私の妹 said:アイヴォリーラ(アイリ)
初めてのお姉様語りです!
想像と違う性格でしたらごめんなさい。
でも人の性格は変わるので、アイリも成長するごとに口調や性格が変わっていくと思います。
「ただいまぁ~。あ、くつ」
家に帰ると玄関に大きくて立派な古い靴があった。
私、知ってる。
この靴があるのはアルフィの“テイキケンシン”のときか、アルフィの具合が良くないとき。
今日は“テイキケンシン”じゃないから…。
急いで(もちろん手を洗ってうがいもするよ。アルフィが風邪を引くと大変だもん)アルフィの部屋に行かなくちゃ。
アルフィの部屋の扉は他のどの部屋の扉よりも優しく扱わなきゃいけない。
そっとノックをして、返事を待つの。
きっとお母様が返事をしてくれる。
“おかえり”の声が帰ってこなかったから、ここにいると思う。
扉をそっとノックするのにはちゃんと理由があるんだよ。
アルフィにとって、突然大きな音がするのは体の負担になるんだって。
私がアルフィにいたずらしようとして大きな音を出したら倒れちゃったから、とってもよく覚えてる。
熱まで出しちゃって、私、たくさん「ごめんなさい」した。
その時はアルフィにはこんないたずらもできないんだ、つまらないなってちょっと思ったし、ビックリさせただけでなんで私が怒られなくちゃいけないの?って思った。
今だって、お母様がアルフィを心配してばかりのときは寂しいし狡いなって思うし、私も病気してお母様にそばにいて欲しいなって思っちゃう。
だけどね、アルフィは大事な大事な妹で、大好きな妹だから、私は頑張って“お姉ちゃん”になりたい。
「アイリ…、お帰りなさい」
思った通り、お母様が返事をしてくれた。
音もなく開かれた扉から、お母様がひょっこりと顔を出してる。
「アルフィの具合、わるいの?…すごく…」
そんなことを言っちゃうくらいお母様の声が疲れてた。
「……おいで、アイリ。今アルフィの傍を離れるのは不安で…ごめんなさいね、アイリのことも一人にはしたくないの」
お母様は私が寂しい思いをしてることにちゃんと気づいてる。
大変なのに、気づいて近くにいさせてくれる。
本当は私がアルフィのそばにいくのは邪魔になるだけかもしれないのに。
それでも謝るのは、具合の悪いアルフィを見て私が不安になるかもしれないことを気にしているんじゃないかな。
ありがとう、ありがとう
「私、お母様とアルフィと一緒にいたい。あ、こんなこと言ったらお父様がまたしょげちゃうかな?」
ちょっと冗談も混ぜて本音を言ってみた。
お母様はキョトンとしてから、ほっとしたように笑った。
少し雰囲気も落ち着いた気がする。
心配だもんね。
アルフィは私たちの大切だから。
部屋にはいるとお医者様のバンおじさんが機械に向かっていて、何か記録していた。
ちらりと振り返られて目があったから、小さくお辞儀して挨拶をした。
バンおじさんはアルフィを守ってくれる凄い人だよ。
アルフィは当たり前だけど寝台の上にいた。
「ぁ、アルフィ…?」
いつも真っ白綺麗なアルフィが、蒼白い。
何があったの?
最近はあんまり熱も出してなくて、今日の朝も元気に「いってらっしゃい」してくれたのに。
近づいても誰にも止められなかったから、そのままアルフィの手に触れてみた。
「っ!」
小さな手がピクリと震えて、私の手を握り返すみたいに動いた。
でもそれはほんのちょっとだけ私の手に触れたくらいで、手を繋ぐことなんて出来そうにないくらいだった。
守りたいって思っているのに、知らない間にアルフィの具合はこんなにも変わっちゃった。
私ができることって言ったら、一緒に遊んだりお勉強するくらい。
たったそれだけのことしかできなくて、たったそれだけしか守ってあげられない。
くやしい。
くやしいよ。
なんにもできないままアルフィを失いたくないよ。
何か私にも守らせてよ。
私にはなにができるんだろう?
アルフィは風邪とかの病気とは違うから治せないんだってお父様言ってた。
それにお医者様ならいる。
ガルおじさんは立派なお医者様だもん。
アルフィの周りで起こる全部のことからアルフィを守りたい。
ヨクバリなんていわせないよ。
できるかな私、出来るようになるかな。
そうだ私、そのためにも勉強してるんだ。
特訓だって頑張ってる。
そのうちお父様とお母様の狩りにだってついていけるはず。
私に狩りをさせないように、お野菜育てようって声かけてくれるお父様には悪いけど、私はお母様がお父様を守ってるみたいに……………そう、お母様みたいに大事な人を守れるようになりたいんだ。
なりたいんだよ。
次回もアイリ目線でいく予定です!




