仕込み刀
仕込み刀
勇司は走りながらも銀色の煙草に火をつけ、吸い込むと一気に吐き出す。
【銀煙・ダーツ】
煙で出来た無数のダーツは未だ無表情に立つ男へと飛んでいく。男は避けることなく片足をゆっくり上げると、鋭い蹴りを放ち纏めてダーツを散らしていく。
さらに飛んでくる煙で出来た矢に手刀を振り落とし一刀両断にすると、近付いてきていた久信を感情のない目で牽制する。
それでも久信はステッキの鞘を砂浜につきながら素早く迫ると、仕込み刀で突きにいく。横に避ける男に対し久信は身体ごと回転させながら、仕込み刀を振り切っていくが甲高い音を立てながら手刀で受け止められる。
受け止めた瞬間に男は足刀を放ち、久信の足を狙いにくるとステッキの鞘で受け止めるが半分ほどにまで切れ目を入れられ、ステッキに装備されている武装がほぼ使い物にならなくなってしまう。
そこにダーツによる援護が飛んで来て、久信は半分切れ込みの入ったステッキを持ったまま仕込み刀を大きく振ると、男は軽く下がりながら距離を取っていく。
「助かりました。それにしてもステッキが手足の頑強さに負けていますね。まともに受けるのは辞めたほうが賢明でしょう。」
「それ切れちゃってるしな。もう弾を出すのは無理そうだけど、刀入っててどうゆう仕組みなんだそれ?」
「その質問は池中さんに聞いてください。ちなみにところてんを突き出す事も可能だそうですが、これだと漏れてしまいますね。」
「いるのかその機能?まあ、暑い時期にはあってもいいか。」
二人の会話を未だ無表情に聞いていた男が、袖を捲り肘を出すと久信の顔色が少し変わる。
「やはりそうなりますか、勇司さん。」
「どうしたどうした?何かいい作戦でも見つかったのか?」
「いいえ全く。あの方の肘には気をつけてください、あれは手刀以上に切れます。」
男は砂浜を踏みしめると、動きづらさを感じさせず一歩目からスピードを上げていく。ターゲットは自分だと感じた勇司は、銀色に輝く煙草に火をつけ自らの体に吐き出す。
【真銀煙・甲冑】
全身を銀色に輝く甲冑を纏い、勇司は男を迎え撃つがすでに距離を潰され至近距離まで迫られていた。真正面から打ち込まれてくる肘をスウェーで躱すが、さらに男は勢いのまま鋭く身体を回し裏拳を打ってくる。。
バランス取る事も忘れ、勇司は無様に尻もちをつくように倒れ込みながら裏拳を回避するが、甲冑の兜には大きな切り口が刻まれ煙へと戻っていった。
さらに追撃に入る男に久信がロングコート内から抜いた小型のナイフを投げ、後を追うように仕込み刀を構えながら迫っていくが、ナイフは空中で手刀によって切断され、砂を巻き上げながら一気に下がり距離を取られてしまう。
「バッグブローも切れるぞこれ。甲冑役に立たないな。」
「その様子だと大丈夫そうですね。切れ味を鈍らせなければ、捕まえるのは難しいようです。勇司さん任せますよ。」
そして久信は勇司の前に立つと、未だ無表情のまま立つ男を特技を使い観察していく。
【思金神の眼鏡】
(さて、なんだかんだでお任せして時間を稼ぎましょうか。何か捻り出してくださいよ、勇司さん。)
そして久信はステッキに仕込み刀を戻すと、頭を抱える勇司を後目に軽くステップを踏むように男へと歩きだしていくのであった。
バタバタ書き上げましたので、粗めの仕上がりです。
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