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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第4章 ドラゴンへの道
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なぜに従魔が調理場を仕切るのか?



「よし! それでは腕がなまっていないかどうか確認するぞ! 」


あー、ボルちゃんや。我らは夕飯の準備をしてくるので。その確認にはいかんぞ!


「ん? ヴィンデルバンド衛生兵はついてこないのか? 久しぶりに揉んでやろうと思ったのだが? 」


「あー、私はスネークちゃんの料理助手をしているので…… それに揉むところはまだないですよ?」


「オホホホホ! ヴィンちゃんは面白い冗談が言えるようになりましたね! 」


「…… 冗談でなく現実を語っただけ…… 」


「で、スネークが料理担当をしてるのか? なぜ?? 」


「ですから、スネークちゃんは超優秀な料理人、料理ヘビなのです! スネークちゃんは料理界に革命をもたらしました。私はスネークちゃんが伝えるレシピの福音を皆に広める役割があるのです! 」


なんだレシピの福音って?


「それにスネークちゃんにはレシピを実行に移すだけの魔法があります。足りない調味料を作る緑魔法に、食材を収穫する無魔法、食材から必要な成分を取り出す金魔法、食材を加工する魔道具を作る青魔法、さっき飲み物とデザートを運んだのだって無魔法の一種ですよ? どうです皆さん、スネークちゃんの優秀さ! 」


「緑魔法! エルフ族では失われたというあの魔法を? 」


「へー、スネークはそんなに魔法が使えるのか 」


「なんだかすごいですね」


「ヒーディもカルラも、なぜ驚かない? …… 私はそれに驚く! 」


「だって俺ら、そんなに魔法使えないだろ? 驚くポイントがわからない」


「そうですよ。リーちゃんだって土魔法しか使えないでしょ? しかもあたし達と一緒でないと攻撃力が全然ないやつ!」


「…… うるさい、しね!…… 」


小っちゃい人は思ったより毒舌だった……


「魔法のことを話すと長くなるから、とりあえず剣だ。料理のことはスネークとヴィンに任す。メルジーナ殿、あとはよろしく」


からららん♪


先ほどやってきたエルフ三人戦士を従えてボルちゃんは外に出ていった。稽古が好きなんやなぁ……

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦


 うるさいのが出ていったので、再び調理を開始します。メルゼブルグで作った料理は、どのくらい残ってるのかな? 


「そうですねぇ…… サンドウィッチはもうなくなりましたね。カレーとおでん、あとはブロートがあります」


それじゃそれを片付けるか。あと新しく角煮を作るのだ。調理場には加熱する場所はいくつあるのかな?


「一応三つはあるのですが、普段は二つしかつかいませんので魔石をセットしてないです」


たぶん火の出る魔石だな。物はありますか? ない? ハンナちゃん、魔石って余ってなかったっけ?


「あー、まだまだたくさんありますね。それじゃ魔石をセットしますか」


あとは氷魔道具で中に入っている氷を全部出して、新しく氷を作りましょう。出したやつは時間経過1/50の壺に入れて置いて。使い道はたくさんあるからね。それと、濃縮箱にエールを入れて味の濃いエールを作りましょう。ジャガ酒もまだまだあるよね? あとは、回転魔道具で炭酸水を作りますか。液体関係はできたら全部壺の中に入れて置きましょうね。それでメルちゃんよ、食べ物を殺菌消毒するような魔道具なんかはあるのかな?


「あー、お母さんが持ってきた奴を使ってますね」


あるならよし! 生野菜なんかはそれに入れて滅菌しましょ。卵もそれ使えばよかったね。あとはなんかな? しゃぶしゃぶもやってみる? 氷魔法使わなくっても氷の入った保存箱のオニクなら薄切りできるで! 


「そうですね。エマさんが食べたがっていたので、タウルスニクとスクローファニクでやりますか」


あとは……ポテサラ作る?


「新しい料理を教えてもらえるなら作りたいです! 」


そかそか。そんじゃまずは大鍋で水を沸かしますかな? あとは1斗鍋のカレースープとおでんを温めなおしじゃ。お湯が沸くのを待つ間、オニクを薄切りスライスします…… マギハンド千手観音!……千本も手は使わないんですけどね!空中に浮かせた脂身を取り除いたスクローファニクの塊約45キロをこれまた空中に浮かせたナイフでスライス!スライス!スライス!うすーくカットされたオニクは柔らかく半分に折りたたまれ大理石でできた大皿に並べられていきます…… 半分くらい? いや、そんなに使ってないな。15キロぐらいスライスしたら、残りのスクローファニクは大き目の角切りにカット! カットしたものには塩胡椒を振って休ませておきましょう。スクローファニクが終わったらタウルスオニクです。これも同様にスライスカットと角切りカットです。カットしたお肉は空いてるスペースに置いておきましょう。


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