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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第4章 ドラゴンへの道
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調味料各種

婆ズがいなくなってもスピードはかわらないのであった・・・orz


 しかし、そろそろ夕食を仕込むにはいいころですな。我、テーブルの上にあるものを全部片づけた。大将よ、いつもは客はどのくらい入るのだ?


「この時間帯だったらまだわからんが、今時期だと暇ではないが、今年は雨ばかりで客足は鈍いな。2,3組部屋を借りてくれれば御の字だ。客がいないときもあるからな」


昼間の食いつきを目にしたら、ナーギーを目玉にすれば結構客は入りそうな感じはするのだが。


「そうだな、あんなに串焼きが売れるとは思ってもいなかった」


「メルゼブルグでもタウルスの串焼きのタレ味が銅貨1枚と大鉄貨2枚でしたもんね~。量はそんなに変わらないのに、ナーギーの方はバカ売れでしたね~」


「まああの味付けはこっちじゃ初めての味だからな。タウルスの肉でやってもいけるかもしれん! 」


ま、あのタレはナーギー専用というわけではないが、量も少ないしめったに使わない方がいいのでは?


「ナーギー…… 思い出したらまた食べたくなってしまいました~。たいちょ~、あたし、ナーギー捕まえに行ってもいいですか~?」


いきなり何を言っているんだ、この人は?


「子供の頃よく捕まえに行ってましたからね~、どこら辺に潜んでいるかあたしわかるんです!」


「ほんとかよお姉さん! それじゃ、俺とナーギー捕まえに行こうぜ! それで晩飯はナーギーのかば焼きにしよう! 娘よ、晩飯の支度は頼んだ!」


「他のも食べたいですーー! メルさーん、スネークさんにお願いすれば何でもできますよー! じゃ!」


何やら意気投合して二人して竹籠を抱えて出ていった…… 自由な奴等だ…… 


「どうするんだスネークよ?」


「スネーク君に頼めば何でもできると言ってましたが本当ですか? 」


「本当ですよー! あ、エマさんがやってたお腹のオクスリ作りはどうしましょ? 」


梅の実をすりつぶして鍋で煮込んでいたやつな? これ、水分抽出すればいいの? それなら我の金魔法Lv.1抽出! 色がだんだん黒くなっていきますな……


「あーーーストップストップ! その辺にしてください!」


残ったのは黒くてドロドロした粘性体…… ハンナちゃんはスプーンで起用に掬い取っていき1合ほどの小瓶に詰めていきました。


「ふーーーー、これでお腹の薬は完成です」


これがお腹の薬か。エマさんの作っていた燻製梅とはどう違うのかな?


「同じもので作っていますので基本性能に変わりはないと思いますが、 烏梅うばいは口の中にずっと入れて置くため、唾液がよく出るようになり消化を助けると言われています」


へぇそうですか。しかしそれもほったらかしだけどな。さてと、メルちゃんや、聞きたいことがありますが。


「メルジーナさん、スネークちゃんが何か聞きたいそうですよ? 」


「なにかな? スネーク君」


ここのお宿は食費にどのくらい使ってもいいのかな? 宿代が銅貨6枚で夕食朝食付きだったはずだが。


「食費は半分の銅貨3枚までだよ」


そうですか…… あれ? メルゼブルグの冒険者ギルド宿泊所と変わらない? あそこ1泊大銅貨1枚もしたよな?


「そんなに宿代高いところにはみんな泊まらないよ~www」


しかし銅貨3枚なら、タレ味を使うのは別売りにしないといけないな! ちゃんと区別して、お酒みたいに別料金にしないといけないな。


「あのタレっていうの、そんなにお値段高いの? 」


こっちの物価は知らんが、1升1.8Lで銀貨1枚したからな。1合180㎜Lで大銅貨1枚、スプーン大匙15mmLで銅貨1枚弱という計算ですよ。


「それじゃ、スネーク君の言う通り、あのタレはナーギー専用にした方がいいのかな? 」


いや、そこは適宜てきぎやっていいんじゃないの? ナーギー獲れないときはタウルスニクに使ってもいいんじゃないか。食材に銅貨3枚使えるんならなんだかいいモノ食べられそうだな。調味料は塩以外には何かある? 


「ニグラムは多少、あとサルバイやイングウェアなんかの香辛料がありますよ」

酢やお酒は料理には使わないの?


「酢も少しは使います。お酒は専ら飲む用にしか使ってませんね」 


うむ。そしたらここの宿の売りはなんなのかな? 看板娘が売りなのか?


「いや~えへへ。それほどでも~」


お世辞は置いといて。我、こう見えてもホテルコンサルタントなんやで! この宿、部屋数はあんまりないけど、泊り客の最大人数ってどのくらいなん?


「そうですね、部屋数は30で10が3人部屋あとは個室なので、全部入ると50人ですが、そこまで入るのは街で行事があるときぐらいですね。普通はその半分以下というところです」


昨日は我らいれても3組ぐらいしかいなかったもんな。しかし、食費に銅貨3枚か……ブロート1斤とオニク300g、各種野菜でも銅貨2枚とちょっとだな……もう少し調味料を充実させた方がいいと思うんだよなぁ…… とりあえず、マヨとケチャは普及させましょう! あとは酢と塩! 酢と塩で食材の保存をしていけば多少は他の宿との違いが生まれるよな…… ナーギーでそんなにすぐに差別化が計れるかな? 今日の客次第でできるかもしれないが…… それは我らがでていったあとだろうね。それじゃ、メルちゃんにマヨネーズのつくり方を教えておきましょう。ハンナちゃん、やっておしまい!


