服を買いに行く服がない
ひとまず夏美ちゃんには再来週まで予定があるからその日にしてもらう様に頼んだ。彼女はそれに関して特に疑うこともなく了承してくれた。
「いやーいい子でよかった。しかも可愛い」
まずは第一段階クリアだ。これで時間稼ぎはできた。あとはあずにゃんがどれほどのスキルを持っているのかと私がどれだけその能力を吸収できるかに今後の学校生活が掛かっている。
そう思うだけで緊張と恐怖がどっと来た。いや、普通はそんな人いないんだろうけど・・・それでも私にとっては人生でもベストスリーに入る大事件だ。大事件が多すぎてランキングが崩壊しているレベルだ。
今週の日曜日か・・・まだ今日は火曜日だ。日曜までは時間がある。その時間を有効活用してこその陽キャなのだ。と誰かが言っていた様な気もするししない気もする。
帰宅するとまず部屋のパソコンの電源を入れる。スマホで検索もしたのだが自分にはこちらで調べる方が性に合っている。どうも最近、老眼が・・・という訳ではなく昔から触っていたからなのかスマホよりパソコンの方が便利に思えている。大抵のことはスマホで事足りるのだが何故かパソコンには絶大な信頼を抱いてしまうのは何故だろうか。開いているサイトは同じなのに。
それはさておき、まずは服装からだ。レンタルをしてから気がついたのだが外に出る服がない。
いや、正確にはあるのだがどれもスエットやグレーなどの地味な近所のコンビニならセーフという服しかない。これは服を買うぐらいなら趣味に注ぎ込め!という私の考えが起こした結果なので甘んじて受け止めるとして流石に相手にも失礼なのでは?と思ってしまった。お金を払うのはこちらなのだから堂々としていればいいのだが再来週には本番がやってくるのでそれを考えるとやはり服は必要だ。
だが服を買いに行く服がない私はひとまずネットで安くてそれなりのものがないか調べた。調べ尽くした結果。世の中の陽キャがお金持ちということがよく分かった。
「何故この布切れにゼロがこんなにもつくのだ・・・」
理解不能だ。だが私には強い味方がついている。安いファストファッション店のサイトを除く、しかしどれもモデルにイケメンや外国人を使うのを辞めてほしい。私がこれを着た時のことを何故考えないのかと小一時間説教したくなる。
とりあえずその中から自分でも着れそうかつセール品を上下購入する。試着してないけど、多分大丈夫だろう。謎の外国人モデルがこの組み合わせを着ていた。つまり正解なのだ。もしこれで私が笑われるとしたら責任はショップ側にあると言っても過言ではない。きっちり責任をとってモデルを全て私の様な喪女を採用すべきだ。そうすれば世の中は少し平和になるだろう。ショップの売上は激減するだろうが知ったことか。
悪態をつきながらも注文ボタンを押す。到着日は金曜日、さて頼むから遅延は辞めてくれよ。そうなったら今、着ている上下グレーのスエットで戦いに行くことになってしまう。
一応、私もこの格好の限界値は理解しているつもりなので信じてはいないが神に祈っておいた。




