表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特技の使い方 〜吸えない煙草〜  作者: cozy
吸えない煙草 第五章 次代
281/390

惨敗

惨敗


率先して消火活動に手を貸し、張り切っている勇司の火事場から少しずつ離れていく男を久信は慎重に追跡していた。

うつむき加減に帽子を深々とかぶり、かなり早足で歩く男にばれないよう、かなりの距離をあけているが見失う事なく尾行を続けていく。


(どこか目的があるというわけではなさそうですね。一応勇司さんに連絡ぐらいは入れておきましょう。)


無線を勇司へと繋ぎ連絡を取ろうとするが、何の返事もなく無線を切る。


(あれだけの騒ぎです、仕方ありませんか。とりあえず声をかけるのは周囲に人影のいない場所がいいですね。)


下を向き何かを呟きながら歩く男を何度か写真に収めて、特局に照会を要請していたがはっきりと顔が写っていないため未だ身元は分かっていない。そのため慎重に尾行を続けながら、声をかけるタイミングを計り続けていた。


すると一棟のマンションの前に立ち止まり、周囲を気にするように見渡す。建物の陰に身を隠す久信は、視線が向きそうになった瞬間に隠れた事をほんの少しだけ後悔していた。


(なぜ隠れてしまったのでしょう?なぜか一度隠れると出づらいものですね。では火がつく前に参りましょうか。)


建物の陰から通りに出ると、久信は極々自然に歩みを進める。カーキ色の帽子を深々とかぶる男は、久信の通過を待ち視線を合わせないように下を向きマンションの前から動かない。


男の横を通り過ぎその目を見た途端、久信は瞬間的に男の肩を掴み倒すと顔面を地面に押し付け、背中に膝をのせるとすぐに制圧する。

倒された勢いによって帽子が飛び、表れたその瞳は真っ赤に染まっていた。


「特局です。スターダストですか、持っているだけで重罪ですよ。」


突然の事に驚いていた男であったが、現状を理解すると勢い良く暴れだす。あまりの力に極めていた肘を離し離れると、久信は油断していたわけではないが男の特技は相性としては最悪に近い相手であった。


瞬き一つにも満たない間に、男はスターダストによって強力になった特技を発動していた。


【フラッシュ】


男の全身から眩い光が一気に溢れ、眩しいという言葉では表現できない程の光が周囲を照らす。まともに光源である男を見ていた久信の視界は一瞬の内に光で塗り潰され、全てが白一色に染まる。


視界を完全に奪われた久信は、焦るよりも先に取るべき行動を考え実行に移していく。


【思金神の眼鏡・譲渡】


身体の操作を自分の意識から切り離し、眼鏡に操作権を渡すと動きの鈍くなっていた身体は強引に動き出す。


しかしすでに男は次の攻撃体制に入り、久信に向けた手の平から光を出し収束させる。伸びる光は久信の胴体を明るく照らし出すと、その光は強い光と共に強い熱量を収束させていた。


ロングコートから煙が上がり黒く焦げるとそこから一気に火がつく。

強引に動く久信の身体は、火が回る前に脱皮のようにロングコートを脱ぎ捨てると、今は前を向き久信の方をしっかり見つめている男へと投げつけた。


更なる光を受けロングコートが空中で燃え尽きる。

男が更なる攻撃に入ろうとするが、そこにススに塗れた助っ人が走って近付いてきていた。


「なんかこっちですごい光ってましたが、・・・って久信なんか寒そうな格好になってどうした?少しシャツ焦げてますけど。」


今は何も答えられない久信に対し、男は再び全身から一気に眩い光を放つ。


【フラッシュ】


「目が、目がーっ!」


男はその場から走り去っていき、苦しむ勇司と目を瞑ったままの久信は追うことはできず、逃走を許してしまう。

こうしてようやく出会えた容疑者との遭遇戦は、二人の惨敗で終わるのであった。



少しばかり更新が滞りがちです。少々礼服的なものを着る用事があると、こうイマイチ書く時間が取れません。


次は素早く書けたらいいなー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