ボルちゃんの買い物
「スネークの光魔法は相変わらずだな! 今までの疲労が吹っ飛んでしまったよ 」
心なしか笑ってないような…… 精神的な疲労かな? ギルドの用件かな?
「まあそんなところだ。ところで頼まれていたあの件、半分は大丈夫だった」
半分…… 何頼んでたっけ?
「乳製品はたっぷり買ってきたのだが、今まで食べたことのない果物というのは見当たらなかった。小さい桃は安く手に入ったが、売った商人によると生では食べない方がよいそうだ。安かったからたくさん買ってきたのだが…… 食べてみるか?」
こら! 生では食べない方がいいものを食べさせようとするんじゃない! 今度はボルちゃんも笑ったようだ。ちょっとは心の疲れも取れたのかな? ボルちゃん、腰のポーチから紙袋を取り出し、中のものを手に取ると我の目の前に置きました…… 桃って言ったよな? どう見てもこれは梅なんですが?
「ウメというのか? 店主はプフラオメと言ってたが?」
ハンナちゃんもエマさんもやってきました。
「おっ! これはよいものを買ってこられましたね? たくさんあるのならお腹の薬を作ろうかと思いますが?」
「えーー? これはスリスリしてお酢の代わりにするものではないんですかーーー? うちではそうでしたーーー!」
え? これは塩漬けにして食べたりしないのか? 生だとおなかを壊すのではなかったかしら?
「実をたくさん擦って煮詰めていくとおなかの薬になるのですよ」
「あら!小さいのによくそんなことを知ってるわね! 」
「これでも16歳ですから! 」
「え? 私よりも年上なんですか? 」
「そーなんですよ、メルジーナさん! エルフ族は基本人族より成長するのが遅いのです! 」
「あのー、私、基本人族ではなかったようなのですが……? 」
「マーメイド族がどのような成長をするのかは存じませんが、見た目通りなら12歳くらい? ですかね? 」
「あ、正解です!」
年齢当てクイズしてんじゃねーよ! ボルちゃんよ、この梅どのくらい買った?
「目新しいのがこれしかなかったから、たくさん買ってきたぞ? スネークならなんとかできるだろう。あと、牛乳は1斗瓶で10本、バターとチーズは50㎏買ってきた。あって困るものでもないしな」
「牛乳を1石も買ってどうするつもりじゃ!」
あー、リアルババアがまた騒ぎ出した。
「ん? ポーション屋の店長…… ダーミー殿だったか? ここに連れてきたのか?」
「コーデさんにはポーション作りを手伝ってもらうつもり。だから、私のお願いも聞いてね?」
「そりゃスネークがいいというなら是非もなしだが? 」
イメージババアのお願いは一番最後だな! 魔力使いきって気絶したら他の作業できなくなるし!
本日はこれにて。
お読みいただきありがとうございました。




