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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第4章 ドラゴンへの道
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ナーギーのかば焼き、大好評!



「スネーク君、スネーク君、ナーギーのかば焼き、バカ売れだよ! 追加でもう一枚寄越せって言う人ばかり! 」


「宿泊客には、宿泊料金で2食分ついていることは知らせましたのですが!」


うーむ、仕方ない。そろそろスクローファの角煮を温めなおすか! それとハンナちゃんや! エルフさんたち用にナーギーを6人前確保しといてくれ、あと奴らの分はボルちゃん達の部屋に持っていってくれ! メルちゃんは客の様子を伺いつつ、隙ができたら、婆さん達にポテサラとカレースープ、ヴァイツェンブロートのチーズとバター乗せの炙ったやつをもっていってくれ。仕事が終わっていてくつろいでいるようなら飲み物はエール、そうでなかったらハチミツレモン炭酸水を後でもっていってくれ!

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦


からららん♪


また誰か来たのかと思ったが、宿に入ってきたのはボルちゃん達だった。


「おーおー、ヴィンちゃんはけなげにお仕事中かー!」


「…… 頑張っている人にそんなこと言わない」


「そうそう、ヒーちゃんはデリカシーないんだから」


「すまない、ヴィン」


「あー、隊長。スネークちゃんから伝言です。食堂はいっぱいなので飯はボルちゃんの部屋で食ってくれ、だそうです。この後隙ができたらお部屋までナーギーのかば焼きとエールのキンキンに冷えた奴をもっていきますので少々お待ちください! あーーーー!」


そう言い残してハンナちゃんは外に出ていった。ナーギーの追加注文を取りに言ったな!


「スネーク君! 追加でおでんとエールが10セット入りました! 大丈夫ですか!」


わかった! ちょっとまってな! お皿お皿…… お皿がない! 我、マギハンドを伸ばして空いている皿とエールの木樽を片付けると、厨房へもってきてガシャガシャ洗います。このスポンジ使ってもいいんだよな! 何にも言わないからいいに違いない! 洗い終わったら金魔法Lv.1で水分抽出乾燥させて、光魔法Lv.4で滅菌しますよ。あとは深皿にはおでんを入れて皿の縁にマスタードをつけます。木樽にはエールを注いで、そのあと氷魔法?でエールを冷やしていきます。よしできた! メルちゃんこれもっていって!


「いいんですね? 持っていって! それじゃ持っていきます! 」


メルちゃん10個の木樽の握り手を持ち、飛ぶように出ていった。代わりに入ってきたのがハンナちゃん!


「スネークちゃん、なんでもいいからお皿をだしてください! できれば大皿で、ナーギーのかば焼きを8人前隊長のところにもっていかないといけません!」


ハンナちゃんはナーギー食ったか?


「まだです!」


仕事しながらでもいい、1本食っとけ! それと大皿は土鍋のふたでもいいか? ちょっと見当たらない!


「それで結構です!次すぐきますので、エールの準備をしておいてください!」


ハンナちゃんも飛ぶように出ていった。しかしこの世界、小さい子ほどよく働く! 間違ってない? あ、大きいおっさんもよく働いていた! 我もよく働いていると思うのだが、小さい子分類なのか、おっさん分類なのか、よくわかりません。今度はメルちゃんが来た!


「スネーク君! ポーション作りは終わったそうです! キンキンを2つくださいとのことです! 」


わかった! 木樽はまだ棚にあるから、それ使うぞ! 水洗いして、濃縮エールを中に入れて、またもや氷魔法? を木樽にかけます。本当は陶器やグラスがいいのだが、この際仕方ない! メルちゃんや! ババアのところに飯は持っていったか? ……って返事がない! 通訳がいないとままならん! とりあえずエールの冷えた奴、濃縮バージョンや! もってけ!


