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負けイベント

「さて本当にピザでよかった?友達なんだからどこに行こう?カフェ?買い物?カラオケ?どこでも良いよ」

「き・・・決めてもらえると助かります」

絞り出す様な声でお願いする。レンタルするのだからその要求もありなはずだ。多分だけど。

すると彼女は腕を組み考える仕草をする。多分、彼女の中ではぼんやりとプランは決まっているのだが敢えてそんなポーズを取るあたりあざとい。あずにゃんあざとい。

「確かにこっちで決めても良いけどもし後輩ちゃんと遊ぶってなったらしおりんが先輩としてリードしないといけないよ。その時うまく出来る?練習するのもありじゃない?」

「そう言われても・・・経験ないですので参考にしたくてレンタル友達をお願いしたので・・・」

「そうなんだ。じゃあとりあえず時間はたっぷりある訳だからあっちこっちまわろう!どれがあなたが楽しいのか私も分からないしね。それにやっとあなたとちゃんと話が出来るんだから今日は帰さないよ〜」

ニコニコ顔でこちらを見てくるあずにゃん先輩は可愛いのだが見つめていると恥ずかしくなって目を逸らしたくなる。遠くから見ている方がまだ良かった。

「お手柔らかにお願いします」

「硬いよ。しおりん。友達なんだから楽しもう?」

そうは言われてもただでさえ勇気を出して申し込んだレンタル友達に同じ学校の先輩、しかも私と面識のある人が出て来ただけでも頭がいっぱいなのに楽しむなんてことが出来るのだろうか。不安しか感じられない私を見ていきなり顔を掴まれ見つめられる。

思わず、目を逸らす。

「目を逸らさない!」

私とそれほど体格も変わらず細い腕をしているのに顔を動かすことができないほどガッチリと固定される。

「そう言われましても・・・」

焦点が合っていない私に顔を掴んだまま彼女は話を続ける。

「せっかくの休みに友達と遊ぶんだよ。それにあなたが行動したから私は今日、あなたと遊べる。学校じゃあんなにすれ違い・・・?逃げられてたのかもだけどそれは置いておくとして、すれ違ってた二人がこんな形で会うなんて運命って思わない?」

「できればもうちょっとおしゃれな運命が良かったです・・・」

「なかなか良い返しだね。それなら今日一日振り回しても大丈夫そうだ」

ニコリと笑いながら私の手をとる。

「行くよ!」

散歩中の犬の様に飼い主にリードで引っ張られているみたいだ。素直に従おう。今日だけだ。そう思いながらその手を握り返し横に並ぶ。

「おっ!良いねぇ!友達感?出て来たというよりこれじゃ恋人みたいだね」

にっこり笑いながらスムーズにその言葉を話すあずにゃん先輩にドキッとしてしまう。

「じゃーデートを楽しみますか!」

友達と遊びに来たんですけど・・・デートになっちゃった・・・まぁ可愛い先輩とのデートなら良いか。私はそれから考えるのを止めた。


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