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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第4章 ドラゴンへの道
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土魔法使いの武器は……


 まった来てねー、ば~ぃ! という軽い挨拶を背にして店を出ます。ボルちゃんもふはーっと息をつきましたな。キャラの濃いおっさんだったが、出番は今回だけだよな。若干、”どんだけ~”の声の神と被っていた気がしなくもない。さて、最後はリーちゃんの武器なんだが、なんかいい案はある?


「そうはいっても、他の二人ともスネークの意見に沿って武器をそろえているからなぁ。ボーデンのことも考えているものと思っていたぞ」


うーん、考えてはみたものの、特に思いつかなかった。一応、土魔法で放出系はつかえるようだし、ここはハンナちゃんみたいに杖とかにしておくか? そういや、リーちゃんの剣の腕前はどうなんだ?


「ボーデンは努力家だ。なんでもそこそここなす。が、そこどまりだな。何か自信のつく一芸を見つければいいのだが……」


運動神経は悪くはなさそうか。だけど、小柄だし腕力もそれほどなさそうだ。努力家ということは我慢強いということでもある。剣術もそこそこやれるのは、ボルちゃん相手に我慢して特訓したんだろうなぁ…… しかし、昨日の魔法では礫弾を初めて使えてうれしそうだったし、銃でもあればいいのだが……


”ジューとはなんだ? ”


あ、銃はこの世界にはないのかな? 魔法を使わないで金属片を高速で飛ばす道具のことだが。


”そういうのはないな”


ま、そうやろね。魔法が使えて弾を飛ばせるんなら、別にそんなこと考えないだろうし。 


 奥まで歩いていくと、なんだか棒だらけのお店発見! ここ、見ていくか? 棒術用に使えるかも知らん。


”スネークよ、最後はここか? ”


そうさね、入ってみてちょ!


「ごめん、店主はおられるか? 」


後ろの方で、今度はリーちゃんの武器選びですね、お前のは銀貨8枚で俺のは銀貨1枚とはどういうことだ? 私のは二個だけですが、あなたのは10個以上あるじゃない? などと会話をしている声が聞こえた。いや~、金額で決めてるわけじゃないんだけどな。


「はい、いらっしゃい。何か御用かね? 」


最後のお店はやせぎすで白髪交じりのご老体だった。引き締まった肉体は今でもトレーニングをしている感じがします。


「ここは槍が多いようだが、棒術用のものは置いてあるか?」


「棒術か…… 槍を使わんのはなぜかね? 」


「槍より棒の方が汎用性がある、と、頭の上の蛇が言っているのでな」


「ほ! 魔物を頭に乗せとるのか。変わった客じゃな! 確かに汎用性はあるが攻撃力は1段も2段も落ちるぞ」


「ああ、かまわない」


「それでお前さんが使うのかね? 見たところバスターソード使いのようだが?」


「私ではない、後ろの…… 彼女が使う」


「うーん、見たところ子供に毛が生えたくらいの年頃じゃが…… エルフ族か。見た目は小さいが力持ち、ということか?」


「いや、見たままだな。力はそれほどないな。軽くて丈夫な棒は何かないか?」


「…… あ、握力はある…… 」


「ほう、そうかい? お前さん、背が小さいわりに手はでかいな…… ちょっと待てよ…… この辺のなら大丈夫じゃないか?」


ご老体が差し出したのは、1本の木の棒です。まさか、檜の棒か?


「あー、すまないが、金属でお願いできないか? 木だとすぐに燃えてしまいそうだからな」


「棒術と言えば、木に始まり木に終わるのだが…… どんな目的で使うんだ? まあいい。木じゃないとなると、値段が張るが構わないか? 木の棒じゃないとなると…… この辺にあったよな…… あ、これだ。それ持ってみな? 」


ボルちゃんに渡されたものは長さ180㎝くらいの六角形の棒で、中が空洞になっていた。


「それならどうだい? ご要望通り鋼鉄製で、重量軽減のため中は空洞だ」


”スネークよ、これはどうか?”


”いいんじゃない? リーちゃんに持たせてみて”


「ボーデン、これをもって見てくれ」


ボルちゃん、リーちゃんに鉄棒を渡す。受け取ったリーちゃん、持ち勘を確認するため、いろいろなところを握っているな。


「…… 師匠が選んでくれた武器なら、何でもいい……」


「お? なんか慕われてるな! あんたがその子の師匠なのかい?」


「いや、ただの部下だ…… これは何本ある?」


「同じ奴があと2本…… あと長さが半分の半分になったのが4本あるな……」


「長さが短くなったのはなぜだ?」


「短棒術用に作ったんだと。長いのは1本大銅貨5枚、短いのは4本で長いの1本分な」


ボルちゃん、全部買っとけ!


「全部貰おうか。銀貨2枚だ」


これで全員の出そろったな。あとは改造するのみじゃ!


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