「ああ、マヨネーズのつくり方を教えるのですね! 」


あとは、それにアレンジを加えるのだ! ワサビを入れてワサビマヨにしたり、トマトケチャップを入れてオーロラソースを作ったりできるのだ! マヨはすごいのだ! 湯掻いたお助けイモをつぶしてマヨに混ぜると基本のポテサラができるのだ!


「あっ! またスネーク料理教室だ! {ポテサラ}とは何ですか!」


ポテトのサラダなのだ! 湯掻いたお助けイモ{ポテト}をつぶしながらマヨを混ぜていくと出来上がるのだよ! あとはキュキュミス入れたりカロッテ入れたり焼いたニクを刻んで入れたりすれば付け合わせになるぞ! まあ料理は後でどうにでもなるから、調味料を作りましょう! ハンナちゃん玉子まだある?


「まだまだたくさんありますよ。シュトラウスの玉子なんか全然使ってないでしょう?」


そういやあまり使ってなかったな、ダチョウの玉子だったっけ。ちょうどレモンの木があるので酢の代わりにレモン果汁を使ったものをこの宿特製にしてもよいですな。レモンと言えば、塩漬けにしてレモン塩を作るのもありですな。よし、さっそく昨日採れたレモンも使いましょう! メルちゃんはマヨのつくり方覚えて! ここの調理場は狭いから食堂のテーブルで全部やりましょう! ボルちゃんは…… まだリュックづくりをしてるな。ああ、邪魔にならんように離れたところでやるわ。しかしまな板が必要だな…… 我、大きな岩を取り出し、土魔法Lv.18石細工ストーンワークスで畳2畳ほどの石まな板を作ります。それではこれをテーブルに載せて、あと水拭きしてくれる? …… 拭き終わったようですな。そしたらまずは食材と卵の殻を光魔法Lv.4 滅菌ステリリゼーション!。二人は手を洗っておいで…… 洗ってきた? それじゃレモン汁を絞りましょう! ま、力仕事は我がやるのですが。ハンナちゃんは玉子を割ってスプーンで攪拌しといて。我はレモンを輪切りにして、マギハンド千手観音で、半分になったレモンを1斗鍋にギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!…… やべぇ絞りすぎた! 残ったものはマギハンドナイフ捌きでみじん切り!カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン! 汁気は再びマギハンドで絞りまして1斗鍋にいれます。残りかすは別の壺にポイ! あと粗塩をぽいぽい! これでしばらく待てばレモン塩ができますな。あ、糖で煮てジャムにしてもよかったかな?


「ねぇスネーク君。このたくさん作ったツィトローネの汁はどうするの?」        


これはいろいろ使い道があるのです。余ったら飲み物用にしてもいいしな。まずはマヨ用です。お酢の代わりに使いますよ。ハンナちゃんや、シュトラウスの玉子、攪拌は終わりましたかな? 白身を入れちゃったから攪拌が甘いな。ま、白身使わない方が味が濃厚になるのだが、いいか。


「卵の黄身だけでマヨを作った方がいいのですか? 」

いや、それだと白身が余るから。白身だけで別料理に使えばいいなら君だけでやってみてもよいですな。まあ今日はいいか、マギハンドで玉子を高速攪拌! 混ぜながら塩を時々パラリと落としていきます。えっと油は……


「ここに出してますよ」


ハンナちゃんの横に1斗壺が。あれに油入れてるんだっけ? なに油? 


「ゾンメンブルーメの油を買ってきたのではなかったですか? 」


ゾンメンブルーメってなにかな?


「ゾンメンブルーメは今時期に咲く花です。太陽を向って咲く、太陽みたいなお花ですよ。知らずに買ったのですか? 」


ん、ヒマワリなのかな? ひまわり油か。あまり使ったことなかったけど知らずに使っていたのか。特に違和感なかったからいいか。そんじゃ、ちょっぴり油を入れて、また高速攪拌! ちょっぴり入れて高速攪拌!…… できた! 


「これがマヨというやつですか? 味見をしても? 」


本当はよくないのだ!


「それはどうして? 調味料なんでしょう? 」


卵の殻にはおなかを壊す成分がついている場合があるから、本当は生の玉子は食べてはいけないのだ! 酢、今回はレモン果汁の酸で成分を無効にするまで1日休ませておく必要があるのだ。ま、今日は我が光魔法でどうにかしたからいいけど、メルちゃんはマヨを作ったら少なくとも一晩は寝かせなさい! いいですか? スネーク君とのお約束だぞ!


「わかった。約束するよ! マヨは作ったら一晩寝かせる!」


それじゃ、マヨは冷蔵魔道具に入れときましょう。あとはトマトケチャップとマスタードだな。ハンナちゃんや、ニグラムの粉末はまだあるかい?


「たくさんありますよ。いろいろメルジーナさんに使い方を覚えてもらいましょう!」


こうして我らは、宿屋「恋するマーメイド」の看板娘にたくさんの調味料を味わってもらい、作り方と使い方を覚えてもらったのであった。ここはきっと繁盛することになるな。


本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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