第?話
「ヒハッハッハッハッ…」
寝転びながらルドルフは笑った、まるで悪魔のように。
「ルドルフさん!」
しばらくしてリオとアンジェラも追いついたが、ルドルフは起き上がろうとしない。
「薄々ね…気づいていたんですよ、ラウの木が神の木じゃないかもしれないことを。でも信じたくなかった…認めたくなかった…毎日考えないようにしてたんだ…」
「何故、普通に弔うことができなかったんですか…」
リオは走り疲れて手を膝にあて、ルドルフを責めた。
「何故でしょうね?…縋りたかったのかもしれません…たとえ、それが神話でもね」
ルドルフは話を続ける。
「私からシーラを奪った神を恨みましたよ…たとえ人間でも私はシーラを愛していたんだ。彼女がいれば何もいらないと思ったくらいだ…」
ゆっくりと体を起こすルドルフに二人は近付いた。
「でも…やはり彼女は人間。必ず私より先に老いて亡くなるのです…私は老いたシーラを見たくなかった。その時たまたま見つけたんですよ…あの本をね」
「まさか、あなたはシーラさんを殺したのですか…!」
「いいえ…病死ですよ、紛れもなくね。おかげで私は老いたシーラを見ずに済みましたよ」
ルドルフの目から涙が溢れ出した。二人はそれをただ見ていることしかできなかった。
「しかし!あまりにも早すぎた…シーラを愛して1年。エルフにとっては、ほんの1年なんですよ…私達はまだ愛していくんです!生き続けるんだ!」
「あなたは間違ってる!シーラさんは幸せだったハズです…その一年間を、なによりも!」
「あんたに何がわかる!!」
ルドルフは服のポケットからナイフを取り出し、リオに向けて走り出した。
「「バァァン!」」
…と森中に銃声が鳴り響いた。アンジェラの唯一の持ち物である『リチャード』がルドルフの心臓に向けられていた。
「…っ!」
ルドルフの膝が地面に付き、そして倒れた。
「あなたは、戻れない」
アンジェラは小さく呟いた。




