43話.あの魔術は?
いつぞやの話の掘り起こしがあります。忘れている方は過去回を読み返してみてください!
やっぱグループのトップは元気キャラですよね、根暗じゃトップは務まらん
「ふぅ...」
元クラスメイトら3名が姿を消した。転移魔法を使った様子はなかったので、まあ誰かのユニークスキルなのだろう、詳細はわからないが青木 流星のスキルだろう。
「ヨツバ!やつらは......」
「一応追い払ったよ」
「そうか......感謝する」
倒れていたエルフの手当が終わったのかフィーアが声をかけてきた
「仲間たちは?」
「全員一命を取り留めた、貴殿のおかげだ。本当に感謝する」
そう言い、フィーアは頭を下げる、呼び名が貴様から貴殿になったな、少しは認めてくれたのかな?
「まあ契約で一時的にとはいえ仲間になったからな、仲間を助けるのは当たり前だろ?あと、貴殿ってのはやめてくれ、ヨツバでいい」
「ほんとにありがとう」
「それで?さっきの人間は一体誰なんだ?お前の知り合いなのか?」
フィーアがもう一度頭を下げたところで今度はイアンが俺に声をかけてきた
「とりあえずお前らの国にでも案内してくれない?落ち着いたところで説明するから」
「あぁ、ひとまず安全なところに移動しよう」
騒ぎも一旦落ち着いたところで俺たちは安全な場所、つまりエルフの国に行くことになった。
俺たちは警備隊の待機所に一旦集まり情報を整理することになった。THE小屋って感じの小屋の中で、机を囲み、フィーアたち警備隊、同級生たちの対応をしていた警備隊、そして俺。合計11人が集まっているので少し手狭だ。まあ気にしないでいこう
「それで?さっきのやつらは誰なんだ?なんの目的であの森に侵入したんだ?それに相当な手練れだった。あの森の警備を任される警備隊には隊によって多少の実力差はあっても簡単にやられる者などいないぞ?」
「あぁ、じゃあその簡単にやられない人達を軽くあしらえるくらいに強いやつらだったんだろうな」
イアンの問いかけに俺はそう返す
「はっきり言ってくれ、ヨツバ、やつらは誰なんだ」
俺はふぅと一息つき、俺と襲撃者たちとの関係について話し出す。
俺は自分が帝国に召喚された勇者だという事、訳あって追放され、今は勝手に自由の身だという事、クラスメイトは俺はもう死んでいるものと思っていることを告げた。
「そうか.....帝国の国の召喚勇者。噂程度には聞いていたがまさか本当に禁術に手を出していたとは...」
「....ん?禁術?ちょっと待てイアン、今禁術って言ったか?」
禁忌の魔術、禁術。『初代魔王』から継承した記憶の中にあった、帝国が未来で発動するとされる魔術。マーキングした勇者の魂を犠牲にする魔術であり、『初代魔王』はこれによって魂を大幅に削られ、力が大きく減少したと伝えられた。
そんな凶悪な魔術だが、最上級の国家機密扱いになっており、その存在を知っているのは国王と王女くらいらしい
そんな禁術のことを知っている。その事実に俺は驚愕していた、だがイアンは何のことないといった表情で俺の質問に答える。
「あぁ、帝国の禁術だろ?『勇者召喚』以外の禁術は詳しくは知らないが『勇者召喚』が有名だな、まあ人間族にはあまり広まっていないみたいだな」
あぁ....そうか、情報とは時間によってその秘匿性は軽くなっていくもの。人間の寿命の間では、完全に秘匿できるような情報でも、長寿のエルフ族の間では噂として回ってくることもあるのだろう。
「まあ人間の寿命はそんなに長くないからな」
「そういえば、人間が禁術の話をしているところを見たことはなかったな.....そうか、そういえば人間は短命だったな」
「帝国は頻繁に『勇者召喚』を行っているのか?」
「いや?今回の『勇者召喚』のその前は300年ほど前だったかな?」
300年か、まあ頻繁に行われている訳ないか
「帝国は300年の間に別の禁術を使ったっていう話は聞いたことあるのか?」
「噂程度には聞いたとこはあるが実際のところ『勇者召喚』以外の禁術は真偽が定かではないものばかりだ、だから帝国の禁術は『勇者召喚』のみって考えるのが普通だな」
未来で発動されるとされる禁術の情報はなしか、まあ『初代魔王』の記憶でも発動された魔術の詳細は分からないままだったし、情報がないと考えるのがいいだろう
「それで?いつまでこの待機所で話をするつもりなんだ?」
襲撃者の話、俺の話、禁術の話と、色々長々と話しをしたが、いい加減この手狭な待機所も居心地が悪くなってきた。狭すぎる。どっかに移動したいと、フィーアに移動を持ち掛ける。
「そうだな、そろそろ国に戻ろう。奴らにも話が通っている頃だろう」
「奴ら?」
敵のことではなさそうだが、かといって仲がいい者に使うような表現でもない。いったい誰のことなのだろうか
「まぁ、行けばわかるさ」
さらっとイアンがフォローを入れる。そのフォローが恐怖を少し加速させる。何?今から俺誰に会うん?
