飛行場
飛行場
セダンは金網に囲まれた滑走路に、警備員のいるゲートを久信が顔を見せただけで中に入っていた。
「こんなとこに飛行場あったか?ターミナルはないみたいだけど。」
「雪さんの所有物ですよ。本当はターミナルも作りたかったようですが、自重してもらっています。」
「お前の彼女もなんつうか振り切ってるよな。」
「否定は難しいですね。飛行機はすでに着陸しているようです。」
セダンを旅客機に横付けすると、タラップが降りてきて着崩した燕尾服とキャビンアテンダントの制服を着た長身の二人の女性が下りてくる。
「無事みたいで良かったな、久信よ。そしてなによりナイスなコスプレだな。」
「あなたがロリコンでなければ眼球にホットコーヒーを流し込む所でしたよ。ロリコンで良かったですね。」
「だーかーら、ロリコンちゃうっちゅうねん!」
するとタラップを降りていた二人も下で騒ぐ勇司と久信に気付く。
「あっ、久信くんに勇司くんただいまー。」
「お迎えご苦労さん、そっちはどんな感じだ?」
軽快にタラップを下りてくる二人を迎え入れると、四人は旅客機を下から眺めていたがその時久信が何かに気付く。
「相当に機体に負担が掛かっていますね。もしや本気で電脳誘惑を?」
「そんな事ないよー、三割くらいかな?世界があたしを応援してたけど、人形さん達も乗ってたしね。」
小首を傾げながら答える雪であるが、さらに久信は特技を使い機体を見ていくと更なる異変を発見する。
「雪さん、昴さんの後ろへ。行きますよ。」
久信の言葉に従うように雪はすぐさま後ろに下がり、代わりに勇司が前に出てきて二人は機体の下へと近づいて行く。
「どうしたどうした?何かあるのか?」
「中に侵入した形跡が見受けられますね。」
詳しく機体を調べていくと、僅かに残るくり抜かれたような継ぎ目を久信は見つけ、整備用の梯子に登り継ぎ目を押すがビクともしない。
「勇司さん何もしていないのに悪いのですが、昴さんにチェンジです。」
「何か悲しいけど、了解です・・・。」
トボトボと下を向きながら歩き、勇司は昴と役割を交代するとキャビンアテンダント姿の雪に励ましてもらい、130%のテンションにまで復活を遂げていく。
旅客機の下部では昴の特技によって継ぎ目が外され、二人が内部へと侵入しようとしていた。勇司も後ろのキャビンアテンダントを庇うように警戒をするが、その警戒は杞憂に終わる。
四人は旅客機内のデッドスペースで見つけた故障しているパソコンを囲んでいた。
「不可思議だな。なんであんな場所にパソコンが?」
「内部で強引に配線は繋いでありましたので狙いは電脳誘惑の特技自体でしょう。本命が何かまではパソコンを調べないと分かりませんが。」
「そうゆう事になるか。雪、出番だぞ。」
「特局に早く帰りたいからあたし頑張るよっ!」
【電脳誘惑】
雪に触れられると同時に、沈黙していたパソコンは息を吹き返し饒舌になっていく。次々と情報を吐き出し、最後に送信した情報を見た途端に、久信は今回の事件の概要を掴み始めていた。
「これは、まさかとは思いますが犯人は勇司さんでしょうか?いえ、こんな高度な事は無理でしょうね。」
「全ての発言がひでえよっ!悲しむぞこの野郎。」
「そうだよー、久信くんごめんなさいって言わないと可愛そうだよー。」
フォローを入れてくれる雪に感謝しつつも勇司は話しをを進めていく。
「で、どうゆう事なんだよ?何が分かったんだ?」
「容疑者の狙いは再び変革記念日を起こす事のようです。探していたものは人、【停止】【脱色】【染色】の特技を持つ者を探し出していたようです。特局のサーバーに侵入するためには電脳誘惑を使うしかないでしょうしね。」
話しを聞いていた三人は話しの理解が及ばずに、黙って聞いていたが思わず昴が口を挟む。
「まあ、何となく分からないでもない。だけど実際可能なのか?かなり突飛な発想だぞ。」
「私もそう思います。ですが範囲を限定してスターダストを服用すれば実現可能だと。」
「今はその線を信じるしかないか。じゃあとりあえずこのメンツで動くぞ。」
再び旅客機を飛ばす為に点検に入る昴と久信、帰りたそうに駄々をこねる雪、する事が見つからず右往左往する勇司達四人は容疑者の発見に向け、各々活発に動き始めるのであった。
やっとこさ事件の全貌が書いてる本人にも見えました。多少強引すぎる気もしますが。
意地でもシリアスにはしない予定ですのでお気楽にお読み下さい。




