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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第4章 ドラゴンへの道
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梅干し・烏梅・梅肉エキス、そして梅酒と梅シロップ



からららん♪


宿の中に戻ってきた我ら。食堂へ向かうと5つのテーブルの上に水洗いしたと思われる梅の実が山のごとく積まれていた。そのテーブルの周りにはちまちまと作業をしている人たちがいますな。


「スネークちゃん! 梅の実の水洗いは終わりました! あとは実についているヘタを取っております!」


見てるとババア達の手際がものすごくよい。ボルちゃんが竹串で梅の実のヘタ1個を取っている間にババア二人で10個のヘタは取っているかな?


「ヘタを取り終わった実はあく取りをしますが、2時間ほどかかるのですが……」


そうだな、アレをさっそく使いましょう! 中に入れたら時間経過が50倍進む壺だ! 2時間なら2分とちょっと待てばよろし! 我、中に入れると時間経過が50倍進む壺(もう倍速壺でいいか)をおぇえええぇっと5壺吐き出します。 ヘタを取り終わったやつはどれ? エマさんとハンナちゃん、このうちのひとつの壺に入れちゃってはいよ! 我、梅を入れる前に体内にためてる川の水をおぇええええぇえええええぇえええぇえおぉぉええぇおっと吐き出します。


「ちょっとスネーク君、何してるの!」


これは我の技能なのだ! 以前に川の上流の水をがぶ飲みして体内に蓄えていたのだ! 別に汚くはないから安心して使うとよい!


「水魔法を…… 使わないの? 」


アホか! 水魔法を使ったらカウントダウンが進むだろうが! 気持ち悪いと思うんだったら食わなくって結構! 手伝わなくてもよいわ!


「いやねぇ、絵面が悪いと思っただけ! だって吐いてるみたいなんだもん!」


そんなこと言うんなら使うな飲むな食うな!


「あーあ、余計なことを言ってスネークちゃんを怒らせてしまいましたね? あなた方は今日スネークちゃんを何度も怒らせているのですが、あの水は普通に使えるのです! 何なら私が飲んであげます! 」


いやー、もうええがな…… 急にやる気がのうなった……


「ふん! 見られて不平を言われて止めるようなら初めっからやるんじゃないよ!」


まぁ、こればっかりはババアの言う通りですな…… 指示だけするから自分らでやって…… ヘタとり終わったら壺に梅を放り込んで、2分間待って中身を取り出してくれや……


「あ~ぁ、スネークちゃんがスネーてしまったのです…… いつもは料理をするときはすごく生き生きしてたのに…… 」


「お母さんたちひどいよ! 私とお父さん、スネーク君にナーギーのかば焼きを作ってもらって、それに庭に調理場まで作ってもらったのに! 文句ばっかり言ってやる気をなくさせて、やる気なくなったら無責任だって責めるなんて! 」


ええんやええんや、我なんかのために怒らなくてもええんや……


「いや、別に責めたわけじゃないわよね? 」


「そうですジャよ、メルちゃん」


「責めてたよ! 壺まで出して不思議だなぁと思ってたら、水を出して中に入れたときに気持ち悪いって!」


「いや、絵面が悪いと言っただけで、気持ち悪いとは言わなかったけど? 」


「言葉を変えても気持ち悪がったのは一緒でしょ? そういうのは伝わるんです! スネーク君がかわいそう!」


いや、知らない人に体内に貯めてた水をいきなり見せた我が悪いんや…… 我、動かないからみんなでやってくらはい…… 我は丸まり動かなくなった……


「おいスネーク!」


聞こえてまっせ。あとは自分たちでもやれるでしょう。ハンナちゃんはおなかの薬、ボルちゃんはジャガ酒を持ってきて倍速壺に梅と酒を入れてーな。ワインが余ってるなら別の壺にワインと梅でやってみて。エマさんは梅を壺に入れたら持ってきたハチミツを梅がひたひたになるくらい入れて蓋をして。もう一つは蜂蜜じゃなくって糖を使ってくれ。簡単やろ? 自分たちでできるやろ? 我はもうじっとしておくわ…… 作業終わったら声かけてね…… 我は外界からの意識を遮断し、瞑想状態に入ります……


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