みたび、フランクフォートの冒険者ギルドへ
やっと話が動き出しそう・・・
とりあえず3人の武具その他を揃えたところで、武具通りの入りの馬留で待っていたハンナちゃんエマさんと合流。二人にブラッディオックスの胸当てとブーツを渡して、さて出発です。ボルちゃんよ、もう道は把握したか?
「ああ、この辺りは昨日何度となく歩いて体で覚えた」
結局迷ったんかい!
「大丈夫ですよ、私、地図を覚えましたから案内しますね」
さすがハンナちゃん、この小隊のブレインは有能ですな。全員で馬に乗って、我ボルちゃんの頭に乗る。それじゃ冒険者ギルド? ギルド行きね。なにするんだ?
「ギルマスに出発の報告と、何か新情報がないか確認だな。それじゃ、皆出発するぞ!」
おおっという掛け声をかけて青空に拳を突き出す。まとまりの良いチームですな。
ハンナちゃんを先頭に、パカポコ歩きよりは多少速い歩き方をして進むこと30分。あっという間に冒険者ギルドにやってきた。一昨日は1時間ぐらいかかってなかったっけ? 馬留に馬を止めて、光魔法を馬どもにかけてから、我、水桶に水を出す。おぇええぇぇぇぇええぇぇっぇぇぇぇぇぇ。ふーーーっ、このくらいあればいいかな。馬どもも人数……馬数? 頭数が多くなったので面倒見るのが大変になってきたな。と思ったら、新しく入ったコたちが水を飲んでくれません。
「1号、2号、V3号に気を使っているのかもしれませんね」
確かに汗血馬ちゃん達は体が大きいので新顔ちゃん達には怖いのかもしれません。お前ら、ちゃんと面倒見てやりなさい。我、もう一度水を吐きだし、さらにお塩をおぇおぇおぇおぇっと吐き出します。汗血馬たちは水をたらふく飲んだ後お塩を舐め舐め。ちゃんと仲良くしときなさいよ! 全頭ぶふるるるるん!返事しますな。さて、建物に入りますかな。
からんころん♪
”たのもーーーー!”
「スネークちゃんのそれ、毎回やってますね」
観音扉の建物に入るときはこういうのが流儀なのではないだろうか……と毎回思ってしまう我だった。
ボルちゃん、昼近くになってすでにまばらなギルドの受付にまっすぐむかう。
「私はミア・ボルドウィン。あー、君とは昨日もあったな。ヴァイオレット・ヒル殿だったか…… ギルドマスターに面会を求めたいのだが?」
「ミア・ボルドウィン様ですね。少々お待ちください」
少々がどのくらいかわからんので、また依頼掲示板のところを見に行くことにする。今回は青いところの初心者用ですな。
「あー、ここはいつもの……あれ? これは見たことない張り紙だな? 」
「私はこんなところ来たことがないので新鮮ですね」
「……カルラは依頼は私たち任せ…… 遠出の採取なんて1回しかやってない……」
「朝のラッシュアワーを生き残るなんて、青依頼にしては過酷な奴かな? 」
どれどれ? どんなのが残ってるんだ? ハンナちゃん読んでくれ。
「あー、スネークちゃんのご要望により、私が読み上げますよ。
依頼; シルドラウス駆除……」
あー、それ、もうわかったわ。例のカイガラムシ退治の依頼だわ! 我らが退治の方法を教えたもんで、青掲示板に張られるようになったんだ。依頼書、取られてないのはなんでかな?
「初心者冒険者がいくには場所が遠すぎるからでは?」
なるほどですねぇー。ほかにも残ってるのがあるな!
「こっちは、
依頼;シナノマムの枝葉採取。場所はオストノルテン王国との国境付近。目的、シナノマムの枝葉から抽出された精油は血行促進作用や鎮痛作用、消炎作用、鎮痒作用、清涼感をあたえる作用などがあるために種々の薬の原料となる。100g鉄貨5枚からいくらでも。依頼元;フランクフォート医療部薬剤科」
…… これはあれだな…… 樹人さんたちのお礼のやつに入ってなかったかな……
「これだけではありませんね。ほら、その横のやつは、似たような場所でツィムト採取の依頼が入ってますよ? こちらは100gで銅貨1枚だそうです」
そういや、たくさんもらったような気がしますな…… でもここ青掲示板だし、エマさんやハンナちゃん達がやってもしょうがないか。
「ミア・ボルドウィン様とお連れの皆様、ギルドマスターがお会いになられるそうです。こちらのデイジーが案内します」
「全員でお伺いしてもよろしいのですか?」
「ギルドマスターはぜんいんとおっしゃってましたので」
ボルちゃん一行、全員でデイジーちゃんの後についてギルマス部屋に向かったのであった。
本日はこれにて。
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