↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
9/9

epesode 8

ノイシュタット 宿屋。

「あたっ!?」

アスハルティルタの声と同時にぽかっと音が鳴り響く。

宿屋の中で二人は今、喧嘩の真っ最中。

「いきなり殴ることは無いだろうッ!?君は暴力魔か?!」

「るっせーっ!!お前が起きねぇから、わざわざこのアタシが起こしてやったんだ

感謝ぐらいしろっ」

「君の場合、起こし方が雑なんだっ!もうちょっと労うことをしろ!」

「アノ、オ二方」

二人の間に割って入ったのは、NPCのロン。

「健康状態ハ問題アリマセン。デスガ、アスハルティルタ様のHPハ、マダ完全回復シテオリマセン。

モウ少シ、安静ニオ願イシマス」

「ロン……今回の件はまた改めて御礼をさせてくれ。有難う、シェーラを助けてくれて。」

アスハルティルタがロンの方を向いていうと、ロンの頬が赤く染まる。

シェーラはそんな二人の会話を聞きながら、アスハルティルタに

「なぁ、こいつとどーいう関係なんだよ?」

と聞く。

それを聞いたアスハルティルタはシェーラの方へ再度向きなおし、

「私は、狩人かりびとという職業なんだ。狩人は、君のようなプレイヤー多殺犯を

殺すため作られた。私は、君への復讐のため、狩人になった。そこで、ロンと出会ったのだよ」

「ワタシハ、ソノトキアスハルティルタ様とチームヲ組ンデイマシタガ、急ニアスハルティルタ様ハ狩人カラ

御姿ヲ消シテイタノデス」

アスハルティルタはロンの顔を見ながら話し続ける。

「私は君と出会ったあの時、君を殺そうと考えていた。だが、私は君を打ち負かしたとき、トドメを

刺せなかったのだ。」

「……」

「本当に、情けないよ。でも、君を殺すという気持ちは、君と旅するうちにだんだんと薄れていった。

そして次は、君を守りたいと思うようになった。」

アスハルティルタの目から、涙がぽろぽろと零れ落ちる。

「君が自我を失ったとき、私は君を取り返すため、ロンに頼んだのだ。

「シェーラの中にいるウイルスを削除して欲しい」とね。もしあの時間に合わなかったら、

私も君もきっと死んでいた」

「アスハルティルタ…」

シェーラが彼女の名を呼ぶと、アスハルティルタはにっこりと笑って

「お、また名前を呼んでくれた。なんだね?」

「アタシ……さ、この世界から降りようと思うんだ」

シェーラの言葉を聞いた途端、アスハルティルタの表情が、真剣な目付きに変わる。

「そうか。そういうと思った。」

そういって、アスハルティルタは左手をシェーラに差し出す。

「また、会えるよな?」

「…うん。きっと会える」

シェーラは彼女の手をぎゅっと握り返した。


「有難う。アタシと一緒に居てくれて。」


目の前には、GAMEOVERの文字とID削除のコマンドが。

少女は迷わず、OKと書かれたボタンに手を伸ばす。

「アタシは、また会いにくるから。」

それ以降、彼女のリアルセカンドは幕を閉じたー…。



Epilogue


「おかーさーん!!パソコン貸してーっ」

可愛らしいピンクのフリルワンピースに身を包んだ少女が、家のドアを勢い良く開け、

どたどたと母のいるリビングに来る。

「いいけどー。何すんのよ」

母が聞くと、少女は短く答えた。

「リアルセカンド!!」


リアルセカンド、とは第二の現実を目指して作られたオンラインゲーム。

登録者は1000万人を超え、この少女も最近このゲームを始めだした。

「僕のアバター、とぉーっても可愛いの!見てみて」

そう言って母に少女が見せたのは、かつて魔王と呼ばれたシェーラの姿が。

「僕この子とねぇ、旅するの!すごいでしょう?」

ステータス画面の彼女の顔は笑顔で少女を見ていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。