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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第4章 ドラゴンへの道
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フランクフォートで簡易湯船をつくります



からららん♪


おや? またお客さんかな? メルちゃんが対応しに行った……


「あーーー、お父さんお帰り! どうだった? 」


「おう! 娘よ、ただいま帰ったぞ! もうばっちりだ! 」


「食堂のお客さんたちに出せるくらい獲れた? 」


大将のお帰りでしたか。メルちゃん、食堂の方を指差しているのか、そんなことを言ってますな。ハンナちゃん、エマさんはどうしたのか聞いてみて!


「ご主人、一緒に連れて行ったエマさんはどうしてますか? 」


「エマ嬢か! ありゃとんでもねぇ傑物だな! 今は表のお仲間たちと挨拶をしてるんじゃねーか? 」


何がどうとんでもねぇかはわからんが……とんでもねぇことをやらかしている気がする……


”スネークさーん!”


おやおや、とんでもねぇさんから額金通信が入りましたよ?


”エマさんお帰り。どうした? 自分から呼びかけるなんて? ”


”あたし~、川に入ってナーギーを獲ってきたんですが~、意外に体が冷えたので~、お風呂に入りたいんです~! お風呂の話を先輩たちに話したら~、スネークさんに作ってほしいって頼まれて~”


”わかった、大将に許可貰ってから湯船を作る。ちょっと待ってな”


”ハンナちゃん聞いたか? 大将にその旨伝えてくれ。我、角煮の仕上げをする”


我、蒸らしている角煮のスクローファニクをマギハンドですべて鍋から取り出します。ニクを取り出した鍋の中身を一度捨てまして、あくの残ってるなべ底やなべ側面を水場にあったタワシみたいなやつでガシガシ洗い、おぇえええぇえっと水を吐いて汚れを洗い出しますよ。これできれいになりましたな。そしたら水を一斗鍋の半分の半分ぐらい入れ、下茹でしたスクローファニクを入れ(10㎏くらい?)、あとはゾヤゾーゼを1升……は多い気がする……初めは薄めで行くか、半分入れて、ワインも同じくらい入れて、糖は500gぐらいか……いれて、ショウガ……イングウェアをスライスしたものをいれて、さて味付けの煮立てをしましょう。コンロ魔道具のスイッチを入れ、中火で煮ていきますな。あ、大将が厨房に入ってきた。ハンナちゃん、通訳してくれ。ナーギーは獲れたのか?


「ああ、もうたくさん獲れた」


「ナーギー目当てに宿泊客とナーギーを食べに来た客もいれてるのですが、大丈夫? 」


「ずいぶん食堂に客がいると思ったらそう言うことか! 100人前くらい平気でできる量はあるから心配するな! ただ、獲れたてで暴れてるから捌くのが大変かも知らん」


「そういう時は氷を使って冷やすといいらしいですよ。水が冷たくなったらナーギーさんたちは冬が来たなと思うべな」


「なんだよ、最後の”べな”っていうのは? 」


「スネークちゃんの戯言ですので気になさらないでください。えと、これからスネークちゃんは宿の外に湯船を作りに行くそうです。あとを任せると言ってます。沸騰してきたら弱火にして30分待ってくださいとのことです」


伝言は終わった。それでは我、お外にGO!

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦


からららん♪


さて、どこに風呂を設置すればいいのか…… 生け簀の隣でいいか。建物の陰になってるし。


「スネークさ~ん、早くして~!」


見ると服がぐっしょり濡れ濡れのエマさんが居りますな。その周りにはボルちゃんとヒカリ娘ズ。こいつらも入るの?


「隊長さんに話聞いたらよ~、なんか気持ちいいって言うじゃないか! 」


「そんなに気持ちいいんなら入らざるを得ないでしょう! 」


「…… 汗かいてたけどしばらく水浴びしてなかった……」


そんじゃ、生け簀の横へいくぞ。エマさんや、ナーギーはたくさん獲れたか?


「そーですねー、20匹は獲ったと思いますよー」


話を聞きながら、土魔法Lv.26土壁で三方を囲み、20畳ほどのスペースを確保します。その中で8畳ほどの面積を使って風呂桶を作りますよ。今回は簡単にロの字型の土壁をせり上げて壁面と床面を土魔法Lv.13土石変換アーストゥストーンでつるつるの大理石にします。湯船の高さは50㎝ぐらいで船底は30㎝ぐらい地面より低く作りました。あと壁面には50㎝ぐらいの一段の階段を作りました。ここに座ればまあ肩くらいはでるでしょう。エマさんなら。あとは水をおえぇえぇぇっぇぇぇっぇっぇっと吐き出しまして。満水にします。ヒーちゃんや、この水を触ってお湯に変えられる?


