朝もはよから魔法のテスト
……… パチクリ! 我、目覚める! 暗いな…… そして隣に温かいものが…… いつもだったら幼女エルフが寝ているのだが…… 今日もご多分に漏れず、幼女エルフのベッドの中でした。ワレ、オトヲタテズニ、シズカニベッドカラダッシュツシマスヨ…… 脱出成功!さてと、ここはボルちゃん達の泊まってる部屋かな? 暗闇でも見えるツチノコアイ!きゅぴーん! ベッドが3つ、生体反応が2つ、いないのはボルちゃんです! 早朝の鍛練やな! 毎朝毎朝精が出ますな! そしたら我もツチノコ体操! 起き上がって尻尾立ちします! 腰を右回転つぃっつぃっ!左回転つぃっつぃっ!背中を反らしてグギギギギ! ツチノコ体操、終わります。さて、どうしましょうかね。寝ているエルフを起こすのも忍びないが…… 水晶玉に魔力を込めて時間をつぶすか。我、おぇええぇええぇえっと水晶玉を5個取り出した。えーと、水と火と土はやってみたよな。風は……ボルちゃんに魔力を渡すのに使えた。あとやってないのは光魔法だな…… 光魔法も不思議なもんだよな。単に明るくなるだけでなくって、疲れを取ったり傷を治したりするんだもんな。明るさだけを魔力に込めることはできるんでしょうかねぇ? 光るスネークンは傷を治すのに使えたけど明り取り用には使えないから、逆もできるんじゃね? 我、水晶玉を咥えまして、光魔法Lv.1を念じます…… 念じます…… やりすぎると割れちゃうのでほどほどに……。いつものぼんやりした光が水晶玉に宿りました。
「…… あ……、スネークちゃん、起きてたんだ…… おはよう……」
ハンナちゃんが目を覚ましたようです。眩しかった?
「いえ、なんかごぞごぞと音がするなぁと思って…… その光ってる玉は? 」
我、光魔法の魔力を水晶玉に貯めていたのだ。ちょっとした実験ですな。ハンナちゃんこれ触ってくれる? ハンナちゃん、右手を突き上げ、左手は右肩に添えて、うーーーーんと背伸びをした後、ベッドから降りてきました。
「これ、スネークちゃんが光魔法の魔力を込めたもの? 触ればいいの? 」
両手で持ってもらいましたが、部屋に灯りが広がったという以外に特に何も起こりません。この中の魔力って吸収出来たりしない?
「う~ん…… 無理ですね」
やはり適性のある人にしか使えないのか。それじゃ、ハンナちゃんには火魔法と水魔法の魔力を渡しといたほうがいいかな。我、床に置いておいた水晶玉を一つ咥えては火魔法の、も一つ咥えては水魔法のLv.8操作系の魔力を蓄えました。
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと58!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと58!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと58!】
ま、ポーション替わりにもっといて。
「あ、わかりました。それでは…… あ、少しお待ちください」
ハンナちゃん、水晶玉を受け取り、ポーチにしまい込むと、部屋の中にあった入り口とは違うドアを開けてINしました。おトイレタイムですな。さて、もう一つは…… 無魔法の魔力でも込めてみますか? 無魔法Lv.6魔纏いを込めてみます………… こんなもんすかね。
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと57!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと57!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと57!】
無魔法の魔力を込めた水晶玉は、光魔法を込めたような感じにはならず無色透明のままだった……
テロリン♪
おや? レベルアップ音が聞こえましたぞ?
”無魔法Lv.7”
レベル6が魔纏いだったか。こんどはなんじゃら?
”無魔法Lv.7 魔弾”
これはどこで使うのだろうか? とりあえず目の前で寝ている奴に撃ってみる…… 大きさは小石くらいで、速さゆっくり目の
”マギショット!”
エマさんの顔に魔法のつぶてがぴちぴち当たる! うーん……なんかしょうもない感じだ…… 魔力を込めると何かいいことあるのだろうか?
「ぴゃーーーーーーーー! なんですかーーーーー!」
あ、起きた。おはようさんです。
「…… あ、スネークさんだ。…… おはようございます…………… お水、貰っても?」
ん? どうした、遠慮してるのか? 沢山飲め! 我水魔法Lv.2を使い、エマさんの口へお水ぴゃー!
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと56!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと56!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと56!】
「んぐんぐんぐんぐんぐんぐんぐ…… ああ、もうこれ以上は!」
そうか? エマさんに向かっていた水を今度は我の口に向けて我が飲み干す…… 出しっぱなしジャ! どれだけ出してもカウントダウンは1度しか進まないのならずーーーっと出しっぱなしの方がいいんじゃね? 我もングング飲みます!
「あーーー、ベッドが水浸しになってしまいましたー……」
そんな時は金魔法ですよ! 二つ同時に魔法を出せる! 唸れ、我の金魔法!
”金魔法Lv.1抽出”
“ン デデデデーン”
“なにからなにを抽出されますか?”
えーと、ベッドから湿気を抽出してちょ!
“テ・テ・テ・テーン“
「あーーー、なんだか乾いてきましたねー。乾燥魔法は水魔法のカウントダウンにはならないんですかぁ。よかったーーー」
やっぱり気を使っていたようですな。




