にじゅうろっこめ
「では、ここがどうなるか、わかる人はいますか?」
先生の声が教室の空気に溶けてゆく。
答える生徒はいない。
みんな、発表して間違えるのが怖い。だから手を挙げる勇気がいまいち出ないのだ。
しかし私はただ単に、問題の答えがわからないだけである。
手を挙げて当てられた先に言う言葉が見当たらないのだから、勇気を出して手を挙げたところでそれは愚者だろうと私は思う。
ということで、先生の声に答えるものはいなかった。
「わかりませんか?では少し、近くのお友達と相談しましょうか」
きっと、この教室に答えがわかっている生徒は確かにいる。でも、手を挙げない。
先生もそれはわかっているだろう。知者は勇者になりにくい、と。
しかし。それはどうしようもない、ということだって知っているのだ。
「隣のペアでも良いですよ。前後のペアでも良いですよ。とりあえず二人組を作ってください。今日は休んでいる人はいなくて、余りは出ないはずだから」
先生が言ってすぐ、教室はざわめきに包まれた。
みんな、発表ができないだけで、意見は持っているのだから。
私は隣の席のティアちゃんを見やった。しかし、時すでに遅し。
ティアちゃんは後ろの席の子と話し始めていたのだった。
まぁ、仕方ない。こんな日もあるだろう。
私は前の子を見やる。
時すでに遅し。
私は後ろの子を見やる。
時すでに遅し。
私はティアちゃんと反対の方の隣を見やるっっっ!
時、すでに遅しっ!
あっちゃー
うん。こうこともある。しょーがない。
でも、私は本当に答えがわからないのだ。そう。全くもって。
だから、相談できないのは困る。酷く、困る。
さて、どうしよう。
そう思った時。そういえば、と、あることに気がついた。
私が余ったんなら、後一人余ってる、よね……?
誰だっ!どこにいる!私の仲間っ!
教室の四方をぶんぶんと見回す。首もげそう。
私の仲間は、案外すぐに見つかった。
だって、それは私の親友だったのだから。
「イリス……」
ルウ。
遠すぎて声は聞こえない。でも、確かに口の動きがそう言っていた、と思う。
私に読唇術の心得はないっ!ドヤァ!
だから、だから、
わからない。
わかりはしないのだけど。
でも、イリスが言ったことがわからなくてもいいと思うのだ。
だって、いま。イリスと私の視線が絡んでいるのだから。
だからそれ以外は些末ごとである。
最近ハマったアニメの原作漫画を三冊まとめ買いした子麦です。こんにちは(?)
子麦は普段漫画をあまり読まない人ですけど、なんか衝動買いしちゃいました。どうも、考えなしです。ちなみに子麦は、小学4、5年生ぐらいまで漫画の読み方がわかりませんでした。どのコマに進めば良いのかがわからなかったみたいです。今も時々わからなくなります。
これからもどうぞ、五芒星のルウたちを見守ってくだされば幸いです。




