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第64話・剣之創

リアクション貰いました!!

何と、これまで小説を投稿してて二回目です!嬉しいですねー!ありがとうございます!!



 ルーメン様のご厚意を受け、馬車に乗ると既に他にも二人乗り込んでいた。

 それも、そのうち一人は顔見知りだ。


 彼女の手招きで隣で案内され座ると、扉が閉まり馬車が走り出す。


 そして、落ち着き始めた頃に挨拶を始めた。


「お久しぶりです、ライト様。再びお目にかかれて光栄です」

「ああ、こちらこそ。もう、会えないと思っていたから会えてうれしいよ。それより、姉上がそちらに迷惑をかけていなかっただろうか」

「とんでもございません。ルーメン様はとても紳士的にエスコートしてくださりました」

「姉上が……エスコート?」


 ライト様は不思議そうにルーメン様の方に視線を向ける。


「なんですか?」

「ひっ、い、いえ!!」


 だが、すぐ逸らし化け物でも見たような悲鳴を上げた後、景色を眺め始める。


 無理もない。

 隣にいる僕も肌で感じてしまうほどの圧倒的悪寒と突き刺すような気配を放っていたのだ。


 実際に目にした彼の衝撃は計り知れないだろう。


「あの、そちらの方は……」


 最後の三人目は、目を惹く鮮やかな赤髪を揺らしながらルーメン様に僕のことを尋ねていた。


「あ、メリダさんはご存じありませんものね。この方は、アポロ様。話に聞く栄光の騎士その人ですわ」

「あ、あの有名な!?」

「ご紹介に預かった通りですが、騎士を辞め。今は、一介の冒険者に過ぎません」


 逆に、もう二年以上経過しているのにあそこまで驚いてくれるとは嬉しいものだ。


「アポロ様。謙遜は尊ばれるべき行為ですが、後輩(私たち)の前でそれをなさるのは関心いたしませんわ」

「……それは、失礼」


 確かに、貴族様の前でとる行動としては間違ってはいない。


 だが、ルーメン様に諭された通り彼女たちは僕が通っていた騎士学校の後輩、それもそこそこ尊敬されている。

 その前で自身を下げるような発言は、あまりいい気分はしないだろう。


「……そう言えば私の自己紹介もまだでしたわよね。私はメリダ・ツイストです」

「ツイスト家!?もしかして、貴方の父君はゲインというのでは?」

「はい!私も生前に父から聞いていました。魔王の直属の部下である大魔族を父の魔法を足場にして倒したと」


 彼女の父、ゲイン・ツイストは共に第三次人魔大戦潜り抜けた中だ。

 だが、彼女が生前と言った通り大戦の後に事故で亡くなったと聞いている。


「あの時は本当に助かりました。貴方の父君に関しては本当に残念でした」

「ですが、父の刻印は全て私が継ぎました。もし、次の戦場があれば必ず力になります!」

「ええ、その時は是非……と言っても、私はもう騎士ではないんですが」


 自分の口で呟くと同時に過去が脳裏にちらつく。

 たとえ、どれだけ月日がたっても――僕の罪が消えることはない。


『どうして助けてくれないの……』

『お母さん、お父さん……村のみんなを返してよ!!』


 時には少数を犠牲にし――


『何で、娘を殺したんだ!?娘は君を愛してたんだぞ!!』


 そして、変わってしまった仲間すら手にかけた。

 たとえ、どれだけ”やるしかなかった”事だとしても――


『ありがとう。私を止めてくれて……すまなかった。弟よ』


 それが、僕にとってどれだけ辛いことだとしても。


「……ポロ様、アポロ様!」

「っ!?」


 どうやら、少し昔に浸りすぎてしまったらしい。

 ルーメン様の僕を呼ぶ声で引き戻されると同時に違和感に気づく。


「敵襲です!」


 一瞬で頭の中が接待モードから、戦闘モードへ切り替わる。


 周囲に感じる魔力は人型。

 おそらく、王都に向かう大量の馬車を狙いとした盗賊って所だろう。


 一応、護衛はいるが助力は必要だ。


「了解。三人方はこちらで待機を」

「アポロ様。どうか、私も共に行かせてくださいませ」

「危険です」

「危険も承知です。ですが、私は貴方に守られてばかりの女ではございません。今は、学園で学び隣に立てるようになったと自負しています」


 冗談で言ってわけではなく、彼女の目、そして体と感じる魔力が示していた。

 ならば、ここまで言われて『いいえ』と首を振るわけにはいかない。


(昔、悪魔王に攫われて泣いていた子がこんな風に成長するなんて……僕も齢を取るわけだ)


