混乱食堂
そんじゃ、我、調理場に戻るから！ まだ稽古するんなら続けてくれ。我、皆が飲み干した木樽のカップを受け取り宿へと戻った。
「あの魔纏いも魔法なんだよな……」
誰かがそんなことを呟いた。
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さてさて、調理場はどうなってるかな？ あれ？ 食堂にはもう人がたくさんいますな？
「あースネークちゃん！ 戻ってきた！ メルジーナさん、スネークちゃんが戻ってきましたよ？」
なんか問題でもあったか？
「いえ、問題はないのですが、泊りのお客さんたちがもう腹が減ったから夕食を出してくれと騒いでて……」
夕食を出したら、ナーギー料理が食えなくなるんじゃねーの？
「それも伝えたのですがもうお腹がペコペコなのだそうです！ 」
角煮の方はどうなってる？
「えっと、2回目の蒸らしが終わって3回目の下茹でに入りました」
メルちゃん、エールの販売をしたらどうなん？ エールを購入した客にはおでんを格安で割引してもええぞ？
「そのおでんなるものはどの程度の料理になるのでしょうか？」
おでんはハオスエンテの茹で卵といくつか野菜を煮込んだもんだ。エールは1杯いくらで出してる？
「エールは木樽1杯で大鉄貨3枚です！」
そんじゃ初めの1杯だけおでんを追加で合わせて大鉄貨5枚や！ 晩飯はまだできてないからあとで食ってもよし！ ただしナーギーは別売りな！ ハンナちゃん、そうメルちゃんに伝えて、注文を取ってきてくれ。メルちゃん一人だと大変だからハンナちゃんも給仕やってくれ。調理場は我がやる。
二人の子供を給仕にした後、我は調理場を確認する。おでんの方はもう火が通ったかな？ 通ってるな！ あとは適当な深皿を調理場で見つけた！ それと木のフォーク。これにマスタード……マスタードってどこに置いたんだ？ 魔道冷蔵庫の中か？ なかにあるな！ スープを掬うお玉は…… おっと、こんなところに吊り下げてあった。ちゃんと洗って…… 皿は洗う必要ないよな？ ないよな？ 念のため深皿はたくさん広げて光魔法Lv.4滅菌。どのくらい注文があるかな？ 40人ぐらいいたから半分として20人は頼むかな？ とりあえず目の前にあるお皿10枚分には玉子と人参大根を1セットで掬っていく。あとはスープも1杯…… 深皿にフォークを乗せて完成だ。
「スネークちゃん、エール以外に飲み物が欲しいそうです！ 」
「スネーク君、早くエールと料理を持ってきてほしいそうです！ 」
済まんが数を教えてくれ。エール以外の飲み物を欲しがっているのはいくつだ？ それと炭酸レモン水だがエールと同値段でいいかどうかの確認を取ってきてくれ！ エールと料理は何セットだ？ とりあえずエールは普通のやつを木樽に注ぐ！ 注いだら午後に試した氷魔法？でエール自体を冷やしていく……よし！ 10セットできたぞ！ もってけドロボー！ あ、深皿の縁にマスタードをつけているからそれを具材につけて食うように説明してくれ。ハンナちゃんももってけ！ フォークを深皿の中に落とすなよ？ 持っていってる間にマギハンドでエールを注ぎ、別のマギハンドで炭酸水にレモン果汁とハチミツをスプーン1杯、それとすぐに甘みが感じられるように糖を少し入れて静かにかき混ぜます…… とりあえず10杯でいいか。
「スネークちゃん！ その値段でいいそうです。それと料理もお願いするそうです」
それじゃ、大鉄貨5枚をもらって交換だ！ これはハチミツレモン炭酸水だ！ もってけ！
「ホーニッヒツィトローネですね！」
それだとハチミツレモンだけではないか？ 炭酸水はどこへ行った？
結局40皿分のおでんが注文されたようだ…… これで多少は持つか…… その間に角煮用のスクローファニクの3回目の蒸らしに入りました。