「これをもっていけばいいんですね! 」


メルちゃんは両手に木樽をもって去っていった。次は湯上りエルフたちだな! 6人分の濃縮エールを木樽に入れて、氷魔法?で冷やしておきます。ほら、すぐやってきた。


「スネークちゃん、エールの準備はできましたか? 」


おう! できたぞ! もってけ泥棒! ナーギーは全員食ったか? 


「いただきました! 皆さん大絶賛です!」


ハンナちゃんもちゃんと食ったか?


「はいー。いただきました! ナーギーの{かば焼き}とはこんなにも美味しかったのですね! 」


食ったら食堂を一回りして注文があったらそれを取ってきてくれ! ないようならボルちゃん達の晩飯を運んでくれ! そろそろスクローファの角煮が出来上がる! それともうそろそろナーギーはなくなるはずだから、あといくつできるか聞いておいてくれ。あ、大将にエールの冷えた奴持っていってやってくれ!


「了解であります!」


さて、ハンナちゃんとメルちゃんが持ってきた空の木樽をガシャガシャと洗い、通常濃度のエールを注いでいきまして、氷魔法?を発動! 20カップキンキンに冷えたエールの出来上がりです。泊り客はエルフさんたち除いて何人だっけ? 40人だったかな? 角煮ができたら……香辛料、ワサビもつけるか。ニンニク、マスタード、ワサビ、マヨ、ケチャップを調味料として分けてひとつの皿にのせ、好きなものをつけてもらいましょう。これでこの世界の好みの傾向がわかる気がします。スクローファニクは300gで出すけど、みんな食べきれるかなぁ? あ、ハンナちゃんが帰ってきた。済まんがおろし金出して! あとワサビ! 今からメインディッシュをだします。


「了解しました! あとエールは持っていきます! 」


ハンナちゃんからおろし金とワサビを受け取り、我高速でワサビをすりおろします!辛くな~れ!辛くな~れ!1本ワサビを擦り下ろし、2本、3本……このくらいあればいいか。あとはニンニクをこれまた摩り下ろし……これは10玉分くらいですかね。あんまり多くなくてもよいでしょう。あとはマスタード、マヨネーズ、ケチャップを皿の縁に、それぞれがくっつかないように離して乗せます。あとは……スクローファニク300gぐらいでいいかなぁ? 薄めに切って皿の中央に載せますよ、これで一人前。これを40人分作ります………マギハンドならあっという間です! エルフさん達やババアズ、大将とメルちゃんの分も含めて50人前作りました。エルフさんたちの分はニンニク摩り下ろしはつけていません。メルちゃんが戻ってきたので泊り客にエールと角煮をどんどん運んでもらいました。


 メインディッシュが終わったらデザートです。泊りでなくナーギーを食いに来ただけのお客さんはぞろぞろと帰っていってます。 桃のコンポートを小皿に入れて、金属のフォークがないようなので、我の作った石のフォークで我慢してもらいましょう。これを配っているころ、大将が焼きの現場から戻ってきました。

「は~、疲れた…… 蛇公よ、あのエール助かったぜ。五臓六腑に染み渡った」 

おう!そうかい。よかったな。そこに置いてるエールも飲んでいいぞ! 我、大将にマギハンドでエールの入った木樽を勧めます。


「おう、これ飲んでいいのか。 お前も飲むか? 」


「スネークちゃんはまだまだ仕事があるので飲まないそうです」


いつの間にかハンナちゃんが調理場に戻ってきました。メルちゃんと一緒に料理皿を回収しています。あらら、角煮のお皿の調味料は全部なくなってますね。


「仕事ってなんだ? あと片付けならやっとくぞ? 」


「奥さまのご依頼の件が残ってます。あとアイスクリーム作成も」


アイスクリームは我でなくってもできると思うが……


「まあそうなんですが、回転魔道具を冷やす工程をわざわざ氷を使わなくてもスネークちゃんならできそうですので」


あーしまった! ヴァニラビーンズを煮詰める作業、忘れてた。


「濃縮液なら私が持っていますのでご安心を!」


準備がいいなぁ。それじゃ裏方さんの打ち上げをしますか。


本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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