待機所を出て、森を少し歩くとすぐに城壁が見えた、帝国や王国で見たものと比較しても引けを取らないレベルの立派な城壁だった、よく見ると城門もあり、そこには兵士が数人見受けられる。遠目から見ても強いことがわかる、エルフは優秀な人材が多いなぁ
フィーアを先頭に警備隊、俺、別の警備隊といったように一見俺を囲う形で城門まで向かう俺たち、門番と思わしき兵士にフィーアが話しかける。
「今帰った。伝えたと思うが彼が例の人間だ」
そういいフィーアは俺に手を向ける。兵士が俺に視線を向け、目踏みするかのように俺を見る。
俺は一応挨拶をする。
「どうも、四葉って言います。色々あってエルフの味方をすることになりました。よろしく」
詳しい事情を全部説明するほど時間があるようには見えないので簡単な自己紹介をする
「エルフの国、北の門、門番。コーラスだ。同族を助けてくれたらしいな、オレからも感謝する。ありがとう、よろしくな」
軽く握手を交わしたのち、俺らは城門を抜けた。
そこには帝国や王国と何ら変わらぬ風景が広がっていた。警備隊の装備を見た時からなんとなくともっていたことだがこの世界のエルフは人間とほどんど同じ生活レベルで生活をしているみたいだな
俺の中のエルフのイメージが若干壊れかけたところで俺たちに声をかけるエルフが一人。
「この神聖なエルフの国にニンゲンなんて下等な生物を招き入れたのは何処のどいつだぁ!?」
ぱっと見、俺と同じくらいの年齢の男が声をこちらに向けて放っていたのだった。その男の隣にはぱっと見、中年くらいの男がこちらをニヤニヤしながら見てきていた。その他にも取り巻きが数人、こちら、というか俺に向けて嫌悪のような視線を向けてきていたのだった
あぁ、これか。人間嫌いのエルフ。奴らってこいつらか、まあこの調子だと人間嫌いのエルフはこいつらだけじゃなさそうだけどな
「許可はちゃんと取っているぞ、ヴィヴィオ」
フィーアが呆れたように返す
「許可があったかどうかじゃない、汚らしく下等なニンゲンをこの国に入れることをワタシは問題視しているのだよ、フィーア君」
「貴様は変わらんな、もっと外の世界のことを知ったらどうだ?エルフ至上主義なんぞ今更流行らんぞ?」
「下等なニンゲンなんぞとつるむとは落ちたものだな、フィーア君」
「おい、ヴィヴィオ、敬語を使え。お前は第三階級だ。たとえ隊長と同期だったとしてもその言葉遣いはこれ以上は許さんぞ?」
イアンがヴィヴィオと呼ばれた男に注意を飛ばす
「チッ....行くぞ」
悪態を付きながらヴィヴィオと呼ばれた男は取り巻きを連れどこかに行ってしまった。
「今のが?」
「あぁ、特に人間を嫌っているエルフだ。あそこまで嫌っているエルフは珍しいがな」
「ふーん、第三階級ってのは?」
「強さの階級さ、全部で十階級で上に行けば行くほどこの国では英雄とされる。まあ人間族の間で言うと冒険者ランクといったようなものだな」
なんとなく思っていたがイアンは人間界のことに詳しいな、興味でもあるのかな?
「ふーん、あいつが第三ってことはフィーアは?第二とかだったりするのか?」
「そうだな、第二階級だ。森の警備隊長を任せることができるのは第二階級に到達した人しかできないんだ」
フィーアって案外優秀な人材なんだな
「ほかの取り巻きたちは?全員第三とか第四なのか?」
「あぁ、ほとんどはな。一人だけ隊長と同じ第二階級の奴がいた、ヴィヴィオの隣にいたやつだ。性格に難があるやつでな、隊を組ませることができないやつで扱いに困っているやつなんだ、実力は確かなんだけどな」
「いろんな奴がいるんだな」
「組織とはそういうものさ、だが、あんな奴らばかりって訳でもないさ、しかもな...俺らには頼れる総隊長がいるからな」
「おっ、お前が噂の人間か!てっきりもっとゴツイやつかと思ってたぜ!」
突如背後から声がかかる。
パッと振り返るとそこには俺を優に超えるでかい男が立っていた。
「オレはティスミス。第一階級序列一位のティスミス・ニュートロン。よろしくな!ヨツバ!」
いきなりの自己紹介に俺の感想はたった一つだった。
声がでけぇ。
間隔開いちゃってすみません。これからも頑張って投稿していきます!




