-12- [第二章] 帝国 ルンヴィーク
お待たせしました、12話どうぞ
レンと別れた後、ユーは研究所を後にした。それに対しディムは研究所に残ってもいいと言ったが、これ以上お世話になりっぱなしなのは申し訳ないとユーは丁寧に断った。
事前にレンにお金を貰っており、そのお金でランクが上がって収入が安定するまで安宿で済ませるつもりだ。
前もって装備だけはいいものを付けているのでこれ以上甘えてはいけないとユーは心に誓った。
◇現状のユーの情報◇
ユー・スィール 18歳 女
種族:混合獣
冒険者ランク:G
武器:カタナ
防具:ハーフアーマー
左手:冒険者用指輪
右手:異次元収納
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
-カタナ入手の経緯-
誘拐事件から半年経ったある日、稽古の一環として街の外での実戦訓練をするとオグルが提案したのが始まりだった。
無尽蔵の体力で自主連と稽古の鬼と化したユーに、オグルはそろそろ型の稽古だけでは駄目だと思い予定を変更して実戦を交えることにした。実戦と言っても戦うのは街の外にいる弱い魔獣や野生の獣に限定した。
街から出て4時間、数匹の獣を倒し昼食を取った後、訓練の一環として魔力探査を練習していた。
魔力探査とは?:
魔力を振動に変えて放出することで魔力に触れた物を調べることができる技。
空中、地表、地下と魔力を放出する方向は3方向有り、この技を得意とする者の中には魔力の振動を球体に固定して広げることで3方向同時に探査する者も存在した。
ユーは地表方向の探査は得意だが、地下方向へは精度が落ち、空中に至っては綺麗に広げることが出来ず無駄に魔力を拡散して探査出来ない程度だった。
このスキルは誘拐事件後、奇襲などを防ぐ為にとヴァーナに力説され教え込まれた。その分詠唱の習得が遅れたのは言うまでもない。
ユーにはまだ多方向同時探査は出来ない為、1方向ずつ練習している。地表の探査が終了し、周りに獣が居ないことを感じた。次に地下方向へ探査をした時、何か変な空間を感じ取った。地下方向への精度は低い為間違いではないかと数回探査を行ったが、結果は同じだった。
探査してるユーの様子がおかしいことに気づいたオグルが声をかけてきた。
「どうしたんじゃユー、そんな変な顔しよってからに。今は魔力探査をしとるんじゃないのか?」
「あ、先生。地下を探査してたら地下に空洞があるみたいなんです、このあたりって何かあったりするんですか?」
「地下に空洞?そんなものこのあたりにあるなんて聞いたことがないのう・・」
「先生も知らないんですか?じゃあこの空洞は何なんだろう・・・」
「ユーよ、探査の内容を聞きたいんじゃが。空洞の中に人工物らしきものはあるのか?」
「もう一回魔力探査かけてみますね!・・・人工物はなさ・・そうかな?周りはゴツゴツした岩肌っぽいです・・」
「人の手が入ってない洞窟か・・・。ユーよ、空洞がどこに繋がっているか調べられるか?お宝があるやもしれんぞ?」
オグルは少年のような笑みを浮かべて聞いてきた。
その後実戦稽古そっちのけで魔力探査をしては移動を繰り返して地下に広がる洞窟の入り口を探していた。
探査を繰り返しているうちに陽は傾き、野宿をする為に火を起こしても大丈夫そうな岩場へと足を運んだ。
岩場に着いた時には陽もすっかり落ちていて、素早く火を起こし夕食に塩漬けの肉とパンを食べた。
オグルと見張りの順番を決め、老体のオグルを先に寝かせる事にした。オグルが寝ている間、安全の為にと魔力探査を続け、稽古と称して自分の限界以上の距離の探査を行なっていた。
この時のユーの探査距離の限界は半径100m、これでも十分化け物じみているのだが、自分が強くなる為には努力は惜しまなくなったせいで更に化け物じみていくのであった。
110m、130m、150mと額に汗を滲ませながら、限界を超え探査範囲を拡大していたユーに200mを超えたあたりで地表が一部途切れている所がある事を感じ取った。それのせいで集中が一瞬途切れてしまい限界を超えての距離を維持出来なくなってしまった。
限界を伸ばす事が出来た嬉しさと途中で集中が切れてしまった不甲斐なさを感じながら、あの感覚は何だったんだろうかとオグルと交代の時間になるまで考え込むユーであった。
