが到着してからにして欲しいという連絡が、さきほど入った。笑えるよね」


王里とやら~どのくらいでここに着くんだろうかね?


「かれらには現地集合と連絡してもらえると助かりますwww」


「ああ、そうしよう…… ところで、君のランク7の昇格試験のことだけど、一昨日一緒に来た二人はランク5で同じパーティとして登録できるんだが、今日来た3人のランクはどうかな?」


「た、隊長さんはいつの間にランク7昇格試験まであがったんだ・・・?」


「ついこの間まで、私たちの一つ上だと思ってましたが……」


「……たった2ヶ月近くでランクを2つも上げるとは…… それより、ヴィンデルバンド衛生兵とバウアー新兵のランクが5とは…… どういうこと?」


「私たち10日くらい前に新規登録したんですよ」


「そしたらー、いつの間にかどんどんランクがあがっていってしまいましたー」


「「「なぜそんなことに?」」」


「スネークがいたらランクなんて簡単にあがるよな!」


「「「……ああ、なるほど……」」」


「今の話を聞くと、君たちはランク3なんだね? うーん、そしたら今度のランク7昇格試験には関係させられないかなぁ…… せめて中級クラスのランク4だったらよかったんだけど」


ああ、ボルちゃんや。ヒカリ娘のランク、ひょっとしたら上がるかも知らん。さっきの掲示板のやつ!


「ああ、あれか。シュッツ様、この三人のランクが4に上がれば、同じランク昇格試験を受けられるのですね? 」


「何か当てがあるのかい?」


「先ほど青色掲示板を見ていたところ、それらしい依頼書が張ってありましたので」


「それでは確認をしてきたまえ。一応、ランク昇格試験は3名分で作っておいたが、書き直しておきます」


ボルちゃん一行は一旦部屋を出て、魔道エレベータで1階に到着するとすぐに青色掲示板のところに向かった…… まだ残ってた。まあ昼頃に残ってる依頼書は夕方まで残る場合がほとんどだからな、と経験者っぽくボルちゃんは語ってます。シナノマムの枝葉採取の依頼書、ツィムト採取の依頼書を取って受付へ行きますよ。


「おやボルドウィン様、もうお話し合いはお済でしょうか?」


「いや、まだだな。それはそうと、こっちの3人のギルドランクを上げたいのだが、この2枚の依頼書で足りるだろうか? 」


「そうですね…… 分量にもよりますが…… あ、お三方のギルドカードをお借りしたら詳しくわかりますよ」


と、言うわけでヒカリ娘達のギルドカードを受付のお姉さん…ヴァイオレットさんだっけ? にまるっと渡します。


「わかりました。ヒーディ・フランメクライゼル様ですと、シナノマムの枝葉が10㎏とツィムトが5㎏、カルラ・トレーネ様ですと、シナノマムが30㎏、ツィムト15㎏、リージー・ボーデン様ですと、シナノマム5㎏とツィムトが2㎏といったところでしょうか」


ふむ、すると全員昇格するにはシナノマムが45㎏、ツィムトが22㎏必要というわけですな…… そんなにあったかな?


「ともかく解体室へ行きましょう。シンディさん、受付はお願いします」


はいはーい、という掛け声がかかったので我らは受付横の解体室へ入ることになる。テーブルの上に樹人族の皆さんから受け取った木の皮をどささささーっと吐き出します。あまりの多さにテーブルからはみ出てきたので落ちる寸前にストップですよ。解体室にいた職員さん全員で目方に載せると、木の枝葉が500㎏、ニッキの匂いのする皮が100㎏あったとさ。


「こ、これだけあればランク4には余裕で昇格できます」


「これからランク5にするには何がどれくらいあればいい?」


「…… そうですね。一番簡単な魔物のスライムですと一人3000個もあれば」


「3人で9000あればいいのか。ヴィン、そのくらいもってなかったか?」


あー、それくらいありそうですねぇ、ちょっと待っててください、私荷鞍を取りに行ってきますというもんだから、エマさんを荷物運びにつけていくようにボルちゃんは言った。


「それでは先にこちらの方を処理させていただきます。シナノマムが500㎏で合計銀貨2枚大銅貨5枚、ツィムトが100㎏で合計大銀貨1枚、すべて合わせますと大銀貨1枚銀貨2枚大銅貨5枚となります。一旦、受付の方へお戻りください」


いったん解体室をでて、受付で待つこと数分。


「ミア・ボルドウィン様のお連れ様、ヒーディ・フランメクライゼル様、カルラ・トレーネ様、リージー・ボーデン様。めでたくランク4に昇格しました」


「めでたくって言われても、俺らなんもやってねーよな」


「これがスネー君と隊長にお任せした結果ですか…… 納得」


「…… 何にも言えない……」


「ま、ランク7昇格試験でかんばってくれ」


「お三方のギルドカードはまだ預かっておきますね。こちらは明細書です。会計課の方で清算されてください」


受付横の会計課でお金を受け取ると、我ら再び解体室へ。さっきは木の皮や枝葉でいっぱいだったテーブルが、今度はスライムの魔石が山のように積まれていた。


「これくらいあれば9000はいくでしょう!」


「あーーー、これもスネークがやったんだな……」


失礼な! 我がやったのではありません。ったかも知れませんが、回収したのはハンナちゃん(の魔法)です。解体室の職員さんはスコップで変な箱に魔石をどんどん運んでますな。あれ? 数えないの?


「この箱が魔石カウンターになってんだよ! アンタらみたいにたまに来る非常識な冒険者用につくられたんだ!」


ボルちゃん! 非常識だって言われてるぜ!


「スネークだけからは言われたくないな! …… 見ろ、あのカウンター、数値がどんどん上がっていくな!」


いや、この世界の数値を我はわからないのだ! 


「ひゃーーーーーー! 合計が1万超えたのは本ギルド始まって以来じゃないのか? 合計12324個のスライムの魔石だ! ほらよ! お姉さん、この紙受付に持っていきな!」


「ああすまんな。これは今日の飲み代にでも使ってくれ」


ボルちゃん、さっき貰った大銅貨5枚を職員さんに渡しました。さて、ここの作業は終わりですな。あとは受付に行ってギルドカード更新してお金(2コで大鉄貨1枚なので大鉄貨6162枚、銀貨6枚大銅貨1枚銅貨6枚大鉄貨2枚、銀貨より小さい端数は当然解体の人たちにチップです)を受け取って終わりです。めでたくボルちゃん以外のメンバーのギルドランクが5になりました。


さてさて、ここからもう一話いけるか・・・

生けなかったら朝の予約等投稿にしときます。

お読みいただきありがとうございました。

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