洗濯屋から料理屋へジョブチェンジ
は~。なんか急に疲れた…… とっとと洗濯し終わって戻るか…… あれ? 他の人たちは下着つけてるの? あれ? これはいわゆるふんどしというやつではなかろうか…… 付けてないのエマさんだけ? とりあえず何やら草木で染めたような色の下着も洗います。素材は何でできているのかな? 絹っぽいような…… 石鹸使ってもいいのかな? 下着はお湯洗いだけにしておきましょう。下着は見たがブラとかはしないのか? まあしなくてもよさそうな二人は置いておいて。そういや、ボルちゃんやエマさんの胸が動いているときに揺れたような感じはしなかったな。あの迷彩服を漬けてれば大丈夫なのだろうか…… 石鹸で洗い終わった迷彩服を水で濯いで、洗い終わったら金魔法で乾燥させます。ついでに靴も洗いまして乾燥を…… 水虫なんかが入らないように光魔法Lv.4滅菌もかけておきましょう。これで終わりや。箱を吐き出し、エマさんの隣にボルちゃん、その次にヒーちゃん、カーちゃん、リーちゃんの服と靴を入れて置きます。ポーチはよくわからないから中身を自分で確認してくれ。特にヒーちゃんとカーちゃんは体型が似ているから間違えてるかもしれん。
「おーい、スネーク。少しお湯が温くなったみたいだから、温めなおしてくれるか? 」
へいへい。
「それと誰か近くに来てたか? 話し声が聞こえたが? 」
大将とハンナちゃんがナーギーをとりに生け簀まで来てた。
「と、言うことはかば焼きは食べられるわけだな! 」
ああ、待ってる客がたくさんいるからだいぶ後になるとは思うけどな。
我、火魔法で湯船の外に出た岩に熱を加える。あんまりやりすぎると入れなくなるからな。そんじゃほどほどにしろよ。服は出てすぐの箱の中に入れたからな、一番手前がエマさんや。あとはボルちゃん、ヒーちゃん、カーちゃん、リーちゃんや。
「スネークよ」
なんや?
「銭湯からでたらキンキンに冷えたエールを頼むぞ! 」
ざわ…… 湯船の中のボルちゃん以外の4人がざわついていた…… ざわざわ……
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大将がナーギーを捌いているのを尻目に、我、宿の中へ入る……
「あ! スネーク君戻ってきた! どうしましょう? もう待ちきれないとお客さんが騒ぎ出しましたが! 」
メルちゃんは、もう少し待てばかば焼きができる、そう客に伝えてくれ! ハンナちゃんは付け合わせのポテサラと白菜の唐辛子漬け、それにヴァイツェンブロートを半斤、チーズ乗せ、あとはカレースープを出すのを手伝ってくれ! そんじゃ、やったるで! 掬え、我のマギハンド!すべての仕事を成し遂げたまえ! 先ほど調理場をざっと見たときに発見しておいたスープ皿にカレースープを注ぎます。小皿にはポテサラと白菜の漬物を乗せました。色どりが足らんようなのでトマーテをカットして添えましょう。ヴァイツェンブロートにはボルちゃんが買ってきたチーズとバターを一欠け乗っけて我が火魔法で軽く炙ります。ちょびっとパースリーをかけて風味増し。飲み物は……いらんか。いる奴は個別に注文させよう。念のためお湯を沸かしておくか。カレーはこれでなくなったかな。たくさん作ったと思ったが思いのほか道中で消費していたのかもしれん。
ハンナちゃんや、これ食堂に持って行ってくれ! 泊り客は無料、飯食いに来た奴等には銅貨3枚、あとでメインディッシュがつくことを伝えて。そうそう、ナーギーのかば焼きは別料金銅貨3枚だせ、というこっちゃ! さて、角煮の方はできたかな? いったん火を止めまして、スープの味を確認…… やはり少し味が薄いな…… ゾヤゾーゼをもう少し足す…… 1升全部は多いような感じだな。もう400mL追加しよう。ワインと糖も等量だな。ここで八角と山椒の実の乾燥したやつを入れます。さて、ナーギーの方はどうなったか…… 山椒の粉をもっていかなきゃ!
我は山椒の粉を1合瓶に詰めてお皿とともにマギハンドでもっていきます。 ハンナちゃん、ちょっとだけ一緒に来て!
からららん♪
宿の外に出ると。オレンジ色に染まった夕焼けが西の方に広がっていました。ナーギー焼の煙はまっすぐに立ち上っています。ちゃんと焼けてるようですね。あと、大将よ、焼けたナーギーにひとつまみ、この粉をパラリと振りかけなせぃ!
「これがマヒの実の粉なんだな…… サンショーっていったっけ?」
そうそう、どれくらいナーギーを獲ってきた? 今日の客分は間に合いそうか?
「ああ、それ以上にあるはずだ」
そしたら、目の前にいる客に販売してもいいんじゃないか?
「その前にマイハニーに食べさせないといけないな! 」
そんじゃ、婆ズ用にもっていってやれや!
「私が奥さんとおばあさん用に完成品を持っていきますので、メルジーナさんはお客様の対応をお願いします! 」
そういうわけで我が持ってきたお皿に経った今出来上がったナーギーのかば焼きを4人分(一人前だと足らないだろうというメルちゃんの配慮)をハンナちゃんが持っていきました。こっちはもう大丈夫だな! あとは厨房のみやな!
からららん♪
我、厨房に戻り、今度は濃縮エールの入った壺を氷魔法?で冷やしていきます。どのくらい冷やせばいいのでしょうか……あまり冷やしすぎは体に良くないと思うのだが……常温より冷えていた方がいいよなぁ。




