護衛
護衛
特局の地下にある0室に勇司と久信は呼びだされていた。二人が椅子に座り待っているが、誰も0室に他の班員はやってこない。
「なんで急ぎめで呼び出されたんだろうな?今日非番で、原付きの修理に開発班のとこ行こうと思ってたから問題はないが。」
「私もさっぱりですね。もしや勇司さん遂にやってしまいましたか?だからあれほど幼女にだけは手は出しちゃいけないと言ったじゃないですか。」
「ロリコンちゃうわボケッ!思い当たる節もないわっ!」
二人が少しの間騒いでいると、0室の扉が開き革の上下の服に身を包んだ細身の男が入ってくる。体型に見合わない重量を感じさせる足取りで進むと、椅子に座り二人を見た。
安斎 慎介、特技は【サイボーグ】の0班の班長であり、特局の最高戦力に数えられる一人であった。
「非番なのに悪かった。あちらからの指名だから、俺が悪いわけでもないからあきらめろ。」
二人は慎介の話を聞くが、内容を掴みかねているとさらに話を続いていく。
「とりあえず行けば分かる。さっと行け、さっと。」
促されるように急いで準備を済ませ、外に出ると大通りまで歩く。そこでしばらくの間待っていると黒塗りの高級車が横付けされ、運転手が降りてくると後部座席の扉を開いた。
中から恰幅のいいグレイのスーツに身を包んだ、50を超えた男がゆっくりと出てくる。
勇司は見た覚えのある男の顔に驚き、久信は表情を少しだけ強張らせるがすぐに元に戻す。
「呼び出してしまって悪かったね。勝義に相談したら久信君の話が出て、ちょうどいいという事になってね。」
柔和な笑みを浮かべながらも、威厳のある声で話し掛けてくる男を見て、勇司はやっと思い出す。
(あらら、大物です事。特技産業大臣、長谷島 博己だったっけ?確かこの前就任のニュースを見たような。)
手を伸ばしてくる長谷島と二人は交互に握手し、運転手をその場に残したまま三人は車に乗りこんだ。
助手席に座る久信は緊張する様子もなく、話しかけていく。
「長谷島さんお久しぶりです。父とはどんな話を?」
「ああ。大臣に就任してからなんだが、脅迫めいた事が続いていてね。大きな決議が明日に控えているもので、相談したら護衛をつけて貰うことになったんだよ。それが君達らしい。」
威圧感をあまり与えない長谷島の喋り方に、勇司は少し気を楽にしながらハンドルを握り車を発信させた。運転し慣れない高級車に戸惑いながらも、徐々に癖を掴み高級車ならではのスムーズな走りをみせていく。
「いやー、さすが国産の最上位モデル。何かが違うな、何が違うかは分からないが。」
「ハッハッハッ、これでも大臣の車だからね。いいのに乗らせてもらってるよ。」
笑いながら気軽に言葉を返す長谷島を後部座席に乗せ、勇司と久信は周囲を警戒しつつ目的地に車を走らせていくのであった。
かなり短めです。スマホの調子が良くなり次第、ペースと文字吸うを上げていきたいと思います。




