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サンライト島の宝


 ラージュが作った解毒剤は、煙となってサンライト島の町に降り注いだ。煙を浴びた町の人たちは、徐々に顔色が元に戻って行った。


「おい、町の人の様子がかわっているぞ。顔色がよくなってきている!」


「本当だ! ゆっくりだが、回復しているようだ」


「毒ガスを解毒することに成功したのか! よかった、本当によかった!」


 町の人の看病をしているサマリオの部下が、驚きながらこう言った。煙発生から数時間後、町の人たちの体調は回復した。まだ完全に毒が消えたというわけではないが、それでも嘔吐下痢が止まり、熱も引いた。町の人たちの回復を知り、サマリオの部下や町の人は大変喜んだ。それからしばらくして、セアンたちが町に戻り、サマリオが町の様子を見た。


「どうやら大成功のようだ。町の人たちが回復したようだ」


「やったね、ラージュ! 大成功だよ!」


 セアンがこう言うと、ラージュは安堵の息を吐いていた。


「ええ。よかったわ。無茶してよかった」


 セアンの言葉を聞き、ラージュは笑みを見せて返事をした。




 翌日。セアンはサマリオからメイトウザンの懸賞金を貰っていた。カイトとライアは封筒の中に入っている札束を見て、驚きの声を上げており、カイトはあの海賊を捕らえただけでこんなに貰えるのかと心の中で思っていた。


「これがメイトウザンの懸賞金、百万ネカだ。受け取ってくれ」


「よかったー、あいつらも虫の息だったから貰えるかどうか不安だったけど。死んじゃったら、賞金額が半額になっちゃうからね」


「奴らも煙を浴びて回復したらしい。そのおかげで死を免れたのだが、回復した場所はシーポリスの船の中だ。暴れようとした奴もいたが、拘束していたから被害はなかったよ」


「気が付いたら牢屋だったなんて、さぞかし驚くだろうなー。ま、悪いことをした罰が今起きたってことだね」


 そう言いながら、セアンはメイトウザンの連中の驚く顔を想像しながら笑った。そんな中、町の町長がセアンたちに近付き、頭を下げた。


「この度は島を救ってくださりありがとうございます。皆様がこの島に立ち寄らなかったら、どうなっていたことやら……」


「いえいえ、困った人を見捨てるわけにはいかないので」


 事件解決で活躍したラージュが、サマリオと話をしているセアンたちに代わって挨拶をした。その後、ラージュは町長に毒ガスに対しての対処法、そして解毒剤の材料のことを話した。町長はラージュの話を聞いてメモを取り、もう一度頭を下げた。


「本当にありがとうございます。シャケベルトという悪い会社もう潰れたと聞きましたので、これでこの島に平和が訪れました」


「でも、あの連中はどうしてこの島に会社を作ったのかな? ここって何かあったっけ?」


 と、ライアがこう言った。その言葉を聞いたカイトは、確かにと思った。サンライト島はお世辞にも都会ではない。簡単に言えば、田舎のような島である。シャケベルトに関して、カイトはテレビのコマーシャルで一応存在自体は知っていたが、どうして裏の顔を持つ大企業がこの島に会社を作ったのか分からなかった。そんな中、ライアの問いに対し、町長がもしかしてと呟いて話し始めた。


「これは噂なのですが、このサンライト島の奥深くには未発見の洞窟があり、宝があると言われています」


「宝?」


 宝と聞いて、セアンが真っ先に飛びついた。町長は目を輝かせているセアンに対し、少し引きながらこう言った。


「あくまでも噂ですが……この海賊が遺した宝があると言われています。イックラーはもしかして、それを目当てにこの会社をこの島に作り、いずれは調査をするつもりだったのでしょう。しかし、噂なので本当にあるのかどうか分かりません。調べようと思った人はいるらしいのですが、帰って来た時には傷だらけでした」


「宝か……海賊魂が騒ぐな~。それも危険な洞窟。きっと何かあるに違いない! 私の予想だと、金銀財宝だよ!」


 セアンは嬉しそうにこう言っているが、ケアノスはため息を吐いてセアンに近付いた。


「話を聞く限り、宝があるかどうか分からない以上、無暗に入るのは賛成しないわ。お金が欲しいのは私でも分かるけど、もしなかったら無駄足よ。それで怪我をしても本当に無駄よ」


「えー? でも他に何かあるかもしれないよ。それに、何度も似たようなことがあったし。怪我もすぐ治るから、不安なことは考えないようにしようよ~」


「似たようなこと? なぁ、俺が皆の仲間になる前に何かあったのか?」


 カイトがこう言うと、コスタが近付いてこう言った。


「前にも宝を取るために危険な洞窟や、山を登ったりしたの。話通り本当に宝があって、それを国やシーポリス、成金相手に宝を売って大金を得たこともあるけど、たまーに宝がなかったりしたのよ」


「まるでギャンブルだな。宝探しも確実に目当ての物がないってわけじゃないんだな。怪我まみれになった挙句、宝がなかったら本当に無駄足だな。怪我をした分余計悪い」


「そうなのよ。私としても、ギャンブルより確実に稼げる賞金稼ぎがいいけどね……今回はどうなることやら。大体はセアンが決めるから……宝があればいいんだけど」


 と言って、コスタはセアンとケアノスの会話を耳にした。結果、セアンが宝探しに行こうと押しまくったため、ケアノスの方が折れた。


「はぁ。しょうがないわね、分かったわ。それじゃ、しばらくこの島に滞在しましょう。明日から準備をして、宝を探しましょう」


「やったー! 宝探しの始まりだー!」


 ケアノスの言葉を聞いたセアンは、子供みたいにはしゃいだ。コスタははしゃぐセアンを見てやれやれと呟き、ライアとラージュは互いの顔を見合わせて大変なことになったねと言いあった。カイトは噂通り宝があればいいなと心の中で思った。




 その後、カイトたちは町の宿屋に移動した。荷物を置いてベッドに座り、少し休もうとしたカイトだったが、部屋にサマリオがやって来た。


「サマリオ。どうしたの?」


 と、カイトの横に座ろうとしたセアンが聞いた。


「そろそろシーポリスの本部に戻るから、その前に君たちに挨拶をしようと思ってね」


「もう行くの? 大変だね、シーポリスも。もう少し休んだらいいのに」


「君たちみたいに自由に動けないからね。ここへ来ることができたのも、私が上に無茶を言った結果さ」


 サマリオはそう言った後、カイトに近付いた。


「これからまた会うこともあるだろう。君のことはシーポリスの皆に伝えておく。そうすれば、何かあった時に助けになるだろう」


「ありがとうございます。でも、海の警察の大佐が俺たち海賊と仲良くていいのですか? 上司とかに目を付けられて、嫌味とか言われないのですか?」


「大丈夫だ。上の連中は私の強さを知っているし、彼女らはいい奴らだ。それはシーポリスの皆も知っている。それに、私たちは義賊を捕まえる主義はない。本当の悪を捕まえるのが私たちの役目だからな」


 そう言って、サマリオは最後に挨拶をした後、去って行った。去って行くサマリオを見送った後、カイトはセアンにこう言った。


「凄い人が知り合いにいるなんて、知らなかったな。シーポリスの大佐って結構高い立場だろ?」


「うん。サマリオは忙しいけど、海賊の私たちに優しくしてくれるの。それと、あの人がいなかったら、今の私たちはいなかったから……」


 言葉を返すセアンの表情は、どこか昔を思い出し、切なくなっていた。その表情を見たカイトは過去に何があったのかを訪ねようとしたが、深く詮索するのは止めようと思い、言いとどまった。


 宝探しと言う名目で、よく洞窟探検の話を書きます。洞窟に生息するとんでもないモンスターとの戦いは書いてて楽しくて好きです。モンハンやってるみたいで。俺は好きなんだけど、読者からの評判は全然分からない。面白いって声があったらどんどん洞窟探検の話を書いて、モンスターとの戦いを入れて行くのでよろしくー!


 この作品が面白いと思ったら、高評価、いいね、ブクマ、感想質問、レビューをお願いします。他の作品も書いてたんで、そちらのほうも読んでくれよな! そっちの方も高評価やいいね、ブクマなどを待ってるぜ!

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