 まだ、24歳なのにしみじみと時の流れの速さを感じ始めて来た。


「それでは、参りましょう」

「ええ、今度は私がアポロ様を守って見せますとも。ずっと、貴方といるために」

「は、はい?」


 よくわからないが、やる気がある事は間違いない。

 とにかく、ルーメン様と共に馬車を出た。


「状況は!」

「前方八、横に四ずつ、後方に八人です。囲まれてます!!」

「後ろの八人頼んだ!ルーメン様は前の四人を、私が残りの十二人倒します」

「はい!終わりましたら、加勢いたします」


 四人と頼まれて、舐められているとは多少思っているだろう。

 それをおくびにも出さず、任された場で自分の実力を示そうという姿勢は素晴らしい。


 これなら、安心して任せられそうだと――彼女をその場に置いて行き前の四人を任せた。




 ***




 その場から、アポロは去りて護衛も後方の八人を相手するため向かった。

 そして、残った彼女は側面に群がる四人の盗賊の前に立つ。


「可愛いじゃねえかっ!俺の女になるって言うんだったら見逃してやるぜ」

「おい待てよ。こいつじゃなくて俺の隣、空いてるぜ!」

「下衆め」


 浮かれる盗賊たち

 だが、それに対してルーメンは底冷えする声色で答えた。


「お誘い感謝いたします。ですが、私が立つ隣も誰の女になるのかも当の昔に決まっております」

「あ?生意気じゃねえか」

「俺は生意気な女も嫌いじゃないぜ!」


 まだ、盗賊たちは自分たちの状況が理解できていないようでゲラゲラと気持ち悪い笑みを浮かべている。

 だが、彼らがその笑みと減らない口を後悔するのにそう時間はかからなかった。


「『剣之創(つるぎのはじまり)()(いち)』」


 彼女の詠唱と共に手元に大乱のような魔力の渦が現れたと思えば、剣と成す。

 それを握れば、渦が晴れ――水色の刀身が彼女の鋭い目線を映していた。


「これこそ、私の魔法。錆になりなさい『水之聖剣(アクア・ドライブ)!!』」


 それを、振るったが最後――


「うわぁ!?」

「足元から、水の柱が!?」


 盗賊たちの足元から水の柱が立ち上り、その勢いで一人また一人と上空に撃ち上がっていく。

 そのまま、彼らは地面に突き刺さるまでのわずかな間で断末魔を上げて倒れて行った。


(よし、倒せた。早く、アポロ様の元へ……)

「お見事です。ルーメン様」


 とてつもない速度での撃破。

 だが、彼女は後ろから聞こえた声に目を丸くする。


「あ、アポロ様!!も、もう倒してしまったのですか!?」


 すぐさま彼女は自身の魔力探知の範囲を広げるともうすでに盗賊が全滅していることに気づいた。


「はい。護衛の方の助けもありましたが」

「いえいえ!私が、もたもたしている間に目にも止まらぬ速度で四人倒してしまったのです」

「で、ではアポロ様は私が四人倒している間に……十六人倒してしまったということですか!?」

「ええ、まあ。そう言うことになりますかね」


 アポロは軽く言うが、この魔力の跡から見るに詠唱に時間のかかる魔術は一切使っていない。

 すなわち、素手にて制圧して見せた。


(隻腕で?)


 ルーメンの倒した速度が決して遅いわけじゃない。

 だが、あまりにも差が広いというだけだ。


「……まだ、私が隣に立つのは早かったみたいですね」


 護衛と話すアポロを見て、ルーメンは艶めかしい声で愛しそうに呟いた。



『何で、娘を殺したんだ!?娘は君を愛してたんだぞ!!』 byアテナ父

彼女は生前その思いを伝えることはなかったが、代わりに父から伝えられることになったのだ。最悪の形で


『ありがとう。私を止めてくれて……すまなかった。弟よ』

誰ぇ!?アポロのお兄ちゃん?でも、アポロの出自って……

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