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第89話 急展開

グレン会長が領主を務めるグレン子爵領へ向かっていると、ナビア王国の海軍の船と遭遇し海賊たちを引き渡す。


連れてこられた人と島で働かされていた職人たちは、グレン子爵領で事情聴取をするらしい。


グレン会長が海軍と交渉してくれたようで、私もほっとした。



「ダニエル様、実は海軍からお願いがありまして・・・」


グレン会長の話は私たちに助っ人として、ナビア王国の海軍に同行してほしいとのことだった。


なんでも今遭遇した海軍の船は、アルム国との国境付近で牽制をするため海上から睨みを利かせていた時に、深夜船底を開けられ沈没しかかったそうだ。


発見が早かったから応急処置できたが、船底を開けられたため、国へ引き返す羽目になったらしい。


話を聞いて思い浮かんだのは、海に長く潜れる魔道具を利用したのだろうな。


「陸に近ければ船を攻撃し、陸から遠ざかれば牽制にならないですよね」


「そうなのです。海軍も苦慮していたらしく、ダニエル様がいるのならお願いできないかと」


グレン会長が気まずそうに言い、引き受けてくれるのなら、ナビア王国から我が国に連絡はしてくれるとのことだった。



「ダニエル様が、海賊船を相当奪いましたし、拠点も潰しました。相手のダメージが大きい今は叩くチャンスだと思われます」


「国同士が衝突すれば民の被害が一番大きい。出来るだけ最小限に抑えるなら、ナビア王国の海軍を撤退させるのはまずいと思う」


「私も海上はナビア王国側が有利な状態が良いと思います」


私とグレン会長の話を一緒に聞いていたリカード隊長、ダニエル、フェリクスみんな賛成のようだ。



私はベルクさんの方を向く。


「ベルクさんは、戻った方が良いと思う。王命外のことだし、勝手に参加すればカーセル侯爵との関係が悪くなるかもしれない」


「いえ、ここで戻っても、戻らなくても同じだと思います。もしクビになったらダニエル様が俺を雇ってください」


冗談だろうが、その時は頼ってくれていいと返事をし、ベルクさんも参加することになった。




一旦グレン子爵領で食料の補充をしてから、ナビア王国の海軍がいるところに移動した。


その日の夜から私は海の中の見回りを受け持った。


すると早速こちらに向かって泳いでくる人たちを発見し、お腹や顔を殴って、魔道具を口から吐き出させる。


魔道具は海底に落下していったため、彼らは息をするために海上に向かって泳いでいく。


数人は取り逃がすことになったが、気を失っている2人の片足を持って私は船に戻った。




数日、朝昼晩時間は不定期なのだけれど、なぜか私が海に潜っている時に遭遇するので捕まえていた。


海から上がった私にセドが声をかけてくる。


「ダル、100%の確率ってすごいな?お前のスキル凄すぎないか?」


「私だって不思議なんだよ。潜るのも今潜った方がよさそうとか、第六感が働いているわけではないからね」


「まぁ、味方にはありがたいが、敵は戦々恐々だと思うぞ」


魔道具も結構消失させたから、ダメージは与えられていると思いたい。





急に周辺が騒がしくなり身構えると、他の船の船員が空を見上げていた。


私も空を見ると上空で大きな鳥3羽が周回していた。


「ダル、あれグリフォンたちではないか?」


「セド、私もそう思ったんだ」



やっぱりグリフォンだったようで、私たちの船に急降下して甲板に着陸した。


私とセドは慌ててグリフォンたちに駆け寄るが、通訳の亀様がいないので意思疎通ができない。


苛立ちが見えるグリフォン1羽がセドの服を引っ張り、別のグリフォンの背中に放った。


「うわぁー」


セドの声と共にグリフォンはセドを攫ってどこかに行ってしまった。



「セドを追いかけないと!!」


「お待ちください。セドリック様に懐いたグリフォンたちではないでしょうか?彼らを信じましょう」


セドたちを追いかけようと海に飛び込もうとした私を、フェリクスに羽交い絞めにして止められた。


「ごめん、ありがとう」


少し冷静さを取り戻した私をフェリクスが放した。



しばらくたってもセドとグリフォンが戻ってこなくて不安だが、私に与えられた仕事をしないとみなに迷惑がかかるため、海の見回りに出た。


そして敵も懲りずにこちらに向かって来ていたため倒して、また意識のない2人を捕まえて船に戻った。


船員も私が海面から顔を出すと輪になったロープを投げてくれて、意識を失っている敵の引き上げが上手くなっていた。


海から上がるとフェリクスが出迎えてくれたが、首を左右に振られた。


セドはまだ戻って来ていないようだった。





翌日の昼過ぎにセドとグリフォンが戻って来たが、1羽が人らしきものを咥えていた。


「セド、無事でよかった!」


「説明する前になんか食わせて」


昨日あれから何も食べていないらしい。


私は急いで持ってくるように指示して、グリフォンが転がした遺体を見ると、かなり上等な軍服を身に着けた人だった。



「たぶんアルム国の重要人物の一人だと思う」


セドがスープとパンを食べ終わり教えてくれる。


途中で他のグリフォンも加わって、軍事行動中の部隊を襲ったらしい。


そしてセドを乗せたグリフォンと他の2羽が、その人物に狙いを定めていたようで、彼の周囲が手薄になると急下降したらしい。



セドもグリフォンが誰かを狙っていることは雰囲気で察したらしく、いつでも対応できるように剣を持ってグリフォンたちが動くのを待っていたそうだ。


そして狙いがわかったため、グリフォンに乗ったまま、遺体の人物の背中を一撃したそうだ。



「本当は心臓一突きしたかったが、グリフォンに乗ったままだからな。これが精一杯だった」


そしてセドが乗っていない別のグリフォンが、倒れかけた遺体の人物を咥えてグリフォンのねぐらに戻ったとのことだった。


「たぶん俺の一撃では亡くなっていなかったと思うが、大量の出血でグリフォンのねぐらに着いた時には亡くなっていた」


グリフォンが遺体を踏みつけようとしたのを慌てて止めて運んできたとのことだった。


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