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オーヴァーランダー  作者: 猫の人
若鳥オーヴァーランダー
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我が家にて

 アタック後の倦怠感は独特なものがあるね。

 僕は疲れを癒やすべく、お風呂の準備をする。


 ダンジョンのホームで五右衛門風呂に入るようになったけど、こっちで入るお風呂はまた格別なんだよ。温泉の素も使うし、お湯も豊富で気兼ねなく使える。桶に湯を汲むだけでなくシャワーもある。

 それになんと言っても温度調節が楽なんだ。

 湯船の下で火を焚いて、では調節がしにくいんだよ。いちいちお水を足して湯を冷ますなんて非効率な事をしなくていいのは気分が楽なんだ。





 僕はお風呂のタイマーをセットすると、湯が湧くまでの間に家の周りの監視状態をチェックすることにした。


 僕の家はヤクザに狙われている。だから警備会社と契約し、家の周辺に監視カメラを仕掛けてある。

 そのカメラで撮った映像を早送りでチェックする。


 田舎にある僕の家の周りは民家や店が無く田んぼなどばかりで人通りがほとんど無いから、誰かが近くに来ればすぐに分かる。特に歩きの人なんてまず映らない。

 にもかかわらず、数名の若い男が僕の家を観察するようなそぶりを見せている()があった。

 ジャケットにGパン、その他カジュアルな格好をした連中は、おそらく下っ端ヤクザだ。


 画面の中の彼らのうち一人がズボンからスプレー缶を取り出し、我が家の塀に落書きをする。

 何をしやがる!

 僕は一瞬、怒りで我を忘れかけた。


 そのあとすぐに警報が鳴り、男ども追い払った。

 警備会社の画像処理システムにより落書き、つまりいやがらせ行為を感知したので自動で警報(アラート)が鳴り、警備会社へと通報されたのだ。

 残念ながら近くに車が止まっていなかったので車両ナンバーなどの情報は手に入らなかったが、顔だけは確認できた。拡大し、「この顔を見かけたら110番」と指名手配犯風のビラを刷っておく。犯罪者っていうのは間違いないので問題ない。



 そのあとは落書きされた塀の確認をして、落書きの上にビラを貼っておいた。

 ちょうど自分の肩の高さに落書きがあったので、人が見やすい場所だから都合が良かった。


 ホームセンターに行ったら、白のペンキを買っておこう。

 マダラになるけど塀の塗り直し、しないとね。





 一仕事終えた僕はお風呂に入って軽く休憩した後は、ホームセンターに買い出しに出かけた。


 ホームセンターで元後輩を探すけど、姿を見かけない。

 シフトは入っていたはずなんだけどね? 裏方かな?


 特に用事も無いから、まぁいいか。


 僕は必要なものを籠に入れ、支払いを済ませて家に戻る。



 家では向こうと違って時間をかけて、美味しいものを作る事が出来る。


 やっぱりコンロがあるだけでずいぶん料理の効率が上がる。

 よく小説とかで異世界に行った料理人主人公が美味しい料理を作って現地人を驚かせるけど、僕にはそんな事は出来ない。


 コンロがあって、オーブンがあって、レンジがあって、切れ味のいい包丁とかがあって。

 あとは豊富で新鮮良質な素材と調味料があってようやくそこそこ美味しい料理が作れる程度だ。スキル補正があってもダンジョンで作る料理は日本で食べる料理と比べればどうしてもレベルが落ちる。

 調味料や道具の一部を持ち込んでもこの程度でしかないんだよね。日本の底力を感じるよ。



 この日の夕飯はグラタンにした。

 牛乳を持ち込んだとしてもオーブンが無いからホームでも作れないんだよね。レトルトじゃなかったら絶対に作れない。


 でも、信綱たちが竃を作ったら作れるようになるのかな?

 ネットで手作り竃の作り方をもうちょっと詳しく調べようかな。

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