馬車移動中
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昨日は散々弄られた後、結局別々の部屋で寝た。そしていまは学園都市へ行く馬車に乗って走行中という訳だ。
隣にはカエデがいる。王様はお城でお留守番·····ではなく、別の馬車に乗っている。
なんでも、毎年入学祝いの言葉を言いに行ってるんだそう。将来、娘の部下になるものにしっかりと顔を覚えさせるためにという目的があるとのこと。
そして、馬車の中は全く娯楽がないのでこれまでの僕のことや、カエデのことを教えてもらった。
今はちょうど僕の自〇した経緯を話していた。あまり気を負って欲しくないから冗談交じりにだけど。
「その相手の人は所詮、トウヤは遊びの相手だと思ってたのでしょうか。」
「それは僕にも分からないよ。本人しか知らないもの。でもね、こうして出逢えたのも彼女のおかげだから。
最初はね、この世に希望なんて抱いてなかった。このまま死んで無に還りたいって思ってた。でも、カエデが僕の手を、僕を支えてくれた。
寂しい時もあった。親の存在が恋しいなって泣いた時もあった。けど、いつだって王様やカエデ、家の人達の存在が僕を励ましてくれた。
だからほんとにね、ありがとう。」
流れで言っちゃったけど紛れもない本心だ。人からしたら重いとか痛いとか言われるかもしれないけど、それくらいカエデのことが好きなんだな、って自覚した気がした。
「き、急にどうしたんですか!?恥ずかしいですよ。」
「ごめんね。僕ばかり喋って。次はカエデのこと教えてよ。」
勢いで聞いたけど、カエデのこと自体、あまり知らないかもしれない。一国の王女、くらい。
待って、彼氏として知らなさすぎじゃない?不味い不味い、耳の穴かっぽじってよく聞いとかなきゃ。
「うーん、そうですね。私の王国内のあだ名というか異名を知ってますか?」
「ううん、知らないよ?」
「私は······『血濡れの王女』と呼ばれています。」
血·····濡れ·····?それってどういう───
「ああ、人を殺めたとかそういったものじゃないのです。王領のダンジョンでスタンビートが起きたので指揮に向かったところ、襲われそうになりまして····。」
「ええ!!??」
「幸い、宮廷魔法使いの方に助けられたのですが、その時の風魔法でやられた魔物の返り血を浴びてしまいまして、その時から血濡れの王女と呼ばれるようになりました。
多分、私自身仮に出ることも多いのでそれも原因でしょうけど。」
な、なんだ。良かったぁ。カエデがそんなことするわけないと思っててもちょっとビックリするじゃん。
「ていうか、カエデって狩りによく出てるって言ってたけど最近僕との散歩以外で外でてないよね?」
「最近は······どちらかと言うと狩りよりもトウヤといたいといいますか、 1人が寂しいと思うようになったのです。」
─────へっ?
「っあ、ありがとうっ!」
「っいえ!私のワガママというか、願望というか·····もう!なんでもありません!」
こうして、時間は過ぎ去って行った。
うーむ、やはり純愛




