ボルちゃんが昼なべして~リュックを縫ったのさ~♪
修正;亡くなって→無くなって
「それで隊長さんは何してたんだ? ここ食堂だろ? 革を縫っているのか? 」
「ああ、これは君ら用に冒険者リュックのようなものを作っていたのだ。軍支給のそのポーチではもう容量が足りないだろうと思ってな」
「だけどさぁ隊長さんよ~、見た感じ普通の背負い袋だよな~。このポーチほどは入らねーよな? 」
「そこで、スネークちゃんの登場ですよ!」
「この蛇が何か関係あるのか? 」
ハンナちゃんは何も言わず、どこかにおいてた自分のリュックを持ってきた。
「こちらは隊長が作られて私がいただいたリュックです。これの中身を取り出しますよ……」
ハンナちゃんがリュックの中からどんどん物を出していきます。壺、壺、箱箱、丸書いてぴょん。
「ん? んん? んなんだって? なんでこんな量がそのリュックに入ってるんだよ? おかしいだろ、どう考えても? 」
「……ヒーディはよく考える。我らのポーチも同じこと…… 」
「つまり何か? このリュックには付加魔法がかけられてるってーのか? 見たところ作りはしっかりしているが素人丸出しのこのリュックに? 」
「あ、あのー、これ、今隊長が作ってくれてるものと同じなのですが…… 」
「するってーと、隊長さんが付加魔法を覚えたって言うのか! まじでーーー? なんだかこの2か月近くで急に差が開いた感じがするーーーー!」
「もとから大差がついてたでしょ? 模擬戦でも隊長から1本も取れたことないくせに~」
「いや~、今度こそ隊長さんから一本とれそうな気がする。いや、とって見せる!」
「…… 考えなしは置いといて。これ、君がつくったの? 」
そやで! 付加魔法で内容量を50倍にして重量を1/50にしたんやで~。
「…… と言ってますよ。隊長も皆さん用に作られていますのでもうしばらくお待ちください」
リュックづくりなんてシュタイルハング村を出て以来だな。でも待てよ? あんときのボアの革はボルちゃん・ハンナちゃん・エマさんと基本人族の分で無くなったんではなかったか?
「ああ、あの時のボアの革はもうないから、今日市場で買ってきたんだ。リュック自体を買うことも考えたが、自分で作った方が安上がりだしな。よし、できたぞ。スネーク、例の魔法を頼む」
青魔法な。
“青魔法Lv.4祝福“
“プップ~”
“どのような祝福を施しますか?”
“容量を五十倍増し、重量五十分の一に減少、時間経過五十分の一でお願いします”
“パヤヤヤ~ン”
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと62!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと62!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと62!】
「これで完成したのか? 」
「ああ、あとは自分らの体に合うように背負い革の長さを調整してくれ」
「やーーー、ありがたいわーーー、ポーチもいいけど中身の空きが心配になったところなのよね」
「お前、くだらない服とか化粧品とか入れてるからだろ! 」
「あなただって酒瓶が山のように入ってるくせに! 人のポーチの中身にケチ付けてるんじゃないわよ! 」
「なんだよ! 文句あんのかよ! 」
「…… 喧嘩両成敗…… 」
小さい子がジャンプして大きい子達の頭に拳骨を落とす。おお! けっこう力はありそうだな!
本日はこれにて。
お読みいただきありがとうございます。