次の日、朝食を食べたユーはオグルに昨晩に感じた違和感の事を伝え件の場所へと足を運んだ。
違和感を感じた部分はただの平原で野宿している場所からでも薄っすらとだが視認は出来る場所であった、途切れるような崖などなく何故途切れたのか不思議に思ったユーはその場で地下に向かって探査を開始した、そしてその行動は正しかった。
「先生」
「なんじゃ?」
「ここ、当たりです。普通の平原に見えますが昔に地面が割れたりしたのか地面にズレが起こってます。そして洞窟もここが端っこになってるみたいです。」
「つまり、地面のズレにより洞窟が埋まってしまったというわけじゃな?ワシが帝国に来た時には既にここはただの平原じゃったから、かなり昔に埋まったようじゃの」
「深さはおよそ10mくらいですね・・ボク達だけじゃ無理じゃないですか?」
「そうじゃのう、それに帝国の領地じゃから大掛かりにやるのも後々面倒になるだけじゃ。お宝は惜しいが仕方ないのう、国に話しを通すとするかのぅ・・・」
心底残念そうに溜息をするオグルにユーは苦笑するしかなかった。
その日は実戦稽古の続きを行い、日が傾く前に研究所に帰ることにした。研究所に帰ってから洞窟の事をレンに説明すると、オグルの案に賛成して洞窟の発掘のために騎士団へ報告していた。
洞窟を探査で見つけてから2週間後、研究所にユー名義で大きな鉱石が届けられた。ユーが困惑していると帰ってきたレンがその場を見て説明をした。
オグルから話しを聞いたレンは次の日に騎士団へ報告をし、その日のうちに洞窟発掘隊が結成されていたこと。
ユーは稽古があるのでオグルが代わりに、洞窟の発見場所まで案内していたこと。
案内から3日で洞窟の入口までは開通したが、入口が狭くまともに通れるようになるまで時間がかかったこと。
洞窟の奥には鉱脈があり、希少な鉱石である"魔鋼"が大量に眠っていたこと。
洞窟の鉱石類は掘り起こされ帝国のものとして回収され、洞窟の発見者への報酬として魔鋼の一部が贈呈され今に至るということ。
(なるほどー、これは報酬ってことなのかー。報酬が洞窟の鉱石ってそれはどうなの・・・?
というか、魔鋼ってなんだろう・・?)
「ねえレ・・・お父さん、魔鋼ってどういうものなの?」
「ハハハ、無理にお父さんって言わなくても今まで通りレンさんでいいんだよ?
知らないのも無理ないね、魔鋼って言うのはね―――」
<魔鋼>
魔素を溜め込む性質を持つ鉱石。魔素を溜め込むので魔力との相性がよい鉱石でもある。
鉱石の状態で魔力を込めると魔力量に応じて硬度、品質が変化する性質を持ち、魔力を込めれば込めるほど良いものになり、高品質装備の原材料として名高いミスリルや、世界最高硬度を誇る|(と言われている)アダマンタイトに並ぶ鉱石になる。逆に魔力を溜め込んでいないとかなり柔らかい鉱石になる。
なお装備作成前の鉱石に魔力を込めるとその込めた魔力にしか反応しなくなる専用装備へと変貌する。魔力を込めずに装備を作成すると硬度は低いがどの魔力にでも反応するようになる。
この鉱石で作られた武器や防具は魔力を通すとその恩恵を最大限に受けることが出来る装備になる。
魔鋼はその性質と希少さから黄金よりも高価とも言われている。
レンの説明を受け、"自分専用武器"という響きに心を躍らせ、貰った魔鋼は武器にしようと決めた。
レンと共に魔鋼を鍛冶屋に持ち込み武器作成の依頼をした。
鍛冶屋では作成依頼をする際に、既存の武器の形にするか自分のイメージする使いやすい形にするかの2択になる。ユーは後者を選択し自分のイメージする武器の形を伝えた。
ユーのイメージした武器は日本刀だったが、出来上がったのは想像していたものより分厚い無骨な刀だった。この世界では日本刀のような薄刃で強靭な刀を作る技術がなく強度を持たせようとすると分厚くなるのは仕方がないことだった。分厚いといっても既製品であるクレイモアやグラディウスといった剣よりはかなり薄刃であり、鍛冶屋が苦労したのは言うまでもない。
