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特技の使い方 〜吸えない煙草〜  作者: cozy
吸えない煙草 第二章 26班
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観察

観察


三人はその付近で一番高いビルの屋上に着地すると、要と久信は裸眼で周囲を確認し始める。勇司は単眼鏡を伸ばし、周囲を一度眺めてからビルの下を覗き込む。


(はてさて、それにしてもなかなかいいお天気でいい風景ですな。下を歩いてる人達を除けばですが。)


ビルの下では人を求めて歩き回る感染者の姿があり、ビルのシャッターを叩き続けている感染者の姿も見えるが、落ち着いて屋上を歩き回りながら寺塚の捜索を続けていく。


「ここからじゃ無理だな、次行ってみるぞ。」


要は指示を出すと、二人の肩を鉤爪で掴みそのまま舞い上がると次の目ぼしいビルへと羽ばたいていく。

ようやく空中散歩にもなれてくると、周囲を見渡す余裕ができ、建物の屋上には救助を待つ人々の姿が多数確認できた。そして次のビルへと着地する。


「まだ感染していない人達も結構いるみたいだな。」


「そうですね。感染が始まったのがまだ昨日ですから、まだ表情に余裕がある方が多いみたいです。」


「たけど多少探す範囲が広いな。建物の中に入られたりしたら見つけるのはかなりキツイぞ。一旦上空から見てくる、二人でどっかに行くなよー。」


要は一人羽ばたくと上空に舞い上がり、滑空しながら大きく円を描くように飛び続けゆっくり屋上に着地した。


「ここ近辺にも見当たらないな。次々いっていろんな角度から見たほうが、見つかる確率は上がるだろ。次だ次っ。」


そして次々とビルからビルに飛び回り、捜索を続けていくと久信が何かに気付く。


「あの男性、先程見た感染者達と比べて明らかに動きが違いますね。動きにはっきりとした目的を感じます。」


「たしかに違うと言われたら違うな。んっ?コンビニに用でもあるのか?」


フラフラと何かを探すように歩いていた感染者の男はコンビニの自動ドアの前に立つが、閉められているらしく開くことはない。そして少し悩んだ感染者は自動ドアに突進すると、ガラスを割り中に侵入していった。


どこの話をしてるのかも分からず、単眼鏡を覗き込んでいた勇司はガラスが割れた事でようやくそのコンビニに見つけ出す。


「これの倍率じゃほとんど見えねえよ。二人共何か落ち着いてるけど、中に無事な人がいるとかそんな事ないよな。」


「それは多分ねえな。中に人のいる気配はないし、なんかあの感染者落ち着いてるんだよ。多少様子はおかしいが、ギリギリ買い物客に見えない事もないって雰囲気か。」


するとフラフラと男の感染者はコンビニから出てきて、両手に何かを抱えながら来た道を戻り出す。


「あれはパンですね。」


「両手に食パンだな。」


「パンなのか?腹ペコなのか?」


あまりよく見ることのできない勇司を尻目に、二人は感染者を目で追っていく。フラフラ進む感染者は持っていた食パンに手をつける事もなく歩き続け、そのまま一件のマンションにたどり着くと迷う事なく入っていった。


「さすがに中までここから見るのは無理だな。多分ビンゴだろこれ。」


「そうですね。寺塚はきっと食料を必要としているのでしょうが、手錠のせいで見動きがとれず感染者を操り取りに行かせたと。」


「って事はその寺塚の特技は感染者を操ることが出来る特技ってわけか。マンション内だと多少翼が邪魔だな、さてどうやって確保する?」


「私達二人はどこかのベランダから中に入ります。要さんは空から寺塚が出てこないように、見張りをお願いしても良いでしょうか?」


「それしかないな、じゃあ一気に攻めるぞ。だけど一つだけは言っておく、危機を感じたら遠慮はいらない、感染者ごと倒せ。分かったな。」


二人が頷くのを見ると、要は甲冑姿の勇司とロングコートの犬の姿の久信の肩を鉤爪で掴み、マンションにむかって一気に滑空を始めるのであった。




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