朝の職務(イチャイチャ)
Good morning
「トーヤ、最近調子が悪いようだが何かあったのか?」
王様に聞かれるけど、理由なんて言えるわけないよな。ただの側仕えが生意気だって言われるのがオチだろう。
「いえ、なんでもごさいません。」
「そうか。体調が優れないのであればカエデでもワシでも良い。すぐに言うのだぞ。」
「承知致しました。」
いつも通り夜明けより少し早めに起きて、カエデ様を迎えに行く途中に王様に出会ったが、そもそも何故こんな時間に起きているのだろうか?
「陛下、失礼ながらなぜこのような朝早くに?いつもはまだお休みのお時間ですよ?」
「いや、お主のことが気になっただけだか?」
···本当にいい職場だ。上司がこんなに優しいことってきっと前の世界では有り得なかっただろう(偏見)。
「そうでしたか。心配をおかけして申し訳ございません。それより、もうそろそろカエデ様のお誕生日でごさいます。招待客は何人くらいになるのでしょうか。」
「む、まあよい。招待するのは侯爵以上の家の者達と妻の家の領主で暮らしておる祖父母たちを招待しておる。合計で80名くらいになるだろうな。」
80人か。なら警護は僕一人で大丈夫そうだ。カエデ様も強いんだけど、対人戦、特に一対多数の戦いが苦手だから僕がしっかりと守ってあげないと。
「···ありがとうございます。」
少し話しすぎたので早足気味でカエデ様を起こしに行く。カエデ様の部屋は王様の執務室の2つ隣なのでたまに王様を見かけるということがある。正直、視線が痛い。
「おはようございます。カエデ様。お迎えにあがりました。」
「········」
返事は帰ってこなかった。
「カエデ様?起きてくださいね?」
また、返事は帰ってこなかった。不審に思ったため心の中で謝っておきながら部屋に入った。
中には普通に寝ていたカエデ様と、1冊の本がベッドの上に転がっていた。
「夜更かししたのか。カエデ様、おきてください。朝ですよ?」
顔を覗き込んで言ってみるが全然起きてくれない。
「むぅー!!!起きてくれたっていいじゃん。」
「んん····?」
ちょっと拗ねているとカエデ様から反応があった。好機だ!逃す訳には!
「カエデ様!起きてください!」
「んむぅ、んん、、、、へふ。」
ん?なんだ「へふ」って?ずっと唸ってばっかじゃないか。そろそろ起きてくれよ。
「んん?あ、トウヤ。」
「あ!カエデ様!おはようござ····なんで隠れるんですか!?」
カエデ様は僕の顔を見るとサッ、と布団を被って隠れてしまった。そんなに見るに堪えない物でもないはず。え?大丈夫だよね?
「私はまだ寝てまーす。起きてませーん。おはようのギューしてくれたら起きまーす。」
「いいですよ。分かりましたから起きてくださいね。」
「そうだよね··だめだよ······ってえ!?いいの!?」
「いいですよ?僕はカエデ様が望むならなんでもしますよ?だから早く起きてください。」
まあ、何でもはしないけど。ある種の方弁だし、大丈夫、大丈夫。
そういったらさっきのがなんだったのかという勢いでガバッと起きた。
「おはようございます。カエデ様。」
「おはよう。トウヤ。」
身長は僕が173cm。カエデ様が160弱って所かな?なので確かにハグというよりギューになるのかな?
「撫でて。」
オーダーが入ったのでさっさと捌いていく。
···綺麗な髪だ。まさに絹みたいっていう表現が正しいと思う。キューティクル完備の全く引っかかりのないサラサラしてツルツルしている。あとふんわりシャンプーの香り?がするのも心臓に悪い。主にそういう感情は持ってはいけないのに···。
「ふぅ〜。よし、成分摂取完了。朝ごはん食べにいくわよ。」
「···はい。」
人の温もりは優しく、温かかった。
朝ごはんはパン派らしいよ。