「できると思うけど…… 魔力結構使うし、時間かかるかも」


そうか、それなら手っ取り早いのは石焼だな。我、おえっと大きな岩を吐きまして、それに向かって火魔法Lv.4火炎ファイアーフレームを吐きます! 石の色が赤くなったところでマギハンドで水の中にドボン! ジュワワワアーーーーー! 大量の湯気が発生し上空へ逃げていきます。我、お湯になったと思われるので湯船にドボン! んんん…… ちょっと熱いか…… でもこれくらいが冷えた体にはちょうどいいか! とりあえずお風呂できたぞ!入りなさい、という前にエマさんは服を脱いでて足から入った。


「あ・あ・あ・あ~、熱いような、でも入れるような、そんな微妙な温度ですーーーー! 」


ぬるくはないだろ? 脱いだ服はどこにやった? 洗濯する! 我、壁の外に出てエマさんが放り投げた迷彩服を洗うため、1石壺を吐いて出しました。ついでにちょっとだけもらってきた石鹸を使い、エマさんの服にこすりつけ、マギハンドでごしごし洗います……エルフの皆さん、下着はつけないのであろうか…… 余計なことを考えず、石鹸を使って洗った服と靴を、今度は水洗いですすぎます。洗って濯ぐから洗濯です。壁の向こうで、ハァ~~~~という声が聞こえました。肩までつかれたみたいですね。よしっ! 我らも入るか! などという声が聞こえますよ。えっ? これに入るんですか? でも新兵ちゃんの気持ちよさそうな顔を見ろよ? これは絶対いいものに決まってる! 俺は入るぞ! 私も入る。スネーク師匠の作ったものは何でも試す価値あり。


 全員入ったのかな? エマさんの服、濯ぎ終わったから金魔法で乾燥させます。全員湯船の中に入ったか? そしたら中に入るぞ? エマさんや、服と靴は洗って乾燥させておいたから、ポーチと一緒に出てすぐのところに置いてある箱に入れておいたから。タオルとかはもってるのか? ポーチの中にある? そんじゃいいか。


「スネークよ、石鹸をまだ持ってないか? どうせだし体も洗いたいのだが? 」


我、もう一つ石鹸をおえっと吐き出す。これを使いなさい。タオルはあるのか?


「私のポーチの中に入っている。温まったものから湯船の外へ出ろ。私が体を洗ってやろう」


ボルちゃん、サバッと湯船から出ます。相変わらず見事なプロポーションです。出るものは出て、引っ込むべきところは引っ込んでますな! そして…… 下や胸は手で覆わんかい! あと脱ぎ散らかしたものは洗濯するから!


「お、すまんな」


全裸のままお礼を言われても…… お礼を言いたいのはこちらの方です。いえいえ本日は美しい裸体を拝見させてもらい誠にありがとうございます…… ボルちゃん、ポーチから桶とタオルを取り出した! メルゼブルグの銭湯施設から持ってきたんかい! だったら石鹸も持ってきとけや!


「さあ、バウアー以外は全員そこからいったん出なさい。体を洗ってやろう」


ヒカリ娘ズが湯船から出てきた。ボルちゃんやエマさんと比べると貧相な感じは否めません。特にリーちゃん……残念娘です……


「ム! 師匠からよからぬ気配を察知した!」


「いやいや、だれしも思うことだと思うぞ! なあスネーク」


「そうそう、スネークさんに限ったことではないと思いますわよ」


いや~、リーちゃんほどではないが、君らももう少しだな。ん? これはボルちゃんやエマさんと比べてるからいかんのかな?


「私やヒーディさんは平均的なんだと思いますよ? 」


ヒーディさんはC、カルラさんはB、リージィさんはAといったところですか。リージィさんは背も低いし子供っぽく見えるので仕方ないと思うが、ヒーディさんやカルラさんは背もボルちゃんほどはないもののそこそこあると思うのだが。やっぱり鍛え方が足りないのでは? すげー貧相に見える。これが一般的なエルフなのか?


「鍛え方が足りないからなのではないか? スネークもそう言っている」


「隊長さんみたいなオーガエルフはほぼ見かけませんね」


ん? 今、オーガと言ったか?


「私の悪口のことだな。よく言われるよ、仲間から」


オーガっているんだ。やっぱり角生えてるのかな?


「オーガは魔人族の一種だな。魔力も高いし、身体能力も高いので戦闘力に長けている。ま、めったに見ることはないがな」


ふーん、オーガとやらは筋肉ムキムキなのか…… ついでに聞くが、オークも魔人なのかな?


「オークはゴブリンと同じ、魔物だ」


魔物と魔人の違いが全然分からない…… ところで君らの服も洗うからな! ポーチも濡れたらまずいだろうから外に出すぞ!


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