余談だが、魔鋼に魔力を込める際、ユーが魔力を全力で込めた結果膨大な魔力を吸い込んだ魔鋼は、この世界の最大硬度の鉱石とまで言われているアダマンタイト並に硬くなってしまい鍛冶屋が泣きそうになったり、カタナを作ったあとに余った希少な魔鋼を包丁|(中華包丁)と鍋|(中華鍋)にしてほしいと依頼した時に「希少な魔鋼をそんなものにするなんて頭がおかしいのか?」と言いそうな顔で呆れられたのはユーの苦い記憶となった。
-ハーフアーマー入手の経緯-
ルンヴィークの街にある防具屋で売っていた物をレンが密かに購入していて、ユーに独り立ちのお祝いにプレゼントしたもの。ロールグで買ったものは成長と共にサイズが合わなくなり|(胸が)装備することはなくなった。
肩や胸などの必要最低限の部分を守りつつ動きの制限を極力抑えた物。
-冒険者の指輪入手の経緯-
ロールグの冒険者ギルドに冒険者として登録した時に、証明書などを収納するために支給された指輪。
収納能力:証明書サイズの紙が5枚はいる程度の簡易なもの
-異次元収納入手の経緯-
レンが伯爵に昇格した際に王より賜りし物で研究者のレンには不要だった物をレンから渡された物、価値はかなり高い。見た目は宝石もないただの指輪。
ギルドから支給される冒険者の指輪の完全上位互換の指輪。冒険者の指輪と同様に特殊な魔法が刻まれており魔力を通すとその本人の魔力しか反応しなくなる、が冒険者の指輪とは違う点がある。
冒険者の指輪は指輪に埋め込まれている石に収納されるが、異次元収納は地面や壁など物体に手を触れている状態で魔力を込めることでその場所を異次元の入口にすることが出来る。空中には入口を生成することが出来ないのが欠点。
収納能力:30m×15m×5m。異次元空間は時間軸が違い10倍ほど遅い為、1日で腐るものが10日は持つようになる。魔力により操作可能で空間内部で区分けすることが出来る。
このようにユーは、Gランク冒険者らしからぬ装備に身を包んでいた。
とはいってもカタナはミスリルのような輝きを発しているわけでもなく、見た目も無骨なので高性能な武器にはとてもじゃないが見えない。
ハーフアーマーはGランク冒険者が装備するには高価ではあるが、装備部位も多いわけではなくあまり目立たなかった。
異次元収納に至ってはただの指輪なので問題なかった。
ユーはルンヴィークに来て、初めて1人で冒険者ギルドがある工業区へと足を運んだ。1年半もルンヴィークに住んでいたユーだが街の中では研究所と市場の往復だけだった。
工業区は武器屋、防具屋、宿屋、食事処など冒険者が利用する店が多く立ち並ぶ区であり、研究所に住んでいるので宿屋を利用しない、食事は市場で材料を買って自炊する、稽古に使う武器はオグルが買ってくると行く必要がなかったからだ。
居住区から工業区へ入ると段々と雰囲気が変わっていった。冒険者らしき人や亜人や獣人が多数いてファンタジーを思わせる世界がそこには広がっていた。周りに多種多様な人種がいてもユーの容姿が目立たないわけがなく否が応にも視線を集めていた。そのユーに1人の男が近づき声をかけてきた。
「やっぱりユーちゃんじゃないか、どうしたんだいこんなところまで来て」
「え?・・・あ、アモスさんじゃないですか!おはようございますー」
声をかけてきたのはユーがよく利用している市場の野菜屋の店主『アモス・レスタイン』だった。
「冒険者ギルドに行きたいんですけど、工業区に1人で来るの初めてなんです。アモスさんはなんでここに?」
「俺かい? 俺はこの先にある料理屋に自分の店の野菜を降ろしてきた帰りなんだ、この後特に用事もないから冒険者ギルドまで道案内してあげるけど、どうだい?」
「ほんとですか?助かります」
「いつもうちの野菜を買って行ってくれているお得意様なんだ、これくらいお安い御用さ」
ユーはアモスに道案内を頼み冒険者ギルドへ向かった。
冒険者ギルドに向かう途中、アモスはこの店は美味しい、今の流行りはコレ、と色々な事を話してくれた、特に美味しいお店の話しには興味が出たので後で行こうと思った。
冒険者ギルドの中に入ると、50人くらいは入れる広びろとしたスペースがあり、打ち合わせ用らしきテーブルとイスが3セット程置いてあった。
ロールグの機能的な大きさの冒険者ギルドとは違い、広々とした冒険者ギルドはそれだけ冒険者が訪れるということを表していた。
