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第7章 密談
裏庭まで来た私達は人気が無いことを確認し、ようやく腕を離した。
「・・・・・・で? どういうことか説明してもらえる?」
私は啓ちゃんを睨みつけ、不機嫌そうに答えた。
「カイルに殴られそうになったユーリちゃんを助けただけ、だよね?」
先程のクロード様のなりきりは何処に。
啓ちゃんはきょとんとした表情だ。
「いや、それはまぁ、ありがとう」
「どういたしまして」
「ってそうじゃなくて!」
お礼を言ってなかったな。と言えば笑顔で返してくれるのが、啓ちゃんらしいが、今聞きたいことはそうではない。
「ん? 何が聞きたいの?」
「さっきのイベントさ? リリーちゃんのイベントじゃん。蘭花さんルートは嫌だって言ってたけど、起きるのおかしくない? フラグ何もないじゃん」
「あーそれは・・・・・・」
何か思い当たる節があるのか、啓ちゃんは目を泳がせながら、歯切れが悪そうな物言いだ。