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狼たちの聖域 〜最凶ヤンキー校に舞い降りた天使〜  作者: あやん


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バースデーと、三人の本気

1. 嵐の前の「静寂(朝)」

「……ゆう。おはよう。……生まれてきてくれて、心から感謝する」

登校の車内、獅子堂はいつになく厳かな声で言い、ゆうの手に小さな、だがとんでもなく高価そうな箱を握らせた。


「えっ、あ、ありがとう……。開けてもいい?」

中には、ゆうの瞳と同じ色の、繊細な石がついたブレスレット。

「……お守りだ。これを着けている間、俺の加護が常にお前にあると思え」


獅子堂の愛が重すぎて、朝からゆうくんの心拍数は上がりっぱなしだ。


2. 校門から始まる「おめでとう」の嵐

学校に着くと、景色が一変していた。

「……ええっ!? なにこれ……っ」


校門には『祝・ゆう様 生誕』の巨大な垂れ幕。さらに廊下には、ヤンキーたちが徹夜で折ったと思われる、お世辞にも綺麗とは言えないが心のこもった折り鶴のカーテンが。


「ゆう様! お誕生日おめでとうございますっ!」

「これ、俺たちのクラスで集めた……その、可愛い猫の詰め合わせ(ぬいぐるみ)っす!」

「一生ついていくっす!」


次々に差し出される貢ぎ物の山を、阿久津が「ハイハイ、一列に並べ! ゆう君が困ってんだろ!」とさばき、羽柴が「あ、そのお菓子は賞味期限が短いから僕が預かるね」とテキパキと仕分けしていく。


3. 阿久津と羽柴の「粋なお返し」

昼休み。獅子堂が「特製・三段重ねバースデー弁当」をゆうに食べさせている横で、側近二人が動いた。


「ゆう君、俺らからもプレゼントだ。……はいよ」

阿久津が渡したのは、学校の購買では絶対に売っていない、超人気店の限定タルト。

「これ、阿久津さんが並んでくれたの……?」

「……おう。まぁ、たまたま通りかかっただけだ(※始発から並んだ)」


「僕からはこれ。……はい、お揃いの特製パスケース」

羽柴が渡したのは、四人の名前の頭文字がさりげなく刻印された、特注のレザーケース。

「これで、いつでも僕たちが君を守ってるって思い出してね」


ゆうは感極まって、「……みんな、大好きぃ……っ」と泣き笑いの表情を見せた。その瞬間、校舎が揺れるほどの「うぉぉぉぉん!」というヤンキーたちの感涙する声が響き渡った。


4. クライマックス:獅子堂の「王者のプレゼント」

放課後。獅子堂はゆうを連れて、誰もいない夕焼けの屋上へ。

そこには、獅子堂が家元の総力を挙げて手配した、巨大なバースデーケーキが鎮座していた。


「ゆう。……俺は、お前がこの学校に来てくれた奇跡を、一生かけて守り抜くと誓う」

獅子堂は、ゆうの前に跪き、その小さな手を自分の両手で包み込んだ。


「来年も、再来年も。……お前の隣で、俺が一番に『おめでとう』を言う。……いいな?」

「……うんっ。獅子堂くん、ありがとう……。僕、世界で一番幸せだよ……!」


ゆうが獅子堂の胸に飛び込むと、獅子堂は壊れ物を抱くように、だが離すまいと強く抱きしめた。

影から見守っていた阿久津と羽柴も、「……ったく、最後は全部持ってくな、あの頭は」「ふふ、でも、ゆう君が幸せなら、それが僕たちのプレゼントだね」と、満足げに笑い合うのだった。



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