ウナギにゃ山椒がつきものです
山椒の実を置いていった見た目は若者にしか見えないババア…… 美熟女でも何でもない、何も言われなければただの美女です! 美魔女は美熟女と同義語だっけ? 良くはわからんが置いていった袋の中身をハンナちゃんに出してもらう。
「これがマヒの実ですか。スネークちゃんはこれを本当に食材にするつもりですか? 」
これはなぁ、色々使えるんやで、たぶん。
「いろいろとは? 」
麻婆豆腐や麻婆茄子、豚の角煮、カレーの中に入れてるところもあるんだぞ!
「でった! ”マーボー”! ”トーフー”は聞いたことがありますが、”ナス”は初めて聞きました。”トーフー”は丸豆を使ったもので、これまた汎用性があるらしいのです! さて、さてさて! 全部喋って、はっ! もっらぃ~ま~す~よーーーーーヨッ! テンテンテンテン」
豆腐のつくり方か…… 確か大豆を茹でてつぶして豆乳にして、あとはにがりを入れて固めるんじゃなかったっけ?
「その、”にがり”というのは? 」
あー、我もよくわからない…… 塩の一種だそうだが、普通の塩ではないようです。もっと勉強しておけばよかったかな。そう言えば、ラーメンに使う鹹水も似たような成分なのだろうか? よくわからん。
「スネークちゃんでもわからないことはあるのですねぇ」
むしろ知らんことだらけやがな! さて、それでは山椒の実を確認しますか…… ハンナちゃんが袋から出してきたのは一握りの小さな緑色の実であった。これってまだ生きてるのかな?
「やりますか? スネークちゃん!」
やりましょう! それはそうと鍋に火をかけている奴は大丈夫か? エマさんがずっと混ぜてるから大丈夫? ああそう。ついでに梅もやっちゃっていいかな?
「ご亭主よ。スネークが庭に梅と山椒を植えたいそうだが、やっても平気か? 」
「ああ、どんどんやってくれ。実はうちで使ってもいいんだよな!」
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
再び外に出た我、お供にはハンナちゃんです。梅の実と山椒の実に緑魔法Lv.5品種改良をかける。
緑魔法Lv.5品種改良!
“プップー”
“どのような改良を施しますか?”
こっちの小さいのは多く実をつけるように、大きい方は大きな実をつけるように、あとは両方とも病害虫に強くなるようにオナシャス!
“パヤヤヤ~ン”
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと65!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと65!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと65!】
あとは緑魔法のコンボです。その前に久しぶりにため込んでおいた黒色土の森の土を吐き出しましょう。おぇええぇえええぇえぇええぇええーーーーーー! これで準備ができた! それでは!
”緑魔法Lv.1発芽+Lv.2移植+Lv.3養分吸収+Lv.4成長促進!
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと64!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと64!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと64!】
3本の梅の木と10本の山椒の木があっという間に生えました…… 梅の木には見事な梅の実がなりましたが、山椒の木には、あれれ? 実がついてない木がありますね。花は全部咲いたのに。
「あー、これはオスの木ですね」
お酢の木? お酢が成るのかしら?
「いや、木にも雄と雌があるのです。実が成らないのは雄の木です。2本しかないのでいいのではありませんか? さあ、実を収穫しましょう。スネークちゃんは高いところにある実を捥いでください! 」
つか、君どれも全然届かないだろ? 仕方ない、我のマギハンドが火を吹くぜ! リアルな意味で火は吹かないけどな!
無魔法Lv.6魔纏い(マギボディ)、千手観音!
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと63!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと63!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと63!】
マギハンドで魔の手を出した後、全部捥いだった。捥いだ実はすべてハンナちゃんのリュックの中に。さぁさ、戻りましょう戻りましょう。おててはそのまま出して戻りましょう。




