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異世界転移で追放されたけど自由に生きたい  作者: なぎちゃ
四章.エルフの国の災難
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44/59

44話.side story とある勇者たちの動向

別の勇者のお話です。お楽しみください!

帝国 サン・ライズの王城、来賓の間、とある一室。


誰もいなかったはずの部屋に突如として3人の男が現れた。

「はぁ......はぁ.........はぁ.....なんだあの魔法.....反則だろ....」


息を切らしながら愚痴をこぼすのは青木 流星。帝国に召喚された勇者の一人である。

彼はこの世界に召喚され、勇者としての活動をクラスメイトと行っていたのだが、つい先日、クラスメイトらが喧嘩、もとい学級崩壊が起きたのである。


学級崩壊を起こした際に勇者パーティーを離れ、国を出たいと申し出て実際に国を出た者が複数人いたのだが、未知の土地どころか未知の世界を現地人のサポートもなしに暮らしていける自信が彼にはなかったので国に残る選択をしたのであった。


だが、学級崩壊が起きた現在のクラスメイト達を一緒に行動をしていると面倒ごとに巻き込まれるかもしれないと考えた彼は、彼の友人である林 哲弘(てつひろ)と渡辺 治樹(はるき)と共に国を一時的に出る選択をしたのである。


ただ、帝国の象徴である勇者がなんの用事もなしに国を離れる訳にもいかないので名目上、王から魔王軍との全面戦争のために戦力を強化するために他種族の協力を取り次ぐための外交的出国ということにしてもらった、これは彼の友人、渡辺 治樹がエルフの奴隷が欲しいと言い出したために言い方をそれっぽっくしただけである。


とはいえ、帝国としてもエルフの奴隷は戦力としてもありがたい、エルフはただでさえ人前に姿を現さないうえに人間よりも魔法の扱いに長ける種族、協力を取り次ぐのも、奴隷として捕らえるのも帝国の戦力だけでは厳しいところがあったのだった。そんなときに勇者自らエルフを捕らえると言ってくれたのだ。これ以上の幸運はないと帝国の王は出国を許可したのだった。


国を出て、エルフが生息しているとされる森まで無事に到着した勇者一同は最初こそ順調にエルフを圧倒していたのだが、一つの誤算が生じる。

追放され、もうすでに死亡したと思われていた同級生との再会である。


再会だけでは計画に何の支障もなかったであろう、仮に問題があったとしてもこの世界に召喚された際にステータスが低いことが原因で追放された者が何をしてこようが一瞬で制圧できると考えてきたのだ。


だが、結果は惨敗。無様に敗走することになってしまった。ましてや今回のエルフの国に勇者が訪れた名目は同盟のため、それを失敗しなんの成果もあげられないまま帰国したとなればそれは帝国のメンツを潰すことになってしまう。


そしてなにより、青木自身がこの結果を許すことができずにいた。この世界に勇者として召喚され、無双をしてきたなかで彼の中には謎の自信ができていた、その自信がそっくりそのままプライドとなり、四葉の負けたことによりそのプライドをへし折られたのであった。


「なんで逃げたんだよ!流星!あのまま四葉をぶっ殺せばいいだけだろうが」

突然青木に向かって怒号が飛ぶ、渡辺 治樹である。彼は四葉との戦いには参加せずに他のエルフとの戦闘をしていたのだが、青木の発動した魔法『(コンジャンクション)』により、帝国に帰ってきてしまったのだった。それに対して渡辺は怒っていたのだった。


それに対し青木は

「黙れよ」

「あ?」

「お前は見てないから知らないだろうけどな、あの意味わかんない魔法受けてみろ」

「なんだよ、意味わかんない魔法って」

「あれは冷静に考えても意味わかんない魔法だったな」

青木と共に四葉と戦っていた林が横から会話に入ってくる。

「テツ、お前まで....」

林のあだ名である、哲弘(てつひろ)でテツ。いつも冷静沈着なイメージで知的な印象だった彼もが『意味が分からない』と言ったことに渡辺も驚いていた。


「まーお前らがそんなに言うってことは相当やべーやつだったんだな、納得納得。ごめんな、リュウ」

「僕も熱くなりすぎてたよ、すまない。治樹」

「にしてもなんなんだろうなぁその意味わかんない魔法っての、俺でもやばそう?」

「まあお前のスキルを考えると相性はいいかもな、再会したときは渡辺を当ててみるのも考えた方が良いかもな」

「んで?どーするよ、リュウ。もう一回エルフの国いくか?それとも新城とかに話して強力してもらう?」

「国にはエルフ族に敵対の意思ありと言えば兵を貸してくれるかもしれないぞ?」


渡辺と林それぞれから意見が挙がる。それに対し青木の返答は

「どっちも却下だ」


「...は?」

「何故だ?」

「こんな醜態、新城や国に言えるはずがないだろう。恥さらしもいいとこだ」


気にしなくてもいいのになんて言える空気ではなかった。

基本的に勇者は負けることは許されない、帝国の象徴である以上、勇者の敗北は帝国の敗北と同義である。もちろんそこらの冒険者や魔獣なんぞに負けるほど勇者は甘くない、だからこそ慢心と言う名の油断が生じる。

それをカバーするために勇者はまとまって行動するのである。それ以外もにバラバラに行動すると見栄えが悪いなんて理由がある


ので国はクラスが別れるのを拒みたかったのだ、国が嫌がるのを半ば無視して別行動をし、それが失敗したと判明すれば青木達グループは新城達グループとの行動を強制されるだろう。

それが青木は許せなかったのだ。


「じゃーどーすんよの、国にも頼れない、新城とかも頼れない、俺ら3人だけでもう一回行っても同じ結果にならね?」

「じゃあ俺のスキルの出番だな、隠蔽と偽装のスキルを使えば今度は侵入はできるだろう、四葉 慎太郎との接敵を避ければあとは俺たちよりも戦闘能力の低いエルフしかいないだろう」


林 哲弘のユニークスキルは『暗殺』、つまるところ暗殺者である。隠密、変装。暗殺と聞いて想像できることは大体できるのである。


「そうだね、哲弘のスキルを使おう、あの森に()は残してある。好きなタイミングで戻れるからまずは準備から入ろうか」

「そうと決まれば早速取りかかろう.........あっ、四葉のことはどうする?他のやつらに伝える?」

「必要ないね、あわよくば殺したいが今回の目的はエルフを捕まえることだ。一匹でも連れ帰ることができれば今回のミッションは成功と考えよう」

「そうだな、エルフを一匹でも捕らえ、人質にすればエルフの国との交渉材料に使えるからな」

「そうか~、けど何匹が欲しいよな、エルフの奴隷」

「お前の趣味に興味はない」

「ちぇ、相変わらず冷てぇやつ」

「いつも通りだろう」

「それもそうだな」


いつも通りの会話を繰り広げ、自然と笑みがこぼれる3人、これから彼らに待ち受ける結末は希望が絶望か.........その結末を3人が知ることになるのは近い未来の話。

次回は5/5に更新予定です。

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