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第82話 提案

『上手くいくかわからないが、やってみるか?』


亀様からの提案は、グリフォンが生息している地域を知っているらしく、グリフォンに協力してもらえないか亀様が交渉してくれると言う。


「亀様。・・・・よろしいのですか?」


亀様は人に協力しては傷ついている。


私は亀様を利用したくない。



『大丈夫だ。それに他のグリフォンも捕まっているかもしれないからな』


「グリフォンの生息地が他国だと、我々は行くことが難しいです」


亀様の説明では、死の森にあるひとつの山がグリフォンの生息地らしい。



死の森って、入ったら戻れないと言われている不可侵の森だ。


でも死の森に我が国は接していない。


死の森はこの大陸の1/6か1/7を占める広さだといわれている大陸の北西側にある森だ。


接している国々は開拓のために何度か調査隊を派遣したが、誰も帰ってこなかったと他国情勢の勉強で習った。



「亀様、死の森に行くにはこの国からだと時間がかかりますし、誰も帰ってこなかったと聞いています」


セドが長期間ここを離れるのは難しいと説明した。


領内の騎士・護衛はギリギリで回しているからな。



しかし密猟者はどうやって死の森へ入ったのだ。


もし今回グリフォンを捕まえたことが知られれば、接している国々で死の森争奪戦が始まるのではないか?


私が色々と考えを巡らせていると亀様が話し出す。



『船があるではないか』


死の森の海に面している側から行くらしい。


亀様が同行していれば、魔物には襲われずにグリフォンのところまで行けるそうだ。


ただし山を登るから体力は必要とのこと。



「そうなると、グリフォンの件は国に伝えなくてはいけなくなるよ」


私はセドとナディーヤにどうすると尋ねた。


「ここにいるグリフォンに聞いてみよう」


「そうですね、彼女が番や仲間を助けてほしいのであれば、了承してくれるのではないでしょうか?」





今は2隻の船で死の森に向かっている。


あの後グリフォンに確認したら、番を、仲間を、救って欲しいと。


また縄張りがどうなっているかも気になっているらしいと亀様が教えてくれた。


そして彼女からナディーヤにひときわ黄金色で奇麗な羽が渡された。



この羽は特別らしく、彼女の番や仲間が信用してくれる物になるだろうとのことだった。


セドではなくなぜナディーヤに?と思ったら番が嫉妬するかもしれないかららしい。


それくらい貴重な物みたいだ。



私は王都へ数人の護衛と共に馬を飛ばし、宰相様と面談をしてグリフォンのことと死の森へ行くことの許可をもらう。


許可が出るまでに2日かかった。


条件としては他国の領地に近寄らないこと。


帰ってくる途中で確認してほしい島を見て来ることだった。



島の確認は船ではなく、私が海中から確認するだけで島に近寄らなくていいらしい。


島に出入りする船がいるかだけでいいとのことだった。


他国の領土だし、どうやらこの前私が渡した地図の復元で絞られた候補の島だそうだ。



航海5日目に死の森が見えるところまでやって来たがもっと西に進み、遠くからでも山が見え始めてから近づく。


『あの山がグリフォンの生息地だ』


いつの間にか私の横に亀様が来ていて教えてくれた。



亀様の指示で船を止めたのは、断崖絶壁でどうやって登るのかという場所だった。


すると亀様が絶壁の岩を触ると階段に変わった。


『一時的だ。また元に戻す』


「ありがとうございます」


私は亀様に頭をさげた。



船にはフェリクスと船員たちが残り、死の森には亀様、私、セド、ナディーヤ、リカード隊長たち騎士団員とグリントのメンバーで行く。


亀様の誘導で崖の階段を登り、死の森の中に踏み込むが、木々がうっそうと生い茂っているため薄暗く、倒木も多くなかなか前に進めなかった。


ただ魔物が近くにいる気配はないと、リカード隊長やグリントのメンバーが言っていた。



なんとか山の麓までたどり着いたが夕方だったため、ここで野営となる。


宙に浮いた亀様が空を見上げていたため、私も亀様が見ている方向へ目を向けると、かなり離れた上空からこちらを窺う様に徘徊している鳥みたいなのが見えた。


「ダル、グリフォンだろうか?」


「おそらく、ここは亀様に任せるしかないよ」


セドが私に話しかけてきたが、騒がずに待つ。



『ナディーヤ例の物を空にかざせ』


亀様からの指示に、ナディーヤがグリフォンに渡された黄金色の奇麗な羽を空に掲げた。


上空にいるグリフォンが下降したがすぐに戻って行き、いなくなってしまった。


しばらくすると先ほどのグリフォンとは違うグリフォンがやって来て、私たちの傍に降りてきた。


このグリフォンは羽が変形していて足も傷が多い。



『ナディーヤ、彼に羽を渡すのじゃ』


亀様からの指示でナディーヤはグリフォンに近づき羽を地面に置いたあと、すぐに元の位置まで下がった。


するとグリフォンは地面に置かれた羽を拾い、自分の羽の奥に隠し、鳴き声をあげる。



『島にいるグリフォンの番じゃよ』


亀様が目の前にいるグリフォンに、番もお腹にいる子も無事なこと、出産まで亀様のいる人間が住んでいる島に滞在する予定と伝えてくれたらしい。


亡くなったと思っていたらしく、喜びの雄たけびだそうだ。



私は亀様に話しかける。


「このグリフォンの怪我を治したいのですが、交渉していただけないでしょうか?」


亀様が交渉してくれたため、まずは両足にポーションをかけ、足が治るとしゃがんでもらい、羽にかけていく。


すると変形していた羽が元の形に戻った。


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