58話.vs青木 3
vs青木 決着です
青木の変化.............『勇者覚醒』、『神』の干渉
ちょっと混乱してきたな...........
青木の周囲を漂う数個の煌く星
鑑定なんてしなくても理解できる。圧倒的な魔力が凝縮されている..........
スッ.......とこちらに視線を向ける青木。
「いくよ」
さっきまでとは明らかに違う口調と魔力。
星の一斉掃射。魔力纏による防御と星破剣による攻撃で青木の星を打ち落とす
........つもりだったのだが、計算外の出来事がふたつ。
ひとつ。
青木の放った星が魔力纏 巨大を防御力を貫いてきたこと
ふたつ。
星破剣で破壊できない程、青木の星が強化されていたこと
「................まじか」
魔力纏が貫かれたのはまぁ、そんなもんと割り切れる........が、星破剣はそう簡単に納得できない
星破剣の能力は 『星を打ち破る』。ただそれだけの能力に特化したこの剣で破壊できないとなると..........ちょっとやばいな
魔力纏を貫いた星はついでに俺の腹部を深く貫いた
ちゃんとした怪我をするのはいつぶりだろうか............ジンジンと痛む腹に回復魔法をかけ、肉体を再生
それを黙ってみていた青木は.........
「ふーん、そんなもんか..........」
「黙って見ててくれてありがとな、腹をえぐってくれたお礼にぶち殺してやるよ」
「なんとも魅力的な返礼だねぇ~是非とも期待しているよ、ヨツバ君」
余裕な態度を崩さない青木
「けど、どうやってボクに勝つつもりだい?見たところキミの防御も攻撃もボクに手も足も出ていないようだったけど~?」
「...........」
「ありゃ?図星だったカナ?ごめんね?」
「...........まぁ概ね事実だ..........認めよう。お前は強い。多分、今の俺より」
「ふ~ん、それで?これからどうするのさ。今、キミ自身が認めたようにボクはキミよりも強いッ」
元々この世界での成長が早い『勇者』、その覚醒。それに追加で『神』からの干渉。まあ安く見積もっても役満って感じだろう
..........だがな
「舐めんじゃねぇよ」
「......は?」
「俺が認めたのは、あくまで今現在の力関係だけだ」
「それがなんだって言うんだ」
「見せてやるよ..........俺だけに許された、俺だけの特権をッ」
「フッ.......フフフ........何を言い出すかと思ったら、ほんとに何を言い出しているんだキミは」
突然の宣言を青木は鼻で笑う
だが、嘘でもハッタリでも無い。この頃忘れかけていた俺の本当の強み。己を超える力を持つ敵との遭遇が俺の成長を加速させる........
『魔術創造』を発動。
[どのような魔術を創造しますか?]
........久々に使った気がするなこれ。
「...............■■■■■■■■■。」
[条件で構築中.........]
[魔術 ■■■■■■■■■を習得]
「.........は?お前.....何を言って..............」
隠された魔術の名。俺の発した言葉すらも理解できなかった青木は、単純な疑問をその口からもらす。
それは時間にして1秒と少し。その一瞬の間が致命的な隙となる。
「遅ぇよ」
....................................ガチャッ.....................................
意識の合間を縫って青木に接近
無防備なその体に見舞ったのは強烈な拳ではなく、胸部への羽虫も殺せぬほどの接触。
『魔術発動 万物を解き放つ鍵』
突如として響くなにかの開錠音。
およそ攻撃とは思えず、害を与える気など毛頭ないかのようなありふれた生活音
「ぐッ............ガ............ウッ.......ガァァァァアアア!!!!」
突然苦しみだした青木。胸をおさえながら膝をつき、倒れこみ。のた打ち回る。
「な.................なにを....した..........」
「あるべきものをあるべき場所に戻しただけだ」
「あるべき...............場所..............」
「そうだ。おまえが誰かは知らねぇが、青木じゃ無いみたいだからな。分離させちまえば終いだろ」
「クソッ...............クソ............クソォ!!!」
悲痛な叫びと共に青木から発せられていた異質な魔力がどこかに消えてゆく。
黒いモヤのような魔力が霧散し、そこに残ったのは搾りカスのような青木だけ
「................ハッ!.........ゴホッ................ゴホ.........ゴホ.............」
「苦しそうだな」
「..........カッ.......ゴホ........ゴホ........」
「まあそんな事どうでもいいか」
この場には無防備なまま横たわる青木と、それを見下ろす俺だけ
この状況でたどり着く結末は一つである。
足に魔力を集め、強化。
「決着だ。青木」
「................」
戦闘による負傷、魔力の大幅な消耗。ボロボロになり、もはや地面を這う事しか叶わない青木。
勝機を1ミリも感じられないこの状況、だが青木の眼はまだ死んでいない.........
「死ってのは受け入れ難いのもだよな、だがな、現実ってのは残酷なもんだな........」
楽しさ...........は感じられなかったが、これからの俺の力になるであろう実りのある時間だったと思う
「.............じゃあな」
いい感じに話を落とせたと思っています。
章の結末は次回でまとめようと思っています
楽しんでいってください!!