ユーは受付まで向かい、目付きのキツそうな少女の手が空いていたのでそっちへ向かった。
「あのー、すいません、聞きたいことがあるんですがー」
「はい、何でしょうか。私でお答えできる範囲であればなんなりと」
「冒険者登録はしているんですけど、2年くらい前で、色々と忘れているんです。それでクエストの受け方とか教えて欲しいなって思いまして・・・」
「なるほど・・、冒険者なら冒険者の指輪はございますね? 証明書の提示をお願い出来ますでしょうか」
ユーは言われたとおりに指輪から証明書を出し、受付嬢に手渡した。
受付嬢は証明書と見たあと、ファイルのようなものを取り出し一枚の紙と見比べて確認した後、名前の違いについて聞いてきた。
そういえば前登録したときは『ユー』としか書いてなかったな、と思い出した。養子になり名前が変わった事を説明し、その部分の辻褄が一致したのか、受付嬢は証明書をユーに手渡した。
「お手間を取らせてしまいすみませんでした、ユー・スィール様ですね。確かに2年程前にロールグの街で冒険者登録をされているのを確認致しました、それではクエストの受け方についてご説明させていただきます。
申し遅れました、私はイリーナ・シャールと申します、よろしくお願いします」
イーリニはそう言うとクエスト受注についての内容を説明した。
~クエスト受注の流れ~
クエストはランク分けされており、冒険者自身のランクの1つ上のランクのクエストまで受けることが可能。ただし場合によっては受注不可。
クエストを一定数クリアすることにより1つ上のランクに上がることができる昇格試験を受ける権利が与えられる。昇格試験に失敗しても降格しないが、再度試験を受けるにはまたクエストを一定数クリアしなくてはならない。クリアの数はランク毎に変わる。
逆に一定数のクエストに失敗すると降格してしまう為、クエストを受ける際に自分の実力を把握した上で受注することも大事である。
クエストはギルドにあるクエストボードに掲載されてあり、そのクエストを持って受付に提出、手続きをすることでクエストを受けることができる。
クエスト毎に指定されている物を指定されている日時までにギルドに持ち込み、ギルドからの品質などの検査を得て合格すればクエストクリアとなる。
「――以上でクエストについての説明は終わります、他に質問はございますか?」
「新米冒険者だけが泊まれる格安の宿があると聞いたんですけど、本当ですか?」
「ああ、ギルドが運営している新米冒険者用の援助施設ですね、ですが宿というよりベッドがあるだけの部屋を貸し与えるといったものなのです。食事はもちろん、湯浴み場もございませんが・・・よろしいのですか?」
「それで大丈夫です、その辺りはなんとか頑張りますので。
それで、その宿はどこにあるんですか?」
「ギルド運営なのでここで契約する必要がございます、契約書を作成しますので少々お待ち頂けますでしょうか」
ユーはイリーナが持ってきた契約書に記入し、とりあえず1ヶ月借りることにした。
イリーナは契約書を確認すると受付から出てきた。
「書類の方は問題ありませんでしたので宿の方へ向かいましょうか、案内しますので付いてきてください」
ユーはイリーナに言われるがままに後を付いていった。
その宿はギルドから居住区へ歩いて3分程の場所にあった、外観は木造のプレハブといった見た目をしており長屋のように同じような形の部屋がズラリと並んでいる構造になっていた。
部屋の中はベッドと机と椅子、それにある程度のものが置ける棚しかなく、かなり狭かった。とはいえど雨風が凌げるだけで十分だったのでユーはこれで満足だった。
ユーとイリーナはギルドに戻り、イリーナは仕事に、ユーは簡単なGランクのクエストを2つほど受けてからクエストを始める前にお腹を満たそうとアモスがオススメしていた料理屋へと足を運んだ。
そのお店『戦士の休息所』はお昼前ということもありかなり繁盛していた、カウンターが空いていたので緊張して入りづらいが、意を決して席に座った。
座ってすぐに店員に店のオススメを聞き、それを1つ注文した。注文を取った猫耳の少年は頬を赤くして即座にその場を離れた。
(あの子顔赤かったけど体調でも悪いのかな?)
