平穏な日々と、舞い込んだ『学園』の誘い
「ヒロさん、あーんしてくださいっ!」
陽光が優しく注ぐ王城のテラス。エリスが照れくさそうに顔を赤らめながら、フォークに刺した甘い苺のケーキを僕の口元へと差し出していた。
「あ、ありがとう、エリス……あーん」
パクリと一口食べると、甘酸っぱい果汁とクリームの風味が口いっぱいに広がる。
「どうですか……? 私、ヒロさんに喜んでもらいたくて、お城のシェフに教えてもらいながら焼いたんです……!」
上目遣いで感想を待つエリスの表情があまりにも可憐で、僕は思わず目元を緩めた。
「すごく美味しいよ。エリス、お料理もどんどん上手になってるね」
「〜〜〜っ! ヒロさんにそう言ってもらえるなら、毎日でも作りますっ!」
エリスが飛び切りの笑顔を弾けさせると、隣に座っていたルチアがジト目でハーブティーのカップを置いた。
「ちょっとエリス、甘やかしすぎよ。ヒロの栄養バランスは私の科学的計算によって管理されるべきなんだから。ほらヒロ、次は私の作った特製ビタミンジュースを飲みなさい」
「ルチア、それは怪しい色をしておるぞ……! ヒロ殿に万一のことがあったらどうするのだ!」
そう言って割って入ってきたのは、私服姿のヴァルキリアだった。鎧を脱いだ彼女は優美な白ブラウスにスラックスという装いで、すっかり打ち解けた様子で僕の隣に腰掛けた。
「ヒロ殿、今日は午後から騎士団の訓練施設を案内しよう。あなたを守るための力を、その目で確かめてほしい」
「もう、みんな朝から賑やかねぇ」
ガゼボの入り口から現れたのは、優雅に扇子をあおぐルミナス女王だった。彼女は僕の背後に回ると、そっと肩に手を置き、耳元で甘い吐息を漏らす。
「ふふ……私の愛しいヒロ。みんなに愛されて、今日もしあわせそうですね?」
「ルミナス……っ」
大魔獣との激闘を乗り越え、僕たちは王城で甘く平穏な日々を過ごしていた。四人の美少女たちからの情熱的な愛に包まれ、世界でたった一人の「男」としての僕の日常は、これ以上ないほど充実していた。
しかし――。
「ときにヒロ、そして皆。本日は一つ、大切な提案があってここへ来ました」
ルミナスが表情を引き締め、一枚の豪華な羊皮紙の書状をテーブルの上に広げた。
「これは……『王立第一総合学園』からの招待状ですか?」
ヴァルキリアがサファイア色の瞳を細める。
「ええ。この国中の未来を担う優秀な乙女たちが集う、最高峰の学園です。ヒロがこの世界に来てから、ずっとお城の中で暮らさせてしまっていましたから……同世代の少女たちと触れ合い、この世界の歴史や文化を学ぶ機会を作りたいのです」
「学園……僕が、学校に通うんですか?」
「はい。もちろん、ただ通わせるわけではありません。エリス、ヴァルキリア、ルチア。あなたたち三人にも、護衛および『ヒロのパートナー』として共に学園へ入学、あるいは赴任してもらいます」
「「「えっ!?」」」
三人が同時に声を上げた。
「ヒロさんと同じ学校に通えるんですか……!?」(エリス)
「む……! 学生としてヒロ殿の身近で護衛ができるとは……っ!」(ヴァルキリア)
「ふふん、私の知識があれば学園の特別講師だって余裕ね」(ルチア)
ルミナスは楽しそうに微笑むと、僕の手を優しく握りしめた。
「学園には、まだまだ魅力的な少女たちがたくさんいます。ですがヒロ……浮気をして私を心配させたりしないでくださいね?」
「浮気だなんて、そんなことしないよ!」
「ふふ、冗談です。さあ……新しい舞台へ向かいましょう。あなたの『学園生活』が、最高の思い出になることを願っていますよ」
こうして、平和を取り戻した異世界で、僕と美少女たちの甘く賑やかなハーレム生活は、新たな舞台――『王立学園』へと広がっていくのだった!




