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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第4章 ドラゴンへの道
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診断しましょ、そうしましょ



まずはハンナちゃん、給仕の仕事お疲れさまでした。


「ああ、最近よくやるのでもう慣れちゃいましたね」


「これはヴィン用のポーションだ。飲むと魔力枯渇の状態から完全回復するらしい。いざというとき飲んでくれ」


ボルちゃんが2本、ハンナちゃんに手渡しした。さてと、ハンナちゃんや、昨日見つけた魔法陣とやらについて聞かせてもらいましょうか。


「あら? 私の裸が見たいの?」


なんでそうなる? 何やら服を脱ごうとする見た目おねーさんのババア。こうなったらもはや妖怪の部類ですな。


「脱ぐ必要はありません。私が見つけた魔法陣は首の後ろに小さくついてました。基本人族の皆さんには感知できないし、魔力を感知できる種族の人でも、ジレーネさんの髪から出る魔力によって認識阻害されてしまいます。お風呂に入ったときに見つけられたのは幸運だったかもしれませんね」


ふむむ、そういうものですか。それでは拝見いたしましょう…… あ、服は脱がなくてよろしい。椅子に座ってあっちむいてくれ。ハンナちゃんは我を持ち上げてくれ。ハンナちゃんが我をババアの首筋近くに持ってくると、たしかに何やら魔力を感じます……ありましたな、魔法陣。鉄貨1枚程度の大きさだ。後ろ髪を束ねていたりすると見えなくなる場所にそれはありました。それにしても、メルゼブルグの時の魔法陣とは大きさが全然違うね。


「そうですね。ネルネさんについていた魔法陣はおなかにばばーんと魔力が見える人には目立つところについてましたね」


服着たらわかんねーけどな。我、ハンナちゃんに目を抑えられてたのでネルネちゃんの魔法陣はちらとしか見てないのだけど、目の前にあるのとは何がどう違うかわかる?


「大きさが違うのは一目見て分かるのですが、それ以外にも違いはありますよ。こちらの方が手間がかかってます。魔法陣を人体に定着させるのに時間をかけた感じですね」


すると、これはやはりネルネちゃんと同じ種類の魔法……呪いのたぐいと考えていいのかな?


「そのようですね……」


それなら青魔法でなんとかなるか。でもその前にお試しタイム。


「なになに? 私の体でお試しするつもり? 」


そうや! ババアなら経験豊富だから我の初めてを使ってもいいんやで!


「だめーーーーー! スネークちゃんの初めては私がいただくのです!」


そーお? それじゃ、ハンナちゃんで我の初めての吸い取り技能を使ってみますか。


「なんだーーーー、新しい技能のことだったのですね。安心しました。それはジレーネさんにお任せします」


「ハンナちゃんはスネーク君にホの字ですなぁ!」


いちいち表現が古いババアや! それでは試してみましょ!氷魔法? 改め、吸い取り…… 目の前の魔法陣から…… 魔力を…… 吸い取り…… ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ……


「ああーん!」


「す、スネークよ? それは本当に”吸い取り”技能なのか? 」


いや、よくわからんが、こうした方がよく吸い取れる感じが…… ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ………… おぇーーーーーーーーーーー! 吐き気が!


「だ、大丈夫か? トイレ行くか? 背中摩さするか? 」


「た、隊長! これは魔力酔いなのでは? 朝一番で魔力上限まであったようですし、大した魔力も使ってないようですし! 」


こ、これが魔力酔いですか…… 気持ちは悪いが我慢できなくはない。魔法陣の方は…… 特に変わった様子はないな。さて、婆よ、少し魔力を吸い取ってみたがどんな感じか?


「特に何もないわねぇ…… ホントに何かしたの? 」


魔法陣の魔力を吸い取ってみた・・・…つもりだったのだが、吸い取り量が少なかったのかな? ちなみにババアの魔力の属性は?


「マーメイドは水魔法と風魔法が使えるの。私は風魔法の方が得意かな?」


それなら吸い取った分を水晶玉に注入してみましょう。我、おえっと水晶玉を吐き出します。そしてもう一度、魔力の吸い取り…… 目の前の魔法陣から…… 魔力を…… 吸い取り…… ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ…… 吸い取った分は咥えた水晶玉にぷうぷう吹き込んで…… ちゅぱちゅぱ……ぷうぷう……ちゅぱちゅぱ……ぷうぷう……ちゅぱちゅぱ……ぷうぷう……ちゅぱちゅぱ……ぷうぷう……ちゅぱちゅぱ……ぷうぷう……ちゅぱちゅぱ……ぷうぷう……ちゅぱちゅぱ……ぷうぷう……ちゅぱちゅぱ……ぷうぷう……


「スネーク! その辺で止め!」


おっと!水晶玉が真っ青になりましたな!


「へー、これが私の魔力なの? ハンナちゃんに渡したポーションぐらいははいってるわね」


わかるのか? マーメィデン!


「マーメィデンは何のことかわからないけど、魔力量ならわかるわよ? 隊長さんに渡したポーションを魔力10としたら、ハンナちゃんに渡したのは100ぐらい。3人組に配ったのが3くらいかな? 大きい子に渡したのが1。この水晶玉も100ぐらい入ってるわよ。これで私の魔力の半分くらいかな?」


体調はなんともないか?


「うーん、特には…… 私、魔力回復速度が普通のマーメイドに比べてものすごく早かったから……」


魔法陣の方も特に変わった様子はありませんなぁ…… でもよーくみると、なんだか紐みたいなのが見えますな……


「この魔法陣がついてから、”不老長寿”とやらが付いたと聞きましたが、それはどこにかかれているのでしょう? 称号? 技能? それとも魔法のところ? 」


「私、長いこと確認してなかったけど…… あらやだ、状態異常になってるわ!」


状態異常ならやっぱり呪いなのでは? なんで今まで確認せんかったん? 


「あの時は足ができたのがうれしくって」


いや、そのあといくらでも時間はあったろ?


「初めに”祝福”って言われて、そうなのねって思ってたの」


これって洗脳されてない?


「自分が洗脳状態にあるかどうかは自分ではわからないのよ?」


それじゃ、だれかステータス魔法使える奴、ほかにおらんのか?


「残念ながらここには私一人のようです、爆笑」


爆笑しとる場合か! どのみち状態異常なら我の青魔法で消せますが…… でもなんか気になる!


本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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