嵐と注目は不安とともに
ほっと一息付きながら、自分の座席に付く、対していつもと変わらない朝のはずなのにいつもより、疲労感がすでにマックスだ。
「ねぇ、先輩とデートしたってほんとう?」
いきなり横から声をかけられる。
いつもなら、私に声を掛けることがない1軍女子と呼ばれる女子生徒だ。
「いや、勘違いじゃないかな。最近からかわれることが多くて・・・」
目をつけられるとちょっと厄介だなと思い目をそらす。
「えー、そんなふうに見えなかったけどなぁ」
明らかに疑い・・・というよりもどう考えても、やり取りをみていたなら、誰もが彼女のように考えるだろう。
私だってそう考えてしまう。
ただ、先輩は学校でも人気者だ。それもかなりの上位で、下級生にも人気があることから、話をしたというだけで嫉妬されることもあるらしい。
私には全く分からない世界だが、どうやらその世界に今、足を突っ込み始め、もとい突っ込んでいるらしい。
ただ少し違うのは私から突っ込んだ訳ではなく、引きずり込まれているという点で大きな違いがあるのだが、そんなことは周りから見れば些細なことだ。
「誰にでも優しい人だから、今回たまたまだと思うよ」
できる限りの当たり障りのない言葉で誤魔化して、私はこの場をやり過ごそうとしていた。
にも関わらず、嵐はやってくる。
人間、自然災害にはどうあがいても勝てないのだ。
「しおりーん」
最近・・・というかさっき聞いた声が教室い響く。
「教室まで来ちゃった」
かわいい・・・だが今はまずい。
とりあえず、聞こえないふり・・・はできなかった。
先輩は一直線に私の元へやってきて、耳元でささやく
「今度はどこにデートに行こうか?」
前の席の子に明らかに聞こえている。
というよりも、聞こえるように言っている。
恐ろしい人だ。
「いやー・・・その・・・」
「じゃあね」
それだけを言って、嵐は去っていった。
残ったのは私という倒壊した家屋だけだった。




