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#36 一学期 期末テスト 二日目。その時、事件が……

 期末テスト二日目――


 紫苑は一日目より少し遅めに登校してきた。

 なぜ遅めに登校したのかというと、この日の試験科目は現代文と自習を挟んで、彼女の得意科目である英語があるから。


「みんな、おはよう!」


 この日も春原はチャイムと同時に教室に入ってきた。

 紫苑は号令をかけようとするが、「座ったままでいいよ」と言われたため、着席したまま彼女の話を聞く。


「今日もテストだよ! 今日は副担任の秋山先生の現代文と二限目の自習を挟んで、三限目は英語だよ! 英語は苦手な人が多いと思うけど、自習でしっかり復習してリスニング問題はよーく聞いて点数を確保するんだよ」

「「はーい」」

「ということで、今日も頑張ってね!」


 春原は一日目と同様に再び姿を現すことなく、職員室に向かった。


 一限目の現代文のテストはもちろん、二限目の自習も何事もなく終了――



 *



 三限目――

 今回、怪盗ベルモンドが姿を現したのはこの時間となった。


 現在は三年生は英語、二年生は社会科の地理、一年生は数学の試験が行われている。


 紫苑達のクラスのテスト監督は女性数学科教師の今田だ。

 彼女はこの学校の教職員の中で小柄な方ではあるが、どこから声を出しているのかと思われるくらい声は大きい。


 今田は生徒達に問題用紙と解答用紙を配布しながら「あと少し経ったらリスニングテストが始まるよ。心の準備をしておいてね」と声をかける。

 彼女らは静かに頷いた。



 *



 問題用紙と解答用紙が配布され、カリカリとシャープペンシルの音が聞こえてくるだけの静かな教室――


『これから、第三学年期末テストのリスニングテストを始めます』


 男性の声のアナウンスが入った。

 生徒達はシャープペンシルを止め、一斉にリスニングテストの問題を探し始める。


 この学年の英語のリスニングテストの問題は大島が事前に録音したものだろうか、それとも生で出題しているのだろうか。

 彼女らはそのようなことは全く気にせずに問題を見つけた。


『――まずは第一部です……』


 そのアナウンスのあとはブチッとテープが止まったのか全く声が聞こえてこない。

 やはり、リスニングテストの問題は事前に録音したものだった。


「なんだ!? なんだ!?」

「もしかしたら、放送機器が壊れたとか?」

「やったぁ!」

「今回の英語のリスニングテストはなしだ!」

「おいおい。リスニングテストがなかったら筆記で点数を稼ぐしかないぞ?」

「あっ、英語、苦手だったんだ! どうしよう……」

「リスニングテストがなかったら赤点を取っちゃいそうだよぉ……」


 時間が五分ほど経過しているが、全く放送されないこの状況で三年生のどのクラスも騒がしくなっている。

 中にはそのような状況にも関わらず、筆記問題に戻っている冷静な生徒がちらほらいた。


 英語が得意な者からすると関係のないことだが、苦手な者からすると皮肉に近い――


 各クラスのテスト監督は他の学年が試験中のため、静かにするよう声をかけ、その場を落ち着かせるのであった。

2026/06/09 本投稿

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