再戦
再戦
少し倒した助手席で目を瞑る久信は、各所に配置した眼鏡から送られてくる映像を処理し、勇司は周囲をキョロキョロと忙しなく眺めているが、夕暮れが迫り歩く人影を判別するには視力が足りていなかった。
「もう俺には無理だ。何も見えないからお任せして、近辺で不審火起きてないか調べとくよ。」
すると少しだけ久信は目を開き、ネットで情報がないか調べ始める勇司を見て軽く頷くと再び目を閉じる。
視覚情報を一人で纏めて受け取り、病院の全ての出入り口、主要な通路、女性が入院している部屋と設置した眼鏡からの映像を受け取り続けていた。
たいした情報を得ることの出来ないまま時間が過ぎるが、突然久信が身体を起こし目を開く。
「見つけました。正面からとは大胆ですね、勇司さんお願いします。」
「はいなっと。じゃあ行きますが、勝算はあるか?前回ははっきり言ってボロ負けだぞ。」
「確かにそう言われるとそうですね。今から考えておきます、では参りましょう。」
車にエンジンをかけると勢い良く進み正面入り口に走らせると、カーキ色の帽子を目深に被り歩く男の前に回り込み道を塞ぎ車を急停止させる。
助手席から降りる久信は、手嶋の目の前に立つとIDカードを提示し、少しのプレッシャーをかけていく。
「手嶋さん、ここで止めさせていただきます。これ以上火は見たくありませんので。」
すると運転席から光を警戒しながら伏し目がちに勇司も出てくるが、久信が手で制す。
「ここは私が。勇司さんは念のために人払いをお願いします。」
「任せていいのか?特技的には多分だけど俺の方が相性がいい予感だぞ。」
「そうかもしれませんね。ですが少し対処法は考えてありますのでご安心を。」
「じゃあ任せるよ。そーゆうわけで・・・、放火魔だーっ!」
叫びながら病院に入っていき避難を促す勇司を見送ると、久信は軽く眼鏡を触れ、手嶋は奥歯に隠していたカプセルを噛み砕く。
カプセルの中に仕込んでいたスターダストは、飲み込まれるとすぐにその効果を発揮し手嶋の瞳を赤く染め上げる。
(さて、諦めてはくれないようですね。そしてスターダストも改良が加えられているようです、以前はそこまでの即効性はなかったはずですが。)
久信は表情一つ変えずに戦闘態勢に移行すると、ブツブツと何かを呟きながら久信を血走った赤い瞳で睨みつける手嶋へ、真っ直ぐ歩いていくのであった。
短めですがとりあえず投稿です。目標としては350話くらいでこの話しは終わらせる予定です。




