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ある夏の一日の出来事~予期せぬ来訪者~

夏の日、作物の相談を受けた後、家に帰り子ども等にデザートを食べさせた梢。

のんびりする彼女は始祖の森に来訪者が来た事を察知し──




「愛し子様、愛し子様から頂いた種や苗なんですが、やはり愛し子様のようには行きませんでした」

「とうぜんだ」


 苗や種を分けた子どもたちの言葉にクロウが遮るように言う。


「あの苗や種はこの地で、梢が育て、神々と精霊と妖精の加護もあって、梢が育てるような作物ができあがるのだ。精霊と妖精の愛し子だけでは劣化版になる」

「な、なるほど……」


 まぁ、それがありがたい。


 某輝く葡萄の名前を持つ葡萄なんかはキラキラ輝いてるしね。

 いやはや恐ろしい。


 そんな食べ物が量産されてみろ。

 渡したのは私だけども、恐ろしいわ。


「劣化版で我慢するがいい、それ以上求めると神は強欲と感じ実らせなくなるぞ」

「分かりました!」

「ん? そういや私の所が年々豊作になりまくって余りまくった際もう実らせるの勘弁してって祈ったことあったな」

「だから神々はそれ以上実らせるのを止めた。神々の愛し子には甘いからな」

「はぁ」


 私は何となく納得する。

 一二三ちゃんの件は放置されたが、その前に一度村中の夫婦が妊娠した事例がある。

 あれは神様が、村を豊かにさせて私の負担を軽くしたかったんじゃないかなと今は思える。


 神様は確かに私には甘い。

 けれど妙なところでこだわる。


 何故うちの子らは父親が別々の三つ子で確実に生まれるんだ、と。


 神様は平等だといっていたが、それは多分それは私にとっても平等になるのだと思う。

 だって、一人っ子か双子か、三つ子か、それ以上生まれるか確定してないなら父親であるアルトリウスさんたちにとって不平等になる。


 だからこれでいいのだと納得する。





「ままー!」

「ままぁ!」

「まま!」


 光、忍、楚良が私を呼ぶ。


「はい、ママですよ。どうしたの?」

「「「おやつ!」」」

「はい、おやつね。待っててね」


 そう言って特製の苺のゼリーを魔道冷蔵庫から取り出して渡す。


「これ、今日は苺のゼリーよ」

「いちご、だいすき!」

「いちごいちご!」

「わぁい!」


 既に椅子に座っていた光たちは大はしゃぎ。


「あんまりはしゃいだらダメよ、落っこちちゃうわ」


 音彩が椅子に座らせてくれたのだろう、三人をたしなめる。


「「「はぁい」」」


 三つ子たちと音彩のやりとりが微笑ましいなと思いながら見つめていたかったが、また騒ぎ出す前にゼリーとスプーンを三人分おいた。


 三人の目の前に。


 三人はスプーンを使ってゼリーをすくい取って頬張る。

 すると目をまん丸くして、美味しいものを食べた時の仕草をする。


「「「ん~~!」」」


 小さな足をパタパタさせる。


「美味しい?」

「「「おいちい!」」」

「それは良かったわ」


 私は微笑みおかわりを要求するかもしれないと冷蔵庫を見ていると──


「こら光、一気に食べようとしたら危険だ」

「忍もですよ」

「楚良、一気食いはダメよ」


「「「あい……」」」


 自分のお兄ちゃん、お姉ちゃんに一気に口に入れようとするのを叱られる三つ子たち。


 この子たちには本当に助けられた。

 勿論夫たちにも助けて貰って居るが、この子たちは特に迷惑をかけた。

 色々と頑張らないと、とか思っていると──


 思ってもない自体が久々発生する。



 始祖の森の入り口で祈りを捧げる女性とそれに寄り添う馬が一頭いる気配を感じ、シルヴィーナとクロウと共に入り口へ向かう。


 質素な服だが、貴族の品の良さを漂わせたその女性は私達を見ると頭を下げた。


「お願い致します、どうか、どうか始祖の森に住まわせてください」

「この森の現状を知っての発言か」

「勿論でございます、エンシェントドラゴン様」

「ほほぉ、我をエンシェントドラゴンと即座に判断できるとは慧眼だなお主」

「取りあえず、事情は中で聞かせてください」

「はい、ありがとうございます」


 女性を連れて始祖の森へと入っていく。



 来賓の館の一室──

 女性に紅茶を出して、話を聞くことに。


 彼女の名前はアマーリア・ルード。ディリカ王国のルード公爵の長女で、元王太子の婚約者。

 だったのだが、平民メアリー・アンという女性がアマーリアが貴族としての責務や王太子妃の為の訓練をしている間に、王太子や周囲の人たちを籠絡し、結果婚約破棄され教会にいかされそうなのから逃げて来たらしい。


「うわ、ひっど」

「未来の王太子妃として働いていたこの娘にそのような事をしても王太子を許すディリカ王国の国王と王妃、王太子には幻滅だ」


 マリア様が憤慨して言う。


「私がもっと周囲に気を配れば、気付いて居たはずなのですわ……」


 涙を流すアマーリア嬢。

 お労しや。


「クロウなんとかできない?」


 そう言うとクロウは嗤った。


「要するに王太子と新たな王太子妃が無能だと示せばよいのだろう?」

「できるの?」

「できなければいわぬさ」


 クロウはそう言って館を出て行った。


 ドラゴンになり飛び立つクロウを見送る。


「エンシェントドラゴン様は何をなさるのでしょう?」

「うーん、クロウのことなのでよくわかりません」


 私は苦笑いを浮かべて答える。


 その横で、マリア様がシャルル君に「近づいてくる女には気をつけろ、確実に何かをやらかそうとしてる」と言い聞かせていた。


 まぁ、シャルル君は精霊と妖精の愛し子だからそういうの見抜けるしねー。

 レスティちゃんも。

 ルミアちゃんとミレアちゃんは違うけど。



 しっかし、クロウなにするんだろう?


 疑問を抱えながら私はシルヴィーナにアマーリアさんを任せて、家に戻った──









作物は梢の力があってトンデモない物体になるので、それがないとかなり良いくらいです。

梢のが最優秀なのでその次。

そしてはい、別国のトラブルが発生しました。

クロウは一体なにをして解決するのでしょうか?


ここまで読んでくださりありがとうございます。

反応、感想、誤字脱字報告等ありがとうございます。

次回も読んでくださるとうれしいです。

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― 新着の感想 ―
はい、今日も子どもたちが可愛いです。誠にありがとうございます。今回も祖父がまだいますがわたくし少々学習しまして、静かに狂うことを覚えました。おかげでにやけはしないものの身体をバイブレーションさせていま…
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