ユーの見た目は青肌で目をひくが、少年が見惚れるほどに美人なのだ。本人は全然意識していないが他人との距離感に無頓着なせいで少年には大ダメージだったようだ。
隣に座って飯を食べていた男も手を緩めつつユーをチラ見していたがユーはあまり気にしていなかった。ユーは様々な経験から殺気などの強い意思を含んだ視線などには敏感に反応するが、それ以外の微弱な視線にはあまり警戒心を持たなくなっていた弊害が出ていたのだ。
ボケーと待つこと10数分、少年が店オススメの料理を運んできてくれた。
「お、お待たせしました!」
「ありがとう、この料理はなんて言うのかな?」
「はいっ、これは『鴨の香草焼き』で店一番の人気商品です!」
「へえ、美味しそう・・・ありがとうね?」
少年に向かって軽くはにかむと少年は顔を真っ赤にしながら仕事に戻った。その少年には他の店員からの恨めしそうな視線が突き刺さっていたのだが、ユーの頭の中は既に目の前の料理でいっぱいだった。
(この世界にも鴨がいるんだー・・・、って言っても野菜の時みたいに微妙に違うものかもしれないし、とにかく食べてみよう!)
香ばしい香りのする鴨肉をナイフで切り、一口大にして口に放り込んだ。
ユーはその美味しさに顔を綻ばせ、笑顔のまま美味しそうに肉を次々に口へ放り込んだ。
(おいっしい!脂はのってるけどしつこくないし、鼻に抜ける香りが凄い!
これどうやって作るんだろー、肉はもも肉っぽいけどこの香草の組み合わせ方がすごいんだろうなあ、これは何度でも通いそうだー)
ユーは大満足で店をあとにした、勧めてくれたアモスに感謝しつつ通い詰めようと心に誓った。
店を出たあとはそのまま街を出てクエストをこなしに向かった。
受けたクエストは2つ、両方とも街近辺で出来るクエストで冒険者というより雑用係といった感じである。
街の近くにある湖に生息する水鳥の羽根を2匹分と指定された薬草を3本回収し、2時間足らずでクエストは終了した。
この日はすぐにギルドへ戻りクエストを報告。これを5日ほど連続で繰り返した5日目のクエスト報告後にユーはイリーナに呼び止められた。
話しの内容は昇格試験を受ける権利を得たとのことだった、予想より早いスピードの昇格試験にユーは驚いていたがランクが上がるにつれてこなさなければいけないクエストが増していくので最初はこんなものだとイリーナに説明された。
昇格試験の内容は街の外にいる野獣を3匹討伐、討伐猶予は12時間。
次の日の朝、ユーは昇格試験を受けることにした。街を出て2時間程で指定の野獣を討伐出来てしまったユーは、目立つのを避けるために4時間ほど時間をズラしてギルドへ戻り報告を済ませた。
その日の夜にはGランクからFランクへ昇格していたが、これからが本番とイリーナに言われ、新たに気を引き締めることにした。




