表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我はツチノコ  作者: あいうわをん
第4章 ドラゴンへの道
429/786

祝いと呪い、何が違うの?



 晩飯を食べ終わったエマさんの食器の後片付けをしながら、食堂でグダついているエルフ5人にデザートやら飲み物やらを強請ゆすられる我。マギハンドが出ていればなんてことはない、すぐに済みます。片付けが終わった後も我は口を広げて魔法水を出しながら飲み込んでいきますよ。そんなことをしてたら、水魔法使いのカーちゃんが興味を持ったようだ。


「スネ君はいったい何をしているのかしら? 」


水魔法の使い手、我は水魔法の使用制限回数があるので、一回でたくさん魔法水を作って体内に蓄えているのだ! ていうか、スネ君てなんや? 背が小っちゃくて小ずるい少年か?


「あー、私もスネ君みたいに水魔法で大量の水を出したいよー」


出せばいいやないか! 魔法って使っていくうちに魔力が増えるんじゃろ?


「魔力枯渇まで魔法を使えば、それが回復したときに魔力の上限が少しだけ増える。だが、魔力枯渇になると激しい体調不良に襲われるのだ。何も知らない子供の頃はそれもできるのだが、大人になると恐怖が勝ってな。なかなか魔力の上限を増やそうとしないのだ…… 一般人ならそれでも生きていけるが、軍人としてはどうかと思う」


ふーん、そんなもんすか。でも魔力を増やさなくっても、魔力の精度を上げたりしたらいいんじゃないの?


「どういうことだ?」


あー、魔力の放出する量が少なくっても、魔力を操作する技術は魔力量には関係ないでしょう? ないよね? だから、例えば、水魔法使いのカーちゃんなら、水を出す量はそれほどでなくっても、水自体を操作する技術を磨いて戦闘の役に立てればいいんじゃないか、と愚考するわけですよ。


「具体的にはどうするんだ?」


またカーちゃんで例を出すと、さっきお酒を操作して飲ませる、みたいなことはできるんだよな? そしたら、扱う水の量をもっとずっと減らして、その分その水を当てる速さを増したりさせるのだ。当たり所が悪いと戦闘不能になるでしょ?


「ただの水にそれができるとは思えないが? 」


だから、ただの水を操作するんじゃなくって、その中にマヒの実をいれたりするのだ! そしてそれを相手の目に当てることができれば……


「なるほど! 相手の動きを封じることができるな! 」


いまのはカーちゃんだけど、ヒーちゃんだって発想を変えればいいと思う。あの子も魔力の放出は苦手のようですな! できるんなら火弾を撃ってるに違いないからな! 身に纏うことや武器に纏わせることはできるようだから、一旦小さな何かに火魔法を纏わせてつぶてとして投げれば、纏わせる火の魔力が強ければ強いほど、礫弾の威力も増すだろう。


「ボーデンについてはどうだろうか?」


土魔法使いか…… 同じ土魔法使いなのだが、なぜ穴開け魔法しか使わないのか意味が分からない。


「土魔法使いは希少なのだ…… 使える魔法がそれしか知られてないのではないか? かくいう私も土魔法がこれほど多彩だとは思わなかったぞ? 」


多彩って言っても…… 我の使う土魔法って穴の開け閉めでしょ? 土壁は風魔法にも似た奴あるし、土を石や砂にしたり、あとはなんか遠くに飛ばす系のやつ…… 他の魔法の類似ばっかりではないかしらね。地震起こすのは違う気がするが。よく考えたら、穴開けたり閉じたりするのも地形操作も何とか操作の類似品かもしれないね。土魔法ばっかり細かく分類されてるけどな。多彩と言えば、合成魔法の方が属性魔法より多彩な感じだな。そう言えば、メルゼブルグでは、子供についてた呪いを青魔法Lv.4の祝福でけしたことがあったっけ。祝福で呪いは消せるようだが、祝福は何で消せるんでしょうね? というか、マーメイドに付いたのは本当に祝福なのかな? 祝福って、人とかの生き物につけれるのかしら? 考えれば考えるほど訳が分からん…… そういう時はまず動く! ハンナちゃんハンナちゃん、連絡乞う!


”スネークちゃん、どうかしましたか? ”


”まだお宿の一家はお風呂に入っている? ”


”入ってますが、なにか? ”


”マーメイド婆さんの体に変わったところはない? ”


”変わったところ…… おっぱいがバインバインなところとかですか? ”


”あら? スネーク君は私のパイパイに興味があるのかしら? いっときますけど、母乳は出ませんよ? ”


くっ! ひそかにハンナちゃんに連絡して婆の体のどこかに魔法陣みたいなのはないか確認しようとしたのだが。 もうばれてしまった。まあいいか、メルゼブルグの領主の娘さんにあったときのような魔法陣がないか知りたいんだけど?


”私の見えるところにはそんなのないのよね~、マイダーリンやコーデさんは基本人族だし、メルちゃんは生まれたときから基本人族仕様だし”


”自分についている魔法陣は気が付かないだけかもしれない。 目の届かないところ…… 例えば背中とかにそういうのはないか? リアルババアとメルちゃんには気づかれないように探ってみてくれないか? ”


「それじゃあハンナちゃん、私の背中洗ってくれる? 」


マーメイドババアが機転を利かせたようだ。ハンナちゃんに背中を洗うついでに変な魔力がないかどうか探ってもらおう。


本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