問題の話はここからだ・・・多分
彼女の気持ち悪さもとい症状を分かっていただけたところで話は戻る。進む可能性もゼロでは無いが戻ると表記しておく。
自分の部屋にこもったまま同人誌を読み漁っていた時間も終わり一息つこうとコーヒーを入れにリビングに降りる。我が家は両親共働きかつ帰りが遅いことが多い家庭なので大体は一人の時間が多い。夕食は親がまとめて大量に作ったストックを食べるか、拙い手さばきで自分で作って食べるかがほとんどだ。コンビニで買って食べるという選択肢もあるが少ないお小遣いを夕食に使うと趣味に使えなくなるため余計な出費は抑えている。趣味の出費が余計というのは野暮なことだ。キッチンの扉を開けインスタントコーヒーの粉を取り出す。お湯を沸かすことを忘れていたことに気づき電気ポットに水を入れ電源をつける。コーヒーは好きだが特に拘りはない。インスタントで十分な味覚で良かった。もしこれがスペシャルなコーヒーしか受け付けないような舌を持つ人間だったら非常にズボラな私には苦痛と化すだろう。そういった意味では両親に感謝だ。感謝するところが間違っている気がしているが気にしない。一杯分の水はあっという間に湧く。それをマグカップの中に注ぎこれまためんどくさがりのわたしは牛乳と砂糖を入れるとマグカップの取っ手を持ってぐるぐると零れないように気をつけながらかき混ぜる。そうスプーンを使えばよいのだ。しかし出すのも洗うのも面倒なので普段からこうしている。最初のうちはこぼしてスプーンを使った方がマシだったのだが人間やれば慣れるもので今ではほぼ零すことは無くなった。ほぼ・・・。
淹れたコーヒーを持って部屋に戻るさて何をしようかと考える。特に考えるでも無くPCを立ち上げる。ネットの世界では自分と同じ趣味を持つ人間を見つける事ができる上に全く現実の世界と関係が無いから気兼ねなく好きな話ができる。勿論、余計なことは言わない。あくまで趣味の範囲だ。そういった意味では自制心の効いた真面目なオタクだと自負している。というよりも画面を眺めていると嫌でもそういった話が入ってくる。私の好きなサイトや漫画家もいっとき少しの勘違いやちょっとしたつぶやきで大炎上を巻き起こしていた。それを見てきているので過激派が潜んでいそうなネット空間ではひっそりと一人楽しみ、安全圏では自分を晒す。現実世界だってそうだ。そう考えるとどれだけネットの世界が広がっても現実の後追いなのだなとも思ってしまう。
いかんいかん、こんな真面目に考えていたら頭がおかしくなってしまう。さて今日はお気に入りの漫画が更新される日だ。そろそろ公開している頃だろう。この漫画、一部にしか公開されておらずメンバーし読むことが出来ないと言うクローズな漫画なのである。理由としてはニッチなジャンルであることと作者が極度にネットをビビり散らかしている。でも漫画を読んで欲しいという結果。多分大丈夫だろう?という人だけが見ることが出来るのだが何故か私がそこに含まれており理由は分からない。確かにこの人が漫画を描き始める前にイラストを数点、載せていたのだがそれが好きでこちらから勝手に絡んでいった。といってもこちらもビビりなのでやんわりとフォローしアップされるイラストを隅から楽しんでいたという程度だったのでクローズの場所に案内されたのはちょっと驚きだった。思わず「間違って送ってませんか?」と勇気を出して確認してしまったぐらいなのだがどうやらそうでは無いようでありがたくおこぼれに預かって今に至っている。
「おーこれは!こう来ましたかー!」コーヒーを淹れたことを忘れ漫画に読み耽る。誰も家にはいないので声を出しながら読んでいても何ら問題ない。一時期、夜中に声を出しながら読んでいたら親に心配されたが至って正常である。いや、漫画でも絵でもアニメでも思わず声に出しながら鑑賞なんて当たり前でしょう。と言ってやりたい。英単語を声を出して覚えろと英語の教師も言っていた!それと同じだ。脳内に刷り込む為の儀式なのだ。
そんなことをしているといい時間になってきた。お腹も空いたしなにか食べるか。冷めたコーヒーを一気飲みした後、部屋を出る。つけっぱなしのPCには何やら通知が来たのか光っていることに気が付かないままリビングに降りるのだった。