66話 ギルドランク
コンコン───。
「はい、どうぞ」
「失礼します。って、やっぱりナギトさんでしたか」
と、リサさんが両手に図鑑を抱えて応接室へ入ってきた。
「もしかして、また講義をして貰えるんですか?」
「はい、ナールさんからそう言われてます」
「おぉ、ありがとうございます」
「と言っても、完全に専門外なんで詳しい事は教えれないんですよね」
「いや、全然ありがたいですよ」
「買取可能な物と大まかな金額ぐらいは教えれると思います」
「それが分かれば十分です」
「では早速、始めましょうか」
「はい、お願いします」
採集を早目に切り上げて大正解だった。
薬草の時よりも圧倒的に種類も多く、木の実や果物から鉱石や宝石類、キノコや樹液などまで。
しかも、その1つ1つに対し金額だけでなく用途や需要の度合い等事細かに説明をしてくれた。
リサさんの知識量に感服すると共に窓から差し込む光が赤く染まりだしており、帰りたい気持ちでいっぱいだった。
「大体で申し訳ないですけど、こんな所でしょうか」
「いやいや、めちゃくちゃ勉強になりましたよ。ありがとうございます」
「ところでヒールのスキル上げは進んでます?」
「はい、今日ようやく3まで上がりました」
「じゃあクイックも覚えたんですね」
「はい、クイックは覚えた所なんでまだ1ですけど」
「クイックを3まで上げるとヘイストが覚えられるので、そうなるとパーティ参加も出来るようになると思うので頑張って下さいね」
「はい」
「あと、ヒールを5まで上げるとスローヒールも覚えられるので、そこまでは早い目に上げておいた方がいいですよ」
「はい、分かりました」
「それじゃあ、頑張ってくださいね」
「はい、ありがとうございました」
リサからの講義を終え、ナールの元へ向かい買取代金を受け取り、ギルドカードを返却される。
「今回のでギルドランクがEに上がったよ」
「え?もうですか?」
「Eまではすぐ上がるんだよ」
「へー、そうなんですね」
「登録さえすりゃGで、ちょっと依頼をこなせばF。Eでようやく見習いって所だよ」
「Dでやっと一人前ですか」
「Dで半人前だね」
「あ、なるほど」
「Cでようやっと一人前だね」
「Bだと?」
「一流冒険者って呼ばれるようになるね」
「おぉー」
「なんでかって言うとね。ほとんどの冒険者がCで止まるからだよ」
「なるほど」
「ちなみに採集だけでもDまでは上がれるけど、Cランクになろうと思ったら討伐依頼もこなさないと上がれない事になってるよ」
「一人前になるには討伐もしないとですか」
「何でもこなせるようになってようやっと一人前さ」
「いずれ目指すとして、まずは目指せDですね」
「そうゆうこった。出来る事を積み重ねていくのが1番の近道だよ」
「はい」
冒険者ギルドを後にし、クイックを掛けてから帰途につく。
トリーネから家の中でトーチの使用を禁止されたようにクイックも屋内での使用は控えようと思った。
多少とはいえ速度が上がるため広い場所でなら問題なくとも狭い場所での感覚の差異は事故とまではいかないにしてもぶつかったり何かを壊してしまったりする可能性が高い。
誰かに言われる前にこういった事に気付けるようになる程には異世界のルールに馴染んできていた。
辺りは既に薄暗くなっておりミルフェイユは既に閉店していたので勝手口に回り帰宅する。
「遅くなりました」
「おかえり~」
「やっと帰りおったか、夕飯にするぞ」
「お待たせしてすいません」
「MP枯渇で倒れてたとか?」
「いや、冒険者ギルドに寄ってたら遅くなっちゃって」
食事をしながら冒険者ギルドで採集出来る種類を増やすために色々教わってきた事。
そして、それが料理等のネタを商業ギルドに売る方法が浮かばないため他に何か稼げる方法は無いかと考えたためだと説明すると。
「出来ん事を無理に頑張るよりは出来る事を増やしながらやっていく方が全然良かろう」
と先程ナールさんから言われた事と通ずる事をメディン婆さんからも言って貰えた。
「そう言えば、そろそろ装備を整えたいと思ってるんだけど、どうしたらいいかな?」
「ナギトはまだいいんじゃない?」
「え?なんで?」
「採集だけで結構稼げてるみたいだし、無理してダンジョンに行ったり討伐依頼受ける必要もないじゃない?」
「うん」
「だからまずはスキルレベルを上げながら採集でお金を稼いでギルドランク上げていけばいいじゃない」
「なるほど、ギルドランクはさっきEに上がったよ」
「おめでと。でも、Eだとまだ既存のパーティには中々入れて貰えないのよね」
「トリーネってランクいくつなの?」
「私?私はCよ」
「おぉー、一人前の証だ」
「まぁね。でもナギトならDになればアイテムボックスもあるし・・・・」
「どうしたの?」
「アイテムボックスがあるんだからポーターと兼任する形でならすぐにでも入れるかもね」
「あー、なるほど」
「どうしてもダンジョン行きたいならポーター兼ヒーラーとしてどこか入れてくれるパーティ探すわよ?」
「んー、どうしようかな」
正直、どうしても行きたいという訳ではない。気にならない訳ではないが・・・。
特に今はスキル上げが楽しくなってきて、採集も次回からは種類も一気に増えるだろうし悩む所なのだが。
凪斗の中で答えは既に決まっていた。
無駄に引っ張ります٩( ᐛ